FairValue Gap(別名Hidden Gap)の構造について解説

今回は前回お話ししたFairValue Gap(フェアバリューギャップ、別名:Hidden Gap)の続編として、FairValue Gapの構造について解説していきたいと思います。

フェアバリューギャップって何?という方は、前回の記事をご覧ください。(動画もあります)

 

本記事を読むことで、FVGの特徴である「価格はFVGに引き寄せられる」理由がが分かるようになります。

同じ内容について解説した動画もありますので、そちらもご覧ください。

FairValue Gapは以下のような別名もあります。

  • Hidden Gap(ヒドゥンギャップ)
  • Imbalance(インバランス)

本記事では呼び方をFairValue Gapとして統一し、略称としてFVGとして表記します。

FVGとは?

まず前回のおさらいとして、FVGは以下のような3本のローソク足から導き出される価格帯になります。

真ん中の足が大きく、左右の足のヒゲが重合しない(オーバーラップしない)価格帯がFariValue Gapとなります。

FVGは以下のような特徴を持ちます。

FairValue Gapの特徴

  • FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
  • 引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい
  • FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす

Fairvalue gapは別名「hidden gap」で、隠れた窓という名前の通り、FX市場では週に1回発生する可能性のある「窓」と近い特徴を持っています。

今回はフェアバリューギャップが生じる価格帯で何が起きているのか?についてチャートから考えていきたいと思います。

大きな足の需給バランス

まずは実体の大きな足の構造と注文状況について解説します。

大きな足=需給のバランスが崩れたことを示す

下のドル円日足チャートをご覧ください。

Aの足は大きな陽線で、FVGを形成しています。一方でBは小さなローソク足が連続しています。

Aのような大きなローソク足が出るというのは、この時間足において、足が始まってから確定するまでに早く動いたことを意味します。

逆にBで示した小さなローソク足群は足が始まってから確定するまでの動きは遅かったと言えます。

足が始まってから終わるまでの時間はどれも同じですので、早く動けば動くほど値幅は大きくなります。

ここで特定の時間帯において「早く動く」という意味について考えてみましょう。

価格が早く動くのは、それだけ需給のバランス、売りと買いのバランスが崩れたからです。

イメージしてください。
例えば片足で立っていてバランスが崩れた時ほど体が大きくよろめいて動いてしまいますよね。
逆にバランスが取れている時は、多少フラフラすることがあったとしても動き自体は小さいです。

Bのローソク足群のような動きの悪い足は、需給のバランスが良い感じで取れていたとも言えます。

需給のバランスが崩れた結果、偏った注文が残る

再度Aについて注目しましょう。

Aでは大きな陽線で価格が上がってっていますが、この足が確定するまでの流れとして、市場参加者の売りたい量よりも買いたい量が圧倒的に上回っています。

取引量取引が成立するということは、売る量と買う量はイコールになりますが、特定の価格で売る量が足らない中で、それでも買いたいのであれば、次に高い価格で売ってくれるを見つける必要があります。

その結果、価格は上がります。

これが需要と供給の仕組みです。

そして、Aの足が確定した直後は、それまでAの足の価格帯上にあった売り注文のほとんどが消化され、逆に買い注文が多く残っている状態になっています。

この状態もまたインバランスを生みます。

ここまでのまとめ

Aの足についてまとめます。

  1. Aの足では買いが強く、その結果売りと買いのバランスが崩れて上昇した。
  2. バランスが崩れた結果、Aの足が確定した直後は売り注文は消化され、買い注文ばかりが残っている

この2点はとても重要です。
特に②の方の「買い注文ばかりが残っている」というインバランスは、その後の相場にも影響を及ぼしまます。

不均衡はいずれ修正される

基本的に相場で生じた不均衡・インバランスというのは、必ず修正される運命にあります。

新しい値動きが生じる、というのはそれは常に売りと買いのインバランスな状況を作ります。(前述のAでは買い注文ばかりが残っていました)

しかし、それは多くの場合で次の値動きで、とりあえず修正が入るようになっています。

「修正される」を具体的に言うと、FVGを作らないように動いている、ということです。

そこそこ大きく動いて上げていて買い注文が残っていたとしても、次に下げて買い注文を消化して、フェアバリューギャップとならないように価格が動くのです。

過去の相場を見てみましょう。

このチャート画像の中には約90本のローソク足があります。
その中でFVGが生じているのは7本の足だけ、1割未満の出現率です。

目立って大きな足の多くはFVGが生じてはいますが、それなりに大きな足であっても、FVGが生じていないケースも多いのです。

このことからも次の足でインバランスを修正しようとする動きは強いことが分かります。

しかし、何らかがきっかけとなって、大きな値動き、大きな需給のバランスの崩れ、大量の資金が流入すると次の足で修正が入らないことがあります。

それこそがFVGが生じる時になります。

FVGが生じたら、そのままでは終わりません。
やはり価格はインバランスを修正するように動きます。

これが、FVGが生じた後に、価格はFVGに吸い込まれるような動きをするメカニズムになります。

FVGとボリュームプロファイル

FVGを見る上でとても参考になるのがボリュームプロファイルです。

ボリュームプロファイル(価格帯別出来高プロファイル)とは、価格帯別に、どれだけの取引量があったかを示す指標です。(FXの場合では、どれでティックの更新回数があったかを示します)

ボリュームプロファイルについては過去に詳しく解説していますので、興味のある方は以下のリンクからご覧ください。

このボリュームプロファイルとFVGを一緒に見ると、面白い現象が確認できます。

まず下のチャートをご覧ください。

これは、赤と青の破線で挟んだ期間のボリュームプロファイルを表示しています。
この期間のボリュームプロファイルの中で、一番ボリュームが小さい価格帯は、FVGが生じた価格帯です。

FVGのゾーンを表示すると明らかですね。
大きなスイングの真ん中あたりの価格帯でボリュームが小さいのは異様な状態です。

これもまたインバランスが生じていることを示しています。
インバランスが生じれば、その価格帯はある意味真空のような力を持って、価格を引きつけやすい性質を持ちます。

その後のボリュームプロファイルの動きを見てみましょう。

徐々に差が小さくなってボリュームのバランスが取れてきていることが分かりますよね。

このように市場で生じるインバランスは、その後の動きで修正されていくことがボリュームプロファイルを見ることで視覚的にも分かりやすくなります。

まとめ

今回はFVGの構造について解説しました。

まとめるとこのようになります。

  • 価格は常に修正される(基本FVGは出てこない)
  • 需給に大きな変動があるとFVGが生じる
  • FVGの生じた価格帯売りと買いのバランスが崩れており、取引量が少ない
  • 売りと買いのバランスが崩れた価格帯は、価格を引き寄せる力を持つ

また、FVGが生じる足のほとんどが実体が目立って大きな足です。
これらは大口のトレーダーが仕掛けて生じた結果として形成されることも多いことで知られています。

大口トレーダーのやり方や考え方は以下の記事で解説しています。

実はFVGも含めて全てがSmart Money Conceptsという名前で繋がっています。
今後も記事を更新していきますのでご期待ください。

 

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