価格がFVGに吸い寄せられる性質を利用したトレード手法

今回はFVG(FairValue Gap)を利用したトレード手法の第2弾として「価格がFVGに引き寄せられる性質」を活かしたやり方をご紹介します。

驚くほどの優位性がありますので、ぜひトレード戦略に加えてみてください。

今回の記事を動画として解説したものもありますのでご覧ください。

FVGの性質

FVGの性質として以下の2点があります。

  • 価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
  • FVG自身はサポレジとしても機能する

FVGはインバランスな価格帯で、取引量も少ないため、価格はFVGの価格帯に近づくと、それに吸い込まれるような動きを見せます。

しかし、一度FVGを埋めてしまうと、サポレジとして機能して反転していく性質もあります。

今回は価格がFVGに引き寄せられる性質を利用したやり方を具体例も交えて解説していきます。

FVGは価格を引き寄せはするが・・・・

前述の通りFVGは価格を引き寄せる性質があり、FVGはいつかは必ず埋められます。

とは言っても、チャート上にはまだ埋まっていないFVGが沢山残っていますし、マルチタイムで見ればさらに多くのFVGが見つかります。

いつか必ずFVGが埋められるとは言っても、自分の意図したタイミングになるわけではありません。

近い所や新しい所から順番に埋めていくわけでもありませんので、適当にFVG埋めを狙っても勝てないのです。

そこで、効果的にFVGを埋めに行く動きを狙うには、相場のトレンドを読んで、その方向に仕掛けるのがベストです。

つまり、以下のようなポイントを狙います

  • 上昇トレンド中の押し目に生じたFVGを狙ってロング
  • 下降トレンド中の戻りに生じたFVGを狙ってショート

ではこれらのポイントについて解説していきます。

上昇トレンド中の押し目に生じたFVGを狙ってロング

  1. 高値と安値を切り上げて上昇の波を推移している
  2. 押し目を作る下げの中で陰線の中にFVGが生じる
  3. 押しが終わって反発した所でエントリーし、FVGが埋まったところで利食う

実際のチャートでのエントリー例をご覧ください。

上昇の波を描いているところでFVGを伴う押し目が入り、強く反発した所でロングします。

そして、FVGが完全に埋まったところで利食います。
損切りは直近の安値に置きますので、エントリー時点で利食いと損切り値が事前に分かります。(OCO注文可能)

もう一例ご覧ください。

トレンドが強い場合はFVGを埋めるどころか直近の高値もブレイクしていくケースもありますが、直近の高値をブレイクできないケースであっても、取りあえずFVGを埋めることは多いため、トータルの勝率は高いです。

そのため、この手法は高勝率でトレンドの押し目をコツコツ取っていく手法と言えます。

本手法はダウ理論の「押し目買い・戻り売り」戦略にFVG埋めを加えただけですが、「押し目形成中にFVGが生じている」と非常に高い精度でFVGを埋める方向で動きます。

ロングエントリーの注意すべき点

FVGが連続する場合は一番上のFVGを利食いターゲットにする

押しが強い場合、下げの途中でFVGが連続することがあります。

この際は直近のFVGではなく一番上のFVGを利食いターゲットにします。

「押しが強いから勝ちにくいのではないか?」と思われるかもしれませんが、次項で解説する押し安値をブレイクてトレンドが崩れていなければ勝ちやすいです。

押し安値を割ったらエントリーしない

本手法の買いは上昇トレンドであることを前提にエントリーしますので、FVGを伴う押しが、最高値を付ける前の安値(押し安値)を割ってトレンドが崩れていたらエントリーは見送ります。

実際のチャートでは以下のようになります。

このチャートでは押し安値を割って反発するも、今度はFVGがレジスタンスとなって下落していきました。

トレンドの終わりをしっかりと確認できていないと、このように負けることが多くなるので注意してください。

下降トレンド中の戻りに生じたFVGを狙ってショート

ショートはロングとは真逆になり、以下の画像のポイントで行います。

  1. 高値と安値を切り下げる下落の波を推移している
  2. 戻りを作る上げの中で陽線の中にFVGが生じる
  3. 戻りが終わって反発した所でエントリーし、FVGが埋まったところで利食う

実際のチャートでのエントリー例をご覧ください。

下げの波を推移している中で、FVGを伴う戻りが生じて、再度下げてきたところでショートします。

利食いはFVGを埋めたところで行い、損切りは直近の高値に置きますので、OCO注文が可能です。

ショートエントリーの注意すべき点

FVGが連続する場合は一番下を利食いターゲットにする

戻りの途中でFVGが複数個生じた場合は、一番下のFVGを利食いターゲットにします。

途中のFVGを勢いよく抜けると、次のFVGに到達する確率が格段に上がるのも覚えておいた方が良いでしょう。

押し安値を割ったらエントリーしない

本手法では下降トレンド中の戻りを狙いますので、戻りが強くて戻り高値をブレイクしたらエントリーは見送ります。

FVG埋めのタイミングを下位足で計る

今回の手法は上昇や下落の波がしっかりとしていれば、1つの時間足だけでも勝てます。

しかし、下位足を見てタイミングを計ることで、リスクを限定しつつ勝率を更に高めることが可能です。

その一例をご紹介します。

下のチャートは豪円1時間足です。

上昇トレンドが続き、押しが入ってきています。
直近の高値付近には大きめの陰線があり、FVGが生じています。

反発して上げてきたらロングをして、FVG埋めを狙いたい局面です。

ここで時間足を5分足に切り替えます。

1時間足レベルの押しですので、5分足ではかなり強い下落になっています。

緑色のゾーンが1時間足のFVG、少し薄緑のゾーンが1時間足と5分足のFVGが重合している価格帯です。

現状での5分足は明らかに下降トレンド中ではありますが、このトレンドが崩れてきたところでエントリーすれば、リスクを限定したエントリーが出来そうです。

それからしばらくして、5分足レベルでの戻り高値をブレイクして、下降トレンドがとりあえず終了したのでエントリーです。

損切りは最安値ではなくひとつ前のスイングの安値に置きます。

その後はこうなりました。

勢いよく2つの時間足のFVGに吸い込まれるように上昇して利食いターゲットに到達しました。

今回は1時間足のFVGの中に5分足のFVGがあったため、より強い引力で価格が動きました。

ちなみにその後の値動きです。

1時間足と5分足のFVGを埋めたらすぐに下げていきました。
FVGは価格を引き寄せ、埋まったらサポレジとして機能する性質が見事に表れています。

押し目買いと戻り売りの精度が上げられる!

今回ご紹介した手法は、FVG埋めを利食いターゲットとした押し目買い・戻り売りです。

他の押し目買い・戻り売り手法との相性もいいですので、検証してご自身のトレード戦略にぜひ加えてみてください。

他のFVGを利用する手法は以下をご覧ください。

 

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