
ローソク足は任意の時間軸の始値・高値・安値・終値のレートが集約された画期的な表記方法です。
ローソク足1本1本には意味があり、市場参加者の思惑や総意が色濃く反映されます。
それらを見ることで相場の勢いや流れの変化を読み取ることが可能となるのです。
今回は海外でも人気が高いローソク足1本もしくは2本で形成されるプライスアクションについて解説します。
Contents
ローソク足のプライスアクションを学ぶメリット
ローソク足のプライスアクションは、どんな手法とも相性が良いです。
順張りでも逆張りであっても、他にどんなインジケーターを組み合わせるにしても、手法の邪魔をしません。
例えば、押し目買いをする時に通常のルールに加えてローソク足のプライスアクションも上昇を示唆していれば、自信を持ってロングする、といった使い方をすることで、トレードの勝率を高めることも可能です。
他にもトレンド反転の兆しが見えたらとりあえず利食っておく、といったやり方にも使えます。
しかし、過大な期待は禁物
ローソク足のプライスアクションは、時間足が大きくなるほどその効果を発揮します。
逆に言えば、1分足や5分足ではダマシが多くて使い物にならない可能性もあります。
また、基本的にプライスアクションは特定の状況下でないと効果優位性を発揮しません。
チャートをじっと見ると、思っている以上に多くのプライスアクションが出現しますが、ダマシであることも少なからずあります。
単品で使うのではなく、移動平均線など他の指標と一緒に利用することをお勧めします。
ローソク足1本のプライスアクション
最初は、ローソク足1本のプライスアクションです。
Pin bar
Pin barとは実体が小さいものの、それ以上に大きなヒゲが目立つ足です。
ピノキオの鼻を長いヒゲと重ねて「ピンバー」と呼びます。
Pin barは市場参加者の迷いを暗示すると言われており、反転の兆しとして解釈されます。
上層局面や下落局面でピンバーが出現すると、一時的な押しや戻りが見られることも多いです。
特に押し目買いや戻り売りをする際に、水平線やラインに当たってピンバーの出現を確認してエントリーすると、高勝率のトレードが可能になります。
このチャートでの青い四角で囲った足はピンバーです。
この足が確定した後は良い感じで反転してトレンド方向に進んでいます。
Pin barは足の実体が小さく、ヒゲの長い足の総称として使われます。
Pin barを分類すると、大きく以下の3つに分けられます。
- Hammer
- Shooting Star
- Doji
それぞれについてご紹介します。
Hammer
日本語ではカラカサとも呼ばれます。(実体がほとんどない場合はトンボ)
上ヒゲはほとんどなく、その代わりに長い下ヒゲの目立つ足になります。
下落局面で陽線のHammerが出現すると、一時的な反転の予兆となります。
このチャートは1月9日現在のオージードルの日足です。
1月3日のフラッシュクラッシュ後に大きく反発したため、その日の日足はHammerとなり、その後は上昇しています。
Shooting Star
Hammerの反対がShooting Starです。
日本語ではトンカチと呼ばれます。(実体がほとんどない場合はトウバ)
上昇局面で陰線のShooting Starが出現すると、一時的な反転の予兆となります。
上のチャートの青い四角で囲った足が典型的なShooting Starです。
上昇局面で上値を抑えられてのパターンは反転しやすいですね。
Doji
始値と終値がほぼ同じの足です。日本語では寄せ線、十字線とも呼ばれます。
同時足はチャートで見ると非常によく見られるのでダマシも多いです。
特にレンジの相場で見られる同時足は参考になりません。
しかし、ある程度相場にトレンドが見られるときは反転の予兆として利用することが出来ます。
上のチャートの青い四角の部分が同時足です。
足が出現した後は、少し流れが変わっているのが分かるかと思います。
Wide Range Bar
日本語では丸坊主と言われるヒゲの目立たない大陽線・大陰線です。
大陽線・大陰線は相対的なものですが、それまでの足と比較すると明らかに大きい足がこれに相当します。
Wide Rrange Barは相場に勢いがあることを示しますので、トレンドと逆方向に出現すればトレンド反転、トレンド方向に出現すればトレンド継続と考えます。
またレンジ相場で直近の高値安値をWide Range Barでブレイクしてくると、そのままトレンド入りすることも少なくありません。
上のチャートの青い四角の部分がWide Range Barです。
その後の方向を示唆していることが分かります。
ローソク足2本のプライスアクション
2本の足で形成されるプライスアクションです。
Engulfing/Outside Bar
日本語では包み足とよばれるもので、前のローソク足を次のローソク足がすっぽりと包みこむ形状のパターンです。
この中でも特に有効とされているのが、上昇局面での陰包み(Bealish Engulifng)、そして下落局面での陽包み(Bullish Engulfing)です。これらが出現するとトレンドは反転すると言われています。
上のチャートのように包む側の足が目立って大きいと更に効果は高まります。
このパターンは私も利食いや損切りの決済の参考にしています。
包み足については、以下の記事で詳細に解説しています。
Harami/Inside Bar
包み足の反対で、一つ前のローソク足に次の足がすっぽりと入ってしまうパターンです。
Haramiは日本語のはらみ足から来ています。
はらみ足は、ある意味レンジであるため、相場の方向を示す指標としてはそこまで強いわけではありません。
しかし、上昇局面で陰線が出現し次に陽線のはらみ足となるとトレンド転換、逆に下落局面で陽線が出現し、次に陰線のはらみ足となるとトレンド転換しやすいといわれています。
Tweezers
Tweezerとは毛抜きという意味で、2本の足が並んで高値が同じ、もしくは安値が同じパターンを言います。
日本語でも毛抜きと呼ばれるパターンで、上の図の左側を毛抜き天井、右側を毛抜き底と呼びます。
毛抜き天井や毛抜き底は一種のダブルトップです。
そのため、トレンド中に出現するとトレンド反転の予兆とされています。
また、Tweezerの中にも色々なパターンがあります。
今回はDBLHC/DBHLCとRailway Tracksの2つご紹介します。
DBLHC/DBHLC
DBLHCはDouble High Lower Close、DBHLCはDouble Low Higher Closeの略です。
- DBLHC(上図左)は毛抜き天井かつ2番目の足の終値が1番目の足の安値よりも下にあるパターン
- DBHLC(上図右)は毛抜き底かつ2番目の足の終値が1番目の足の高値よりも上にあるパターン
となります。
言ってみれば毛抜き天井/毛抜き底と包み足が合体したようなパターンで、トレンドの転換を示すします。
Railway tracks
平行な2本の線路を見立てたローソク足のパターンです。
そこそこ目立つ大きさで、同じくらいのサイズの2本の陽線と陰線が並んだ状態のことを言います。
これは、1本目の足を2本目が全否定したと考えられるため、次移行は2本目の足の示す方向に進むとされています。
Dark Cloud Cover/Pieceing line
窓開きが伴うパターンです。
Dark Cloud Cover(売り)とPieceing Line(買い)は真逆のパターンになります。
パターン形成の条件は以下の通りです。
Dark Cloud Cover
- 大きめの陽線が確定する
- 次の足では前の陽線の高値を超えてスタート(窓開け)するが、その後下落して陰線となり、終値は前日の陽線の実体の半分よりも下を割り込む
Pieceing line
- 大きめの陰線が確定する
- 次の足では前の陰線の安値を割ってスタート(窓開け)するが、その後上昇して陽線となり、終値は前日の陰線の実体の半分より上で確定する
厳密に言えばこのパターンはFX市場ではなかなかみられません。
しかし、場合によっては窓がなくても他の条件を満たしていればパターンとすることもあるようです。
トレードに組み入れると精度が上がります。
以上、トレードで役立つローソク足1本~2本で形成されるプライスアクションの解説でした。
何度も書きますが、これら単品ではあまり効果はありませんが、他の指標と組み合わせることで、トレンドの反転・継続、押し目や戻りからの反発を早い段階で認識できるメリットがあります。
一気に覚えるのは大変ですが、意識してチャートを見ていると自然と覚えてしまうものですので、ぜひトレードに組み入れてみてください。
次回の記事では、ローソク足のプライスアクションを自動で認識するインジケーターをご紹介します。