景気ウォッチャー投資法のシグナルをドル円に当てはめたら上々な結果に・・・。

景気ウォッチャー投資法をご存知でしょうか?
野田聖二氏と言う方が考案した、日経平均を対象とした非常に画期的な投資方法書籍化もされています。

また、野田聖二氏はブログも運営されており、その中で景気ウォッチャー投資法がフォワードでどれくらいのパフォーマンスを上げているのかも解説されています。

この景気ウォッチャー投資法は、毎月内閣府より出される「景気ウォッチャー調査」のデータを利用する、全く裁量の必要ないやり方にも関わらず、相場の天底をとらえられてしまうという非常に優れた投資方法なのです。

野田氏のブログより今までのパフォオーマンスの推移をまとめたグラフを抜粋させていただきます。
景気ウォッチャー投資法の結果

これはロングした場合のみの結果ですが、年間平均利回り10%と非常に優秀です。

更に注目すべき点として、サブプライム・リーマンショック前から売りシグナルを出したり、アベノミクスで相場が大きく上げる前に買いシグナルを出したりと相場の天と底を当てることが出来ていることが挙げられます。

今回の記事では、この景気ウォッチャー投資法についてのご紹介と、この投資法のシグナルが出た時にドル円で取引した場合どのような結果となるかをシミュレーションしてみました。

景気ウォッチャー調査とは?

景気ウォッチャー投資法でシグナルに利用すのは株価ではなく「景気ウォッチャー調査」の結果です。

詳しくは内閣府の景気ウォッチャー調査のページを見ていただくとして、Wikipediaではこのように書かれています。

北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域が対象に百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストアなどの小売店や、タクシー運転手、レジャー業界など景気に敏感な職種の人々にインタビューをし、調査結果を集計・分析した上、景気動向の指標として発表している。「街角景気」とも呼ばれる。

簡単に言うと、「景気に関連の深い動きを観察できる職種の人たち(景気観察のプロ)の今現在の状況や意見を取りまとめたもの」という事になります。

インタビューを受けた一人一人は感覚的に回答しているかもしれませんが、そういった人たちの意見を取りまとめて総数として出すと、日本の現状が見えてくる、という事になります。

調査は毎月行われ、各業種の人たちから得られたデータを取りまとめて、最終的に現状判断DIと先行き判断DIとして数値化されて発表されます。

景気ウォッチャー投資法のルール

景気ウォッチャー投資法のルールは極めて簡単です。
ブログに書かれているルールを抜粋させていただきます。

  1. 現状判断DIが前月から1.0ポイント以上改善し、先行き判断DIも改善したら、買いサイン
  2. 現状判断DIが前月から1.0ポイント以上悪化し、先行き判断DIも悪化したら、売りサイン

 

※先行き判断DIの改善幅、悪化幅は問わない
※現状判断DIと先行き判断DIは季節調整値を使用

 注意:書籍版の景気ウォッチャー投資法入門とは少しルールが変わっています。
ブログで紹介されている方が最新のルールとして、ここでは紹介しました。

景気ウォッチャー指数の発表日に結果を確認し、売買サインと判断したら、その日の終値でエントリー&エグジットを行います。売りエントリーもする場合、ドテンルールとなり、常にポジションを持った状態になります。

ドル円と日経平均の相関について

景気ウォッチャー投資法についてどんなものかご理解いただけたと思います。

ここでFXトレーダーなら、日経平均とドル円の動きに相関があることを思い出す方も多いかと思います。

ドル円と日経平均を2001年から2016年10月までの期間を月足終値ベースでグラフ化するとこのようになります。

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確かに連動した動きに見えますね。
特に2005年以降は連動具合が強くなっています。

では、上記データを利用して2005年から2016年までのドル円と日経平均の相関を出してみるとこのようになりました。

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相関係数が約0.776ですからかなり相関が高いことを示しています。
では、景気ウォッチャー投資法のシグナルは、日経平均だけではなくドル円の将来の動きを予測するシグナルとして使えないでしょうか?

景気ウォッチャー投資法のシグナルをドル円に当てはめてみる

改めて景気ウォッチャー投資法のシグナルをMT4の日経平均の月足チャート上に示すとこうなります。(クリックで拡大)

日経平均株価月足
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いい感じでトレンドを捉えられているのが分かるかと思います。

このシグナルをそのままドル円のチャートに当てはめると、下のようになりました。(クリックで拡大)

ドル円月足
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ドル円と日経平均は月足レベルでは強い相関がありますから、日経平均を対象とした投資方法である「景気ウォッチャー投資法」もドル円にも通用するように見えますよね。

景気ウォッチャー投資法のシグナルをドル円に当てはめた結果

上記のドル円チャートのシグナル通りに売買を行った場合、どのような結果になるのか検証しました。
(景気ウォッチャー投資法は景気ウォッチャー調査の結果が出て、シグナルとなったその日の終値で取引することになっていますが、今回はその月の終値で取引したとして検証しています。)

検証期間:2001年1月~2015年12月
対象通貨ペア:ドル円
ルール:景気ウォッチャー投資法のシグナルが出たらその月の終値で取引する。買いも売りもする。

結果
合計:+4125.4pips(スプレッドを除く)
トレード回数:33回
勝率:51.5%
プロフィットファクター:1.70

全く裁量が必要なく、月に1回チェックするだけにしては上々な結果ではないでしょうか。
獲得pipsの変動をグラフ化するとこのようになりました。

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目に見えて大きなドローダウンが2009年から2012年まで、リーマンショック後からアベノミクス開始までの停滞相場で発生しました。

この間は往復ビンタを喰らいまくる形で約2900pips程の損失となりました。
しかしアベノミクスによって上昇トレンドを見事に取る形でドローダウンから回復して現在に至ります。

まとめ

景気ウォッチャー投資法の取引対象をドル円にしてもしっかりと利益が出ることが分かりました。

日本国内で景気を敏感に感じる職業の人たちの意見が、ドル円の動きまで予測できるというのはなかなか興味深いと思います。

この投資法は停滞相場さえなければ順調に利益が増えると考えられますので、停滞相場を避けるフィルターやテクニックがあれば更に利益を拡大させることができるのではないかと思います。

ちなみに、以前ご紹介した8月のアノマリーを利用した取引では、2001年から2015年の間で約1900pipsの利益を獲得しています。

両者ともに優位性がありますので、長期投資の参考にしていただければ幸いです。

 

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