【効果は絶大!】実体の大きな足が相場に与える影響を検証!

今回は「実体の大きな足がどれだけ相場に大きな影響を与えるのか」について考察・検証します。

実体の大きな足(Wide Range Bar)は、その時間足において非常に強い買いや売りが入って相場が動いた結果としてチャート上に出現し、その後の相場の方向を決定付ける存在です。

過去のチャートを見れば、実体の大きな足は沢山見つけられます。しかし「何をもって実体の大きな足とするか?」明確にを定義しないと、しっかりとした検証が出来ません。

単に実体の値幅(pips)で決めようとしても、時間足や通貨ペア、その時のボラティリティによって、その足が大きく見えることもあれば小さく見えることもあるでしょう。

そこで本記事では実体の大きな足をしっかりと定義して、それを認識するインジケーターを作成して検証し、その効果と使い所について考察しました。

単に「実体が大きい足」がどれだけその後の相場にインパクトを与えるかがよく分かってもらえると思います。

実体の大きな足(Wide Range Bar)とは?

実体の大きな足とは、その名前の通りローソク足の実体部分(始値と終値の差分)が大きな足のことを言います。

実体が大きいということは、足が1本確定する時間内で、需要と供給のバランスが崩れて大きく動いたことを意味します。上のチャートにもあるように、FairValue Gapが生じやすいのも特徴です。

FVGが生じるということは、価格が実体の大きな足まで戻してきた時には、足の方向へ強い反発が期待できることになります。

つまり、実体の大きな足はスマートマネーが入ってきたポイントとも考えることができます。

実体の大きな足はローソク足1本のパターンですが、そこから非常に多くの示唆を与えてくれるのです。

実体の大きな足を定義する

過去のチャートを見てみれば、どの銘柄、時間足でも見つけることができます。

しかし、単に始値と終値の差(pips)の絶対値だけでなく、その銘柄と時間足のボラティリティも相対的に考慮する必要があります。

例えばドル円日足チャートの実体部分が20pipsだと小さな足ですが、15分足で実体部分が20pipsだと大きな足になります。

そこで今回は相場のボラティリティを考慮した上で、「実体の大きな足」を定義します。

ATRで大きな足をで定義する

今回、実体の大きなローソク足を定義するのに使用するのがATRです。

ATR(Average True Range)は相場のボラティリティ、特にローソク足1本の平均値幅を示すオシレーターです。

上のチャートでは価格が下落局面でATRが上昇しています。
これはボラティリティが上昇して、平均的な足の大きさ(高値-安値)が拡大していることを示します。

価格下落後を見ると、ATRは一気に下降し右半分では低い水準を維持しています。
これはボラティリティが下落して、平均的な足の大きさも収縮していることを示します。

このようにATRはその時の足の平均的な大きさ(高値-安値)を示します。

これを踏まえて、今回はローソク足の実体部分がその時のATR(14)の1倍以上あれば「実体の大きな足」として詳しく検証していきます。

ローソク足の実体部分が、ローソク足全体の長さの平均以上あれば、十分に実体は大きいという判断です。

補足ATRの計算式

ATRの計算式
  1. 当日の高値-前日の終値
  2. 前日の終値-当日の安値
  3. 当日の高値-当日の安値

この中から最も大きいものをTRとする。
そしてTRを指数平滑移動平均化したものをATRとする

FX市場は24時間動いており、窓が生じるのが週明けだけですので、主に③の「高値-安値」が計算に使われます。その結果、ATRは足1本の長さの平均を示すことになります。

実体の大きな足を検出するインジケーターで検証

今回の検証を行うにあたって、先ほど定義した「実体の大きな足」を検出してローソク足の色を変えるインジケーターを作成しました。

以下はローソク足の実体がその時のATRより大きければ足の色が変わります。(陽線:水色、陰線:赤色)

実体の大きな足が出現すると、価格は明らかにその方向へ動きやすい傾向があることが見て取れます。

しかしチャートを見るとそれなりの頻度で足の色が変わっています。
そこでより実体の大きな足を厳選するために、実体部分がATR×1.5倍以上、ATR×2倍以上に足の色が変わるようにして比較してみました。

ATR×1.5やATR×2になると、より目立って大きな足だけが表示されるようになります。

特にATR×2の足は出現頻度こそ少なくなりますが、それが出た後は、相場が足の方向へ向かいやすい傾向が強くなります。

他の例もご覧ください。
特にATR×2の足がその後の相場に与える影響が見て取れると思います。

EURUSD 1時間足

AUDUSD1時間足

USDJPY4時間足

実体の大きな足をどう使うか?

今回は実体の大きなローソク足を定義して検証しました。

実体がその時のATR×2のローソク足の出現頻度は非常に少ないですが、その分だけ相場に与えるインパクトは大きいと言えます。

では我々はこの情報をどう使えばいいのでしょうか?
その点について考察します。

1.エントリーポイントとして利用する

まず考えられるのがエントリーです。
実体の大きな足はその後にも影響を与えますので、足が出現したら状況によっては即エントリーできます。

以下に例をご紹介します。

ブレイクアウトを狙う

実体の大きな足はブレイクアウトを狙う際に適しています。
下のチャートをご覧ください。

大きな流れは下で、その中でレンジ⇒赤い足で明確にブレイクアウトとなっています。

この赤い足はブレイクを狙うには理想的なエントリーポイントです。
低勝率となりやすいブレイクも、実体がATR×2の足でレンジをブレイクすると勝率が一気に高まります。

押し目買いや戻り売り

トレンドの押し目や戻りを付けてから反発する際に実体の大きな足が出現すると、その後トレンドの高値や安値を更新する可能性が高まります。

この特徴を利用して押し目買いや戻り売りのエントリーポイントとして利用できます。

オーダーブロック候補として利用する

実体の大きな足はスマートマネーが入った可能性が高いと考えることができます。

とくに相場の波が切り替わる起点辺りで実体の大きな足が出現してFVGが生じると、その足の上の価格帯は信頼性の高いオーダーブロックとなります。

このチャートはドル円4時間足で、左2つの赤い足は日銀が介入したタイミングになります。

2つ目の足では、非常に大きなFVGが生じており、その上はオーダーブロックとして機能しています。

2.相場の勢い、流れを見る

実体の大きな足が出現すると、以降はその方向へ動きやすい性質があります。

そのため、

  • トレンドと同じ向きの実体の大きな足が出れば「トレンドが加速している」
  • トレンド終盤で逆向きの実体の大きな足が出れば「トレンドの勢いが弱くなっている、トレンド転換が近い」

と解釈できます。

例えば前日の日足が実体の大きな陽線だったら、「今日は積極的デイトレでロングエントリーしていこう!」といった戦略を立てる際にも使えます。

まとめ

今回は実体の大きな足を定義して検証しました。

足一本のパターンではありますが、非常に効果が高く、その後の相場の動き影響を与えることが分かってもらえたかと思います。

今回作成したインジケーターは、Forex Standard ClubおよびForex Standard Club XM版で配布しています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

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