
今回はRSIとFVGを組み合わせたトレード手法を解説します。
これは、以前Xでポストして結構な反響を頂いた手法でもあります。
RSIが20になるまで下げた後にFVGを伴う強い反発の上昇が生じる。
そのFVGまで戻ってきたところでエントリーすると、大きなトレンドが取れる。
チャンスは本当に少ないけど、なかなか良いよ。 pic.twitter.com/coWFQ4ezg6
— 正太郎@FX専業トレーダー (@shotaro_forex) December 5, 2025
具体的にはRSIが極地まで進んだ後の反転をFVGを利用してフィルタリング&エントリーします。
元々は私が海外のサイトを見ていた際に着想を得たアイディアで、実際に検証した所、思った以上にいい結果が得られました。
本記事では詳しい手法の解説に加えて、FTOを利用して検証した結果、そして改善して再検証した結果まですべて公開しています。
逆張りが好きな方、逆張り手法のアイディアを求めている方はぜひご覧ください。
Contents
本記事の動画版もあります
動画版の方ではより分かりやすく解説しています。
RSIとFVGを利用した手法の結果について
まず今回ご紹介する手法の結果からご紹介します。
左側が最初に行った検証で、右側がFTOの分析インサイトの出した改善提案に従って行った2回目の検証結果です。
元々の結果がPF1.5とポテンシャルが高かったわけですが、改良することで更に勝率とPFがアップしました。
利食いルールがリスクリワード3のため、勝率はどうしても低くなる傾向にはあります。それでもしっかりとした優位性があることが確認できます。
RSIとFVGを使った手法のルール解説
まずは今回の手法について解説します。
使用するインジケーターについて

使用するインジケーターは14期間のRSI(多くの場合デフォルト設定)です。
このRSIの20と80のところにラインを入れておきます。
RSIはトレンドが過熱していることを確認するために使用します。
ロングエントリールール
- RSIが20を割るまで待つ
- RSIが20から反発する流れでローソク足チャートで上昇FVGが生じる
- FVGの終点(上限)にロングエントリー注文を入れる
順を追って解説します。
まず、RSIが20を割り込むまで待ちます。

このチャートの右端ではRSIが20のラインを割っています。
RSI14が20の値以下になることは珍しく、これはかなり強い下げとなっていることを示しています。
ここから反発してローソク足チャートで上昇FVGが出るまで待ちます。

少し進んでから上昇FVG(水色のゾーン)が出ました。
これは、強い下げから勢いよく反発していることを示しています。
これでエントリーまでのセットアップが完了しました。

FVGの終点(上限)に買い注文を入れます。
損切は直近の安値に置いて、利食いはリスクリワードが3になる所で行います。
その後の値動きです。

利食いターゲットに到達しました。
エントリー注文を入れた後に、価格がエントリーに当たらず上昇して利食いターゲットにタッチした時点で注文をキャンセルします。
ショートエントリールール
- RSIが80を上抜けるまで待つ
- RSIが80から下げる流れでローソク足チャートで下落FVGが生じる
- FVGの終点(下限)にショートエントリー注文を入れる
ロングと同じく順を追って解説します。
まず、RSIが80を超えるまで待ちます。

RSIが20を割るのと同じく、RSIが80を超えることは珍しいです。
こういった状況になるのはかなり強い上昇が生じている時になります。
ここから下落してローソク足チャートで下落FVGが出るまで待ちます。

少し進んでから下げの下落FVG(水色のゾーン)が出ました。
これは上昇が終了して次は下げに転じるというサインです。
これでショートのためのセットアップが整いました。

FVGの終点(下限)に売り注文を入れます。
損切は直近の高値に置いて、利食いはリスクリワードが3になる所で行います。
その後の値動きです。

利食いターゲットに到達しました。
注意点
本手法では、RSIで強いトレンドが出ていることを判断し、そこからFVGを伴う反発が生じたところで逆張りを仕掛ける手法です。
一見すると無謀な逆張りにも見えますが、FVGをフィルタリング&エントリー条件とすることで、トータルでは優位性のあるトレードが可能になります。
もしRSIが20や80に到達後に反転し、FVGを伴わずに推移して、再度高値や安値をブレイクしたらエントリーはありません。

このチャートではRSIが20を割ってから一時的に反発していますが、その流れ(青い水色のゾーン)を見ると上昇のFVGは一切出ていません。
そしてRSIが20以下だった時の価格の安値を割っていますのでリセットとなります。(そこから再度反発してきたとしてもエントリーはしないことになります。)
このように、本手法ではFVGを伴わない弱い反発しかない場合はエントリーをしません。こうすることで、無差別なエントリーとダマシを可能な限り避けることができます。
検証条件について
- 検証通貨ペア:ユーロドル
- 検証期間:2025年1月~11月
- 使用時間足:5分足
- 検証時間帯:全て
- 資金管理:初期証拠金を1万ドルとして、1回のトレードリスクを口座資金の1%とする可変ロット型の複利方式
検証はForex Tester Onlineで行いました。
検証結果
FTOで検証した結果、以下のようになりました。
- トレード回数:90回
- 勝率:34.44%
- 純利益:3382.26ドル
- リターン:38.82%
- PF:1.53
5分足を利用しているにも関わらず11か月で90回(1日平均で約0.4回のチャンス)しかない点で、RSIが20や80を抜けてからFVGで反転する動きが決して多くはないことが分かってもらえると思います。
しかしプロフィットファクターは1.53と高く、しっかりとした優位性が認められます。
勝率は34.44%と低いですが、リスクリワードが3の手法の損益分岐点は25%ですので、こちらを見てもトータルで勝てることが分かります。
分析インサイトの提案&2回目の検証条件
FTOに搭載されている機能である分析インサイトを利用して検証結果を分析した所、手ごろにできそうな改善点として以下の2点がありました。
- ロンドン&ニューヨークのシルバーバレットの時間帯を避ける
- 損切後、早い段階で来た次のエントリーは避ける
つまりは優位性の下がるエントリーを避けるということになります。
ということで、1回目のトレードルールと検証条件は全く同じにして、上記のポイントのエントリーだけを避けて再検証しました。
- ロンドンシルバーバレットの時間帯:日本時間で16時~17時(サマータイム時)
- ニューヨークシルバーバレットの時間帯:日本時間で23時~24時(サマータイム時)
2回目の検証結果と1回目との比較
1回目 | 2回目 | 差 | |
総利益 | 3882ドル | 4903ドル | +1021ドル |
トレード回数 | 90回 | 71回 | −19回 |
勝率 | 34.4% | 39.4% | +5.0% |
PF | 1.53 | 1.90 | +0.37 |
結果として、2回目の再検証の方が総利益、勝率、PF全てで1回目の結果を上回りました。
トレード回数は19回減りましたが、その多くが負けトレードで、エントリーを避けた箇所は明らかに負のエッジがあることが分かりました。
勝率は5%アップして39.4%と低めの数字ではあるものの、リスクリワード3のルールで勝率が5%も上がるのは非常に凄いことです。
以上のことから、本手法でトレードするのであれば、ロンドン&ニューヨークのシルバーバレットの時間帯を避け、損切後に早い段階で来た次のエントリーチャンスは見送ることもルールに加える方が良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、RSIとFVGを組み合わせた逆張り手法について、ルールの解説から実際の検証結果、さらに改善後の再検証結果までを詳しく紹介しました。
RSIが20や80といった極端な水準に到達した後の反転は、感覚的に逆張りを狙いたくなる場面ですが、闇雲にエントリーするとダマシも多くなりがちです。
本手法では、その弱点を補うためにFVGをフィルタリングおよびエントリー条件として組み込むことで、反発の質を見極めています。
最初の検証では、勝率は34.4%と低めであるものの、リスクリワード3というルールのもとでPF1.53を記録し、統計的に十分な優位性があることが確認できました。
さらに、Forex Tester Onlineの分析インサイトを活用し、優位性の下がる時間帯やエントリーを避けることで再検証を行った結果、PFは1.90まで改善し、勝率も約5%向上しました。
トレード回数は減少しましたが、その多くは負けトレードを回避できたことによるものであり、「勝つためにはエントリーを減らすことも重要である」という点を数字で示す結果となりました。
この手法は、逆張りが好きな方や、RSIを使ったトレードにもう一段階のフィルターを加えたい方にとって、有力なアイディアの一つになると思います。ただし、どの手法にも万能性はなく、必ず検証とルールの順守が前提となります。
ぜひ本記事の内容を参考に、ご自身のトレード環境や時間帯に合わせて検証を行い、必要であればルールを調整しながら活用してみてください。
感覚ではなくデータに基づいて手法を磨いていくことが、長期的に勝ち続けるための近道だと言えるでしょう。


























