バイナリーオプション用のMT4ツールであるWildCardSystem(ワイルドカードシステム)をレビューします。
ワイルドカードシステムは、3種類のロジックを搭載した勝率表示も可能なMT4用のインジケーターです。
17通貨ペアに対応しており、サインの頻度も多いためエントリーチャンスが少ないことに嘆くことはありません。
これだけ見れば少なくとも機能面では優れたインジケーターですが、「自己学習AI」など少し気になるワードもあります。MT4のインジケーターでは「自己学習AI」は使えないはずなのですが・・・。
バイナリーオプションのツールはFX以上に誇大な表現が多い中で、ワイルドカードシステムはどうなのでしょうか?
詳しくレビューしていきます。
「自己学習AIがロジックを常時アップデートし、成長を続けます」と書かれているのなら、もうちょっと勝率高くても良いのではないでしょうか・・・。
Contents
ワイルドカードシステムの概要
ワイルドカードシステムは、3つのロジックを搭載したシグナルインジケーターです。
シグナルの他にも勝率や足が確定するまでの時間を表示する機能も付いています。
使用時間足 | 解説では5分足を使用(どの時間足でも勝率は出ます) | ||
---|---|---|---|
推奨通貨ペア | USD/JPY、EUR/JPY、AUD/JPY、CAD/JPY、CHF/JPY、GBP/JPY、NZD/JPY、USD/CAD、USD/CHF、EUR/USD、AUD/USD、GBP/USD、NZD/USD、EUR/AUD、EUR/GBP、GBP/AUD、AUD/NZD | ||
内容 | バイナリーオプション用のシグナルツール | ||
販売元 | ワイルドアイズ | ||
価格 | 19,800円 |
ワイルドカードシステムの長所
- 3つのロジックを搭載して勝率も表示するインジケーター
- 特典でシグナルを選別するノウハウが得られる
- 特典で他の裁量手法が学べる
- 価格はお手頃
ワイルドカードシステムの短所
- 肝心のシグナルの勝率は高くない
- シグナルを選別してやる必要がある
- セールスレターの表現に嘘がある
ワイルドカードシステムの中身について
ワイルドカードシステムの中身は以下の通りです。
これらの商品は、主に以下の会員ページでダウンロード&視聴することになります。
特典が多いですが、このうち2番目のFX・バイナリーオプション勝率70%以上を目指せる裁量手法3選以降はオマケと考えたほうが良いです。
1番目の「勝率を更に上げる特殊インジケーター」については、セールスレター内で「完全オリジナル特殊インジケーター」とも記載してありました。
しかし、全くオリジナルではなく「インディケーター貯蔵庫」内でもご紹介してあるフリーのインジケーターでした。
確かにメインのシグナルインジケーター自体はオリジナルですが、フリーで手に入る特典のインジケーターも同じように「オリジナル」と記載するのはいかがなものでしょうか?
他にも「自己学習AIがロジックを常時アップデートし、成長を続ける」といった一見魅力的に見えても、実はそんな機能は備わっていないなど、信憑性を疑いたくなります。
WildCardSystemの機能ついて
WildCardSystemはバイナリーオプション用のインジケーターで、「次の足が陽線になるか陰線になるか」を予測します。(実質的にハイローオーストラリア用)
1つのインジケーターで3つのロジックを搭載しており、それぞれについて過去の相場でどれくらいの勝率だったのかも表示されます。
(17通貨ペアに対応しているので3×17=51個のロジックと書かれていますが、ロジックの数は3つです。ここにも誇大な表現。)
ロジックAは緑色、ロジックBは紫色、ロジックCは橙色と勝率表示とサインの色が一致しているので見やすいです。過去のシグナルの勝敗についても〇と×がチャート上に示されるので、検証もしやすいですね。
また、勝率表示の下にあるボタンをクリックすると、マーチン無しの勝率、マーチン1回の勝率、マーチン2回の勝率に切り替えられます。
バイナリーオプションにとっては最も重要な「勝率」について自動で示してくれるのは非常に便利です。勝率については、過去どれくらいの期間遡って勝率を求めるかの設定ができます。
サインについてはアラート機能が付いています。
予め決めた勝率以下の時にサインが出てもアラートが鳴らない設定にすることもできますので、低勝率な時のエントリーは避けられるようになっています。
サインの頻度は3つのロジックを合計すると5分足で1日に30回ほどあります。17通貨ペアに対応していますので、1日で約500回ほどのエントリーチャンスがあることになります。
勝率93.7%で勝てるの?
ワイルドカードシステムの一つの売りは「平均勝率93.7%」です。
この数字をみると「おぉ!すげぇ!!次の足が陽線か陰線かを90%で当てるのか!」と思うかもしれませんが、最大で2回マーチンをした時の勝率です。
- 1回目負けたら次の足で倍額を賭けて再度度エントリー(1マーチン)
- それでも負けたら再度倍額にして次の足でエントリー(2マーチン)
つまり、負けたら倍額でエントリーするルールで最大3回エントリーして、その中で1回でも勝つ確率が平均勝率93.7%です。
それでもワイルドカードが謳う平均勝率が93.7%ならトータルで勝てるような気がしますよね。
しかし計算してみると、実はこれでも勝てません。
5分ターボでシミュレーション
ハイローオーストラリアの5分ターボ取引(ペイアウト倍率1.85倍)で賭け金の2倍のマーチンを使って取引すると、以下のような収支になります。
エントリー回数 | マーチン回数 | 賭け金 | 累積賭け金 | ペイアウト | 利益 |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 10,000円 | 10,000円 | 18,500円 | 8,500円 | |
2回目 | 1回目 | 20,000円 | 30,000円 | 37,000円 | 7,000円 |
3回目 | 2回目 | 40,000円 | 70,000円 | 74,000円 | 4,000円 |
4回目 | 3回目 | 80,000円 | 150,000円 | 14,8000円 | -2,000円 |
5回目 | 4回目 | 160,000円 | 310,000円 | 29,6000円 | -14,000円 |
注目すべき点として、マーチン3回目以降はマイナスになります。
つまり、3回マーチンで勝率100%になったとしてもトータルでは負けとなる残念過ぎる現実があるのです。WildCardがマーチ2回までなのも理解できますね。
また、マーチンは累積賭け金の増え方も凄いです。
最初が1万円であっても、2回マーチンした時点で累積で7万円になります。
しかし、それまでやっても得られる利益はたったの4千円・・・。
まぁそれでもトータルで勝てるのなら良いでしょう。
では次に同じ条件(2倍マーチン、ペイアウト倍率1.85)でマーチンをした場合、トータルで勝ち越すための「損益分岐勝率」を計算すると以下のようになります。
エントリー回数 | マーチン回数 | 損益分岐勝率 |
---|---|---|
1回目 | 54.05% | |
2回目 | 1回 | 81.08% |
3回目 | 2回 | 94.59% |
2回マーチンを入れて損益分岐がゼロ、つまりトータルでプラマイゼロにするにも勝率が約94.6%必要です。
バイナリー系の商材では90%以上を謳うツールが数多く存在しますが、実はそれらの多くが2回マーチンをすることが前提になっています。
しかし、2回マーチンをやって勝ち越すためには約95%以上の勝率が求められます。現実にはこの数字を満たすツールはごくわずかですし、本当に勝てるツールはマーチンといったハイリスクな賭け方を推奨せず、シグナル単発(マーチン無し)で取引するものがほとんどです。
勝率90%=凄い!と思って飛びついたとしても、実は勝てないツールなのです。
ワイルドカードのマーチン無しの勝率は?
ワイルドカードのシグナルに従って2回マーチンをしても勝てないことが分かりました。
では、マーチンは一切しない場合はどうでしょうか?
この場合は勝率が54.05%以上あれば大丈夫です。
直近1ヵ月分のワイルドカードのマーチン無しの勝率を見てみましょう。
■ドル円
■ユーロドル
■ユーロ円
■ポンド円
■豪円
ほとんどが54.05%を満たしていません。
つまりこのツールでは勝てないことになります。
勝率表示機能のおかげで、超簡単に優位性が無いことが分かってしまいました。
1時間取引(1.90倍)や1日取引(1.95倍)だと、勝つために必要な勝率は多少下がります。
勝率が高い時だけに取引すれば良いんじゃないの?
ワイルドカードでは「勝率が○○以上の時にエントリーしましょう」という解説が動画内にあります。
直近のシグナルの傾向を見て、勝率が高くて調子が良い時にエントリーすることで勝率が上がるという理屈ですが、そもそもの優位性が無い中でやっても効果は薄いでしょう。
むしろ直近で勝率が極端に下がっている時の方が効果があるかもしれません。
これはギャンブラーの誤謬と思われるかもしれませんが、実はほんの少しであれば勝率が上がることもあります。
これについては以下の記事で考察しています。
補助ツールを使ってエントリーを厳選
販売者側もトータルでは勝てないことを理解しているのか、特典として
- 高反発ライン自動生成インジケーター
- 完全オリジナル特殊インジケーター
の3つのインジケーターを提供して、ワイルドカードのシグナルを厳選するノウハウについて解説してあります。。
これらのインジについては、「完全オリジナル特殊」と記載されていますが、全部フリーのインジです。(3つとも貯蔵庫にあります)
3つをワイルドカードと一緒に表示すると以下のようになります。
結構ゴチャゴチャしますが、難しくはありません。
ほぼ無裁量でシグナルを選別することができます。
このやり方を取り入れたら勝率が10%上がるとのことですが、それなら最初からツールに組み込んでおけばいいのに・・・と思います。(実際に勝率が10%上がるかどうかは未検証)
価格は比較的安いが、残念なバイナリーツール
今回はバイナリーオプション用のツール「WildCardSystem(ワイルドカードシステム)」についてレビューしました。
セールスレター内には誇大というか嘘の表現があり、更には肝心のツールでも優位性は無いという残念な商材でした。
インジケーターの勝率表示機能、特定の勝率になるまではアラートが鳴らない、複数のロジックを積んでいるなど、確かに機能面は優れてはいますが、肝心なシグナルの優位性が無いのであれば買う価値は無いかなと思います。
これなら以前レビューした「バイナリーコンテスト優勝 Champion High/Low」の方が圧倒的にお勧めできます。
MT4用で高勝率のシグナルを出すツール、あります。
MT4で高勝率のバイナリーシグナルを出すインジケーターもあります。
サインの頻度は少ないですが、多くの通貨ペアで勝率6割以上と好調です。
MT4を使って、チャートとサインを見ながらバイナリーオプション取引をしたい方にお勧めします。
インジケーターの詳細や入手方法は以下のリンクからご覧ください。