豊富な機能を兼ねそろえた検証ツール「Trade Trainer」

本記事では新しいMT4用のトレード検証・練習ツールである「Trade Trainer」をご紹介します。

Trade TrainerはMT4用のEAですが、類似の検証ツールのようなストラテジーテスターを利用するタイプのものではありません。

これにより、チャートの巻き戻しや途中保存、その時の経済指標表示など、「Forex Testerでは可能だけど、従来のMT4検証ツールでは出来なかったこと」ができるようになりました。

言ってみれば、FTとMT4の良いとこ取りをしたツールです。

価格は29,800円と高めですが、

  • Forex Testerが欲しいけど、MT4のインジが表示できないの困る
  • Forex Testerの機能は良いけど、ヒストリカルデータが有料なのが嫌
  • MT4の検証ツールは巻き戻せないから見直しにくい
  • マルチタイムでチャートを表示しつつ、他の通貨ペアのチャートも見ながら検証したい
  • MT4で検証したいけど、再起動したら続きの検証ができないから使いにくい

と思っている人には刺さるツールだと思います。

また、全体としての完成度も高くて動作も軽く、非常に使いやすいツールだと思います。

Trade Trainerの特徴や使い方・機能について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

Trade Trainerの特徴

Trade Trainerは過去の値動きを再現しながら仮想売買ができるトレード練習・検証ツールです。

この手のツールは有料・無料問わず色々なものがリリースされていますが、Trade Trainerは以下のような特徴を持っています。

  • MT4用のインジケーターが利用できる
  • 価格データは2011年4月分からダウンロードして利用可能
  • 複数の時間足を同時に動かせる
  • 他の通貨ペアのチャートも同時に動かせる
  • チャートの巻き戻し可能
  • 様々な注文方法に対応
  • その時の経済指標を表示
  • パネル上でトレード履歴や保有ポジションを確認可能
  • トレード結果をエクセルに出力
  • 任意のチャートをスクリーンショット
  • MT4を再起動しても前回と同じところから続けられるセーブ機能付き
  • 最大2台のパソコンで利用可能

太字にしてある「価格データは2011年4月分からダウンロードして利用可能、他の通貨ペアのチャートも同時に動かせる、チャートの巻き戻しが出来る、経済指標表示、エクセル出力、途中セーブできる」は、通常のストラテジーテスターを使うMT4検証ツールでは不可能な機能です。

このような機能は独立したソフトであるForex Testerだと可能なのですが、その一方でForex TesterはMT4のインジケーターが利用できず、ヒストリカルデータが有料という痛いデメリットがあります。

そのため、Trade TrainerはForex TesterとMT4の良いとこ取りをしたツールと言えます。

価格は29,800円と検証ツールの中では高額ですが、ガッツリと裁量トレードの練習をしたい方向けの「投資」としてはお勧めできるツールです。

Trade Trainerの中身について

Trade Trainerは以下のような内容になっています。

MT4に複数個のファイルを入れる必要がありますが、基本的にはドラッグ&ドロップでOKです。

MT4になれている方であれば、問題なく導入できます。

初心者の方であってもインストールマニュアル内に詳しく手順が解説してありますので、困ることは無いでしょう。

Trade Trainerで検証を開始する手順

インストールが終わったら、MT4を再起動します。
通常の検証ツールだと、ストラテジーテスターを利用しますが、Trade Trainerはここからが違います。

通常のチャートを表示して、そこにナビゲーター内の「ストラテジーテスター」中のTrade Trainerをドラッグアンドドロップします。

すると、チャートが以下の表示に変わります。

同時に認証ウィンドウが出てきますので、ライセンスキーを入力します。

 ライセンスキーは購入後にメールで送られてきます。

認証が終わると、検証条件を決めるウィンドウが出てきます。

ここで以下の条件等を決めていきます。

  • 検証開始日
  • 検証通貨ペア
  • 初期資金
  • レバレッジ
  • 取引手数料
  • GMT offset
  • 検証に利用するチャート(時間足や他の通貨ペアチャート)

検証に利用するチャートの時間足は同時に複数個表示可能です。(完全マルチタイム対応)
また、検証通貨ペア以外のチャートも複数個表示できます。

例えばドル円で検証する場合、ドル円の5分足、15分足、1時間足を表示しつつ、ユーロ円の1時間足、ユーロドルの15分足、ユーロドルの1時間足などを同時に表示して、完全に先が見えない形でチャートを動かせます。(これは凄いです!)

表示できるチャートは、最大で10枚です。

設定が終わったら「検証を開始する」をクリックします。
設定したチャートと以下のような独立したトレードパネルが表示されて、検証開始となります。

Trade Trainerの機能について

Trade Trainerは様々な機能があります。
その中の一部をご紹介していきます。

マルチタイム・マルチ通貨ペア対応

最初の設定で複数の時間足や通貨ペアを選択しておくと、それらを全部同時に動かせます。

下のチャートはドル円5分足、ドル円1時間足、ドル円日足、ユーロドル1時間足を同時に動かしています。

トレードパネルとは別に、検証通貨ペアのチャートには、足を進めたり戻したりできるボタンも表示されます。
「>」ボタンを押すと、その時間軸の足が1本進み、「<」を押すとその時間軸の足が1本戻ります。

上のGif動画を見てもらうと分かりますが、5分足で1本分だけ進めると、上位足は足が切り替わらずその値動き分だけローソク足の形が変わります。1時間足を進めると、5分足では一気に足が12本分進みます。

チャートを飛ばして進めたい時は上位足をクリックして、細かく見たい時は下位足をクリックしていくことで、手早くエントリーポイントを見つけ出せます。

ただし、Trade Trainerでは足確定ベースでしかチャートを動かせません。
一番細かくしても1分足確定ベースの値動きを再現することになります。

使いやすい注文パネル

Trade Trainerの注文パネルは日本語表示でコンパクトにまとまっており、感覚的に利用できます。

パネル自体はMT4から独立しているので好きなところに移動できます。

仮想売買をする際は、注文を入れたいところで「買い」や「売り」のボタンをクリックして、ロット数などの条件を指定します。

指値注文やストップロス注文(SL)、利食い注文(TP)のレートは、チャート上に表示されるラインを動かすだけで簡単に指定できます。

SLやTPを決めると、そのトレードのリスクリワードも表示されますし、難しい操作なしで手早く感覚的に利用できるのは大きなメリットです。

また、保有中のポジションについても、TP、SL注文の変更は可能ですし、ワンクリックでSL注文を建値に移動できます。

MT4に価格データが無くても大丈夫!50の通貨ペアで検証可能

通常、ストラテジーテスターを利用する検証ツールの場合、MT4内に検証したい通貨ペアのヒストリカルデータが必要になります。

これは自分でダウンロードする必要があるため、初心者にとってはハードルが高い所ですが、Trade Trainerなら自動でヒストリカルデータをダウンロードできますので面倒な作業は不要です。

検証で使える通貨ペアは50通貨ペアもあり、それぞれについて2011年4月までに遡って検証可能です。

また、価格データは毎週最新のものが追加されますので、直近のトレードの見直しをする際にも重宝します。

利用できる通貨ペア一覧

  • USDCAD、USDCHF、USDCNH、USDDKK、USDHKD、USDJPY、USDMXN、USDNOK、USDSEK、USDSGD、USDZAR
  • AUDCAD、AUDCHF、AUDJPY、AUDNZD、AUDSGD、AUDUSD
  • EURAUD、EURCAD、EURCHF、EURDKK、EURGBP、EURHKD、EURJPY、EURNOK、EURNZD、EURSEK、EURSGD、EURUSD
  • GBPAUD、GBPCAD、GBPCHF、GBPJPY、GBPNZD、GBPUSD
  • NZDCAD、NZDCHF、NZDJPY、NZDUSD
  • CADCHF、CADHKD、CADJPY
  • CHFJPY、CHFSGD
  • HKDJPY
  • SGDJPY
  • TRYJPY
  • ZARJPY
  • XAUUSD
  • BTCUSD

その時の指標を表示

Trade Trainerでは、検証期間中に重要指標等が予定されていると、その時間に縦線が引かれます。

これだけだと、何の指標か分かりませんが、パネル中の「経済指標」のボタンをクリックすることで、これから近い指標が一覧で表示できます。

この一覧は、特定の通貨、重要度別に表示を切り替えられます。

また、各指標については発表前の段階では前回の値と予測値だけが表示されますが、発表時間に足が進むと、実績値が示されるようになります。

下のGifチャートは2023年2月14日のアメリカCPI発表前後の動きを再現したものです。(赤い縦線がCPIの発表時間)

発表時間の足が出たところで、「実績」も表示されています。
これは凄いですよね。個人的にかなり感動しました。

このように、指標の時間を意識したり、発表前後の動きと一緒に指標の値や予測値も一緒に見て検証できますので、指標を意識している方には超おすすめできる機能です。

検証途中でトレード成績を確認できる

Trade Trainerでは検証途中であっても、それまでのトレード履歴や現在保有中のポジションが確認できます。

どれくらい利益が出ているのか、負けているのかが簡単にチェックできるのはありがたい機能です。

また、現在保有中のポジションいついては、ここで注文を変更したり、建値決済注文を入れたりできます。

結果を出力できる

前述のようにパネル上の「トレード」ボタンをクリックするとそれまでの取引が確認できますが、これをHTMLファイルやエクセルファイルとして出力もできます。

■HTML出力

■エクセル出力

この出力機能で凄いのが、完全に検証が終わっていなくても出力できる点です。

通常のストラテジーテスター型の検証ツールの場合、検証が完全に終わっている状態でないと出力できませんが、Trade Trainerなら検証途中で気軽に出力できます。

また、HTMLだけでなくエクセルにも出力できますので、検証後に細かくトレードポイントを確認したり統計を取ったりがしやすくなります。これも重宝するはずです。

TradeTrainerの出力機能や使い方については以下の記事をご覧ください。

セーブ機能付き

長期間に渡って検証したい場合、速度を上げても数時間程度で終わらないこともあります。

Trade Trainerでは、検証を中断できる機能が付いていますので、一度検証データを保存すれば、MT4やPCを再起動した後であっても、それまでの続きから検証を再開できます。

従来のストラテジーテスターを利用する検証ツールではこの「セーブ」と「再開」が出来ませんでした。

この機能が付いただけで、長期の検証であっても、空いた時間を使ってコツコツと気軽に行えるようになったのは、大きな利点だと思います。

Trade Trainerのデメリット

Trade Trainerは従来のストラテジーテスターを使うMT4検証ツールには無い機能を兼ね揃ていますが、デメリットもありますのでご紹介しておきます。

最低でも1分足確定ベースでしかチャートを動かせない

これが一番のデメリットになるかなと思います。

Trade Trainerはティックレベルの動きを再現できません。
再現できるのは最小でも1分足確定ベースになります。

ストラテジーテスターを利用する検証ツールの場合、疑似ではありますが出来高の値を使ってティックを再現します。

しかし、Trade Trainerはそれが出来ませんので、1分足表示の場合は足が確定するまでの動きは見れません。

そのため1分足メインで、足が確定する前にエントリーするような手法を検証する場合には向かないツールです。

しかし逆に言えば、5分足以上なら1分足のデータを使って足が確定するまでの動きは見れますので、5分足以上で検証したい場合には問題ないと思います。

下のgif動画は例として1分足をベースにして5分足チャートを動かしています。

スピード調節は1段階のみ

通常のMT4検証ツールでは、過去の値動きを再現しながらも任意で速度変更ができます。

しかしTrade Trainerでは自動でチャートが進む速度は1段階しかありません。好みの速度が無い場合は、マウスやキーボードを連打し続ける必要があります。

この解消方法としては、一緒に上位足を表示して、上位足のボタンを押すことで一気にチャートを先に進めることはできます。

行きすぎたとしても、巻き戻す機能が付いていますので微調整は可能です。

しかし、クリック連打ツールを導入することでこの弱点を解消できます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

1つのライセンスにつき2台のPCしか利用できない

Trade Trainerはライセンス制で、1つのライセンスで2つのパソコンまでしか使えません。

利用に制限はありますが、コピー防止のためには仕方のない施策かと思います。

また、「1つのライセンスで2つのパソコンまで利用できる」と書かれているように、2つのMT4でしか利用できないわけではありません。

1台のパソコンに複数のMT4が入っていたとして、それぞれにTrade Trainerをインストールしても利用可能です。

価格が29,800円

Trade Trainerの価格は29,800円とMT4を利用する検証ツールの中でも高い部類に入ります。

機能としては、ForexTester(32,000円)とMT4の良いところ取りですので、決して価格に見合ってないわけではありません。

これまでにご紹介したようにTrade Trainerでしか出来ない機能も沢山ありますので、それらが「欲しい!」と思うのであれば、買う価値はありますし、後悔することは無いと思います。

Trade Trainerのまとめ

再度Trade Trainerのメリット・デメリットについてまとめます。


メリット

デメリット

  • MT4のインジが使える

  • 同時に複数の時間足で動かせる

  • 他の通貨ペアも同時に動かせる

  • チャートの巻き戻し可能

  • 様々な注文方法に対応

  • 感覚的に使いやすい操作パネル

  • 経済指標を表示

  • トレード履歴やポジションのチェック可能

  • トレード結果をエクセルに出力化

  • 任意のポイントをスクリーンショット

  • セーブ機能付き

  • 価格は29,800円

  • ティックレベルでは動かせない

  • 利用できるのはパソコン2台まで

これらのメリット・デメリットからTrade Trainerをオススメできるのは以下のような人になります。

Trade Trainerがオススメできる人
  • MT4のインジケーターを使って検証したい
  • 経済指標を意識して検証したい
  • 5分足以上の値動きで検証したい
  • マルチタイムに加えて、他の通貨ペアも同時に動かして検証したい
  • 巻き戻し機能はあった方が良い
  • ティックレベルの動きを求めない
  • 長期間の検証を、何日にも分けてコツコツとやっていきたい
  • 検証結果を出力して細かく分析して今後に役立てたい

Trade TrainerはForex testerとMT4の良いところ取りをしたツールです。

Forex Testerを使っている方で、価格データが有料でMT4のインジが使えないことに不満を感じているのであれば、Trade Trainerを検討する価値があると思います。

また、既にMT4の検証ツール使っている方にとっても、指標表示、他通貨ペア同時表示、巻き戻し、セーブ機能は魅力的に映ることでしょう。

個人的には、既に何らかの検証ツールを持っている方ほど、Trade Trainerの良さを実感できるんじゃないかと思います。

もちろん簡単操作ですので、まだ検証ツールを触ったことが無い人もお勧めできます。

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