以前、「10月は相場がよく動く」という事を記事にしました。
この記事では、過去の相場で月単位でどれくらいの変動率があったのかを調査し、実際に10月や11月の相場の変動率は高い傾向にあり、動きやすい時期であることをご紹介しました。
あれから2年の歳月が過ぎましたので、今回は最近のデータも追加して、各通貨ペアにおける月平均の変動率を比較したいと思います。
検証内容
■目的
1年の中で、10月、11月は本当によく動くのかどうかを調査する
■検証通貨ペア
ドル円、ユーロドル、ユーロ円、ポンドドル、ポンド円、日経平均、ダウ平均
■検証方法
月足データを用いて、各月でどれだけの変動率だったのかを求める。
これを2005年から2017年までの12年分行い、各月の変動率の平均を求めグラフ化する。
※変動率の算出方法は、(月の高値-月の安値)÷始値とする
検証結果
各通貨ペアにおける12年平均の月別変動率は以下の通りとなりました。
(縦軸は変動率(%)です)
ユーロドルは少し特殊ではありますが、それ以外は全て10月、11月の変動率が1年の中でも高いことが分かります。
このデータが示すように10月と11月はボラティリティが広がりトレンドが出やすく、トレードしやすい時期である言えます。
2018年は中間選挙の年
2018年はトランプ大統領の就任2年目となりますので、11月に中間選挙があります。
「中間選挙」というキーワードが出てくると思い出すのが大統領の任期である4年間を1サイクルとするアノマリーです。
これは一体どういうものかと言いますと、「中間選挙のある年に付ける底は絶好の買い場であり、大統領就任3年目以降の株価は上げやすい」というアノマリーです。
その理由として、「アノマリー投資」という本では以下のように解説されています。
大統領選挙は景気と株式相場に大きな影響を及ぼす。
戦争、不況、弱気相場は大統領の任期の前半に起きるか始まり、繁栄の時期と強気相場は後半に起きる傾向がある。最大の上昇は、就任後2年間の弱気相場のあとの3年目に現れやすい。
再選を勝ち取るために、大統領達は痛みを伴う取り組みのほとんどを人気の前半に行う。そして、後半になると景気刺激策を打って、有権者が投票所に出かけるときに最も好景気になるようにしがちである。
現在のトランプ大統領は歴代の中でも少し特殊な大統領ではありますが、アノマリー投資が示すように、これから2020年の間までに更に株価が上がる可能性はあると思います。(というか、現時点で既に株価が上がってきています)
大統領任期の4年間を1サイクルとするアノマリーの信憑性については、当ブログの以下の記事で検証しています。
私が実際に検証したところ、確かにダウ平均はこのアノマリーが当てはまります。
しかし、日経平均やドル円については当てはまるとは言えない結果でした。
さらにSell in Myaのアノマリーもある!
「セルインメイ」というアノマリーをご存じの方も多いと思います。
これを「5月は相場が下げやすい」と解説するところもありますが、実はそうではありません。
セルインメイのアノマリーの全文は以下のようになっています。
5月に決済して相場から離れろ。
そしてセントレジャーデー(9月第二土曜日)まで戻ってくるな。
つまり、「5月から9月にかけては相場が低迷しやすく上げにくい」という意味になります。
逆に言えば、「10月から翌年の4月にかけては相場が上げやすい」と解釈することも出来ます。
私も実際に10月から4月の期間で相場が上昇するのかを検証しましたが、確かにダウ平均、S&P500、日経平均、ドル円で上げやすい傾向にあることが分かりました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
2018年10月以降から相場が面白くなる!・・・はず
今回の話をまとめます。
- 毎年10月、11月は相場が動きやすい。
- 今年は中間選挙の年なのでダウ平均は仕込み時。(大統領任期のアノマリー)
- 毎年10月~翌年4月までは相場が上げやすい。
2については主にダウ平均を始めとしたアメリカ株に関する話になりますが、1と3はFX市場、特にドル円やクロス円で有効です。現在では既にダウ平均や日経平均、そしてドル円が上昇しています。アノマリー通りにこの流れが続くと、面白い相場が期待できるでしょう。
ちなみに私は9月に確定拠出年金のポートフォリオを、ダウ平均をベンチマークとするファンドに大幅に配分変更しました。元々セルインメイのアノマリーに従って、5月~9月はリスクオフ、10月~4月はリスクオンにしているのですが、今年はかなり強気のリスクオンです。