超ビックリ!8月の「アノマリー」にはこれだけの優位性があったなんて!PF 5.23

今回の記事では、8月が近づくとよくネットの記事で目にする「8月のアノマリー」について検証します。

「8月のアノマリー」とは毎年8月はドル円が円高に進みやすい(下げやすい)アノマリーのことです。現在では中ば当たり前のように言われていますが、どれほど信憑性はあるのでしょうか?

そこで本記事では過去のデータから

  • まことしやかに語られる8月のアノマリーは本当なのか?
  • 8月の月足は陰線となる確率が高いのか?
  • 8月の初めにショートして、8月の終わりに決済しただけで勝てるのか?

といったことを検証しています。

他にも8月の値動きの特徴とその理由についてもまとめています。
大きな優位性を得られる可能性もありますので是非ご覧ください。

7月後半から8月に相場が動かなくなる理由

毎年7月後半から8月にかけて、FX市場の動きは悪くなります。

その理由は、銀行やファンドを含めた世界中のトレーダー・投資家の多くが休暇を取るからです。

外国為替市場における「投機マネー」は輸出入業者や旅行者等による「実需」よりも圧倒的に多いため、投機マネーの取引量が減る8月は、市場の流動性も低下して閑散とした枯れた相場になるのです。

また、取引量が極端に低下することから、ちょっとした投機筋の買いや売りの取引で相場が敏感に反応して動きやすくなる傾向も無視できません。

以上の事から、8月の相場には目立った2つの問題点があると言えます。

8月相場の問題点
  1. ボラティリティ低下にるトレード機会の減少
  2. 突発的な動きによる予想外の損失を招くリスク

この2つは矛盾するようにも思えますが、突発的な動きは本当に短時間で終わってすぐにレンジ・・・という流れになりやすく、大きな流れに乗ろうとしても損切りになることもよくあるのす。

そのため、8月は決してデイトレやスキャルがやりやすい市場とは言えません。

8月のアノマリーについて

8月の相場にはアノマリーがあると言われています。
Wikipediaでは、アノマリーについて以下のように説明されています。

アノマリー(英語:Anomaly)とは、ある法則・理論からみて異常、または説明できない事象や個体等を指す。科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む。すでに説明できるようになった現象でも、アノマリーあるいは異常という名称がそのまま残ったものも多い。
Wikipediaより

為替市場がランダムであるならば、特定の月に際立った動きの傾向が見られることは無いはずです。
しかし、8月の相場は円高に進みやすい傾向にあると言われているのです。

ご存知の方も多いと思います。
8月のアノマリーの理由として、毎年8月中旬に日本が保有する米国債の利子の支払いがあり、その利子を日本円に両替するために、「ドル売り円買い=ドル円ショート」の実需の取引が行われるから、と言われています。

実際に支払われた利子のすべてを日本円に両替するのかどうかは分かりませんが、閑散とした相場の中で、「実需」としての大量の円買いの取引があれば、相場へのインパクトはかなり大きくなることは予想に難くありません。

なぜなら、「投機」の取引なら必ず為替損益を確定するために反対売買する必要が ありますが、「実需」の取引は反対売買されず、そのポジションは永く相場にインパクトを与えたままになるからです。

例えば、あなたがFXでドル円をロングした瞬間は外為市場にドル買い・円売りの影響を与えたことになりますが、決済する際には必ずドルを売って円を買い戻さなくてはいけません(反対売買)。つまり、決済する時にはあなたが与えたドル買い・円売りの影響がゼロになるのです。

しかし、もしあなたが銀行でドルを買って、そのままアメリカでドルを消費した場合はどうでしょうか?
あなたの買ったドルはアメリカで消費しているため、反対売買する必要はありません。つまり、あなたが実需としてドルを購入して使用した場合は、永遠にドル円のロングポジションが残ったままになり、市場に影響を与えたままになるのです。

この辺につきましては、実戦 生き残りのディーリングという本で、「タペストリー理論」として詳しく解説してあります。
勉強になる本ですので、読んでみられることをお勧めしています。

実際、どれくらいアノマリーなのか検証してみた

8月は円高になりやすいと言われても、曖昧でパッとしません。
実際に過去の8月のドル円相場を見て、どれくらい「アノマリー」が機能しているのかを検証しました。

検証の条件

■調査期間

1980年から2019年まで39年間のドル円の8月の相場。

■調査方法

8月のアノマリーが本当であれば、8月の月足は陰線の比率が多いはずである。

各年8月の月足より「終値-始値」を求め、この値がプラスならば月足が陽線 逆にマイナスなら月足が陰線と判定して、8月の相場が本当に陰線の出現率が高いのかを確認する。

検証結果

1980年から2019年までの検証結果は以下のようになりました。

年月終値-始値(pips)陽線or陰線
1980年8月-790陰線
1981年8月-1488陰線
1982年8月449陽線
1983年8月275陽線
1984年8月-386陰線
1985年8月137陽線
1986年8月70陽線
1987年8月-875陰線
1988年8月372陽線
1989年8月780陽線
1990年8月-207陰線
1991年8月-40陰線
1992年8月-412陰線
1993年8月0-
1994年8月127陽線
1995年8月899陽線
1996年8月205陽線
1997年8月240陽線
1998年8月-556陰線
1999年8月-510陰線
2000年8月-265陰線
2001年8月-621陰線
2002年8月-139陰線
2003年8月-363陰線
2004年8月-192陰線
2005年8月-197陰線
2006年8月274陽線
2007年8月-282陰線
2008年8月87陽線
2009年8月-165陰線
2010年8月-227陰線
2011年8月1陽線
2012年8月27陽線
2013年8月26陽線
2014年8月124.9陽線
2015年8月-267.3陰線
2016年8月119.8陽線
2017年8月125.2陽線
2018年8月-72.6陰線
2019年8月-249.3陰線
合計-3965.3pips 陽線:18回
陰線:20回

過去39年間で見ると、8月の相場は陽線18回、陰線20回、十字線1回出現率としては、陽線が46.2%、陰線が51.3%と立ったアノマリーは確認できませんでした。

下は上の表をグラフ化したものです。

上に伸びているのが陽線の年、下に伸びているのが陰線の年です。
このグラフを見ると、どうも8月の陽線・陰線の出現率に大差は無くても、下げた時の値幅が明らかに大きいように見えます。

実際、毎年8月の「終値-始値」を合計してみると、8月の相場だけで約39.5円も円高に向かっていたことになります。

これは、1980年から毎年8月の初めにショートして、8月の終わりにエグジットするだけで合計で3950pips近くも得られたという意味になります。(スプレッドを除く)

下のグラフは、毎年8月初めにショートして、8月の終わりに決済するという非常にシンプルなルールでトレードした場合の損益曲線です。

1998年から驚異的な上げを見せています。
実際、1998年から明らかに陰線の出る傾向が高まっており、1998年から2019年までの22年間では、陽線8回、陰線14回で、陰線の出現率は約64%になっています。

1998年以降の8月における「終値ー始値」の合計は約-33円となり、1998年から2019年の間で、8月の初めにドル円をショートして、8月の終わりにエグジットするだけで 約3300pipsも得られた計算になります。

検証結果まとめ

今回の検証結果から、以下のことが分かりました。

8月のアノマリー検証まとめ

  • 1998年から8月の円高のアノマリーの傾向は強くなっている。
  • 1998年以降、8月は陰線になる確率が高い(陰線の出現率64%)
  • 過去の動きをトータルすると8月だけでかなり円高に進んでいる
  • ただし、2010年代は陽線の出現率の方が高い

過去の客観的な検証結果から、8月のアノマリーは本当であり、8月の頭にショートして、8月の終わりに決済するという超シンプルなルールだけでも勝てるほどの優位性があることが分かりました。

ただ、懸念事項として2010年台に入ってから優位性が落ちていることが挙げられます。
それでもまだ優位性は残っていますので、今後の8月のトレード戦略として使えます。

無視できないくらいのエッジがありそうだ

もう一度1998年から8月の頭にショートして、8月の終わりにエグジットする戦略の成績について考察してみましょう。

1998年~2019年までの結果
トレード回数:22回
勝率:63.6%
獲得pips:3321.3pips(スプレッドを除く)
プロフィットファクター:5.23

かなり凄い成績ではないでしょうか?
ただしあくまでこれは結果論です。今後もこの傾向が続くか分かりません。

しかし、8月のアノマリーには具体的にこれだけのエッジがあったという事は知っておいてもいいと思います。

私も検証してビックリしています(笑)
今後の8月のトレードの参考にしてください。

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