
今回は検証ツールであるForex Tester Online(FTO)について、最新のアップデート内容をご紹介します。
FTOは2024年にリリース後、定期的なアップデートが続いており、様々な機能が追加されています。
現在ではトップレベルで機能が充実しており、私がお勧めする検証ツールの一つです。
今回ご紹介するFTOに追加された機能は以下の通りです。
- SMC分析をはじめとした新たなインジケーター
- 検証速度を一気に上げる決済までのジャンプ機能
- 検証結果からトレード手法について審査し、改善点を提案する分析インサイト
- リアルトレード結果のアップロード
これらについて詳しくご紹介していきます。
FTO全体のレビュー記事は以下からご覧ください。
Contents
Forex Tester Onlineについてのおさらい
Forex Tester Online(フォレックステスターオンライン、FTO)は、過去の値動きを再現しながらトレードの検証、練習ができるツールです。
類似のツールは多くありますが、その中でFTOの強みとしているのがブラウザで利用できる点です。
FXの検証ツールの多くがMT4を利用したり、専用ソフトを使用してなどの「ダウンロード型」となっていますが、FTOは名前の通りオンライン型のため、どんなパソコンでもネット環境さえあれば簡単にログインして検証がスタートできます。
これにより、検証データは自動的にFTOのクラウド上に保存されるためデータの紛失等のリスクが大幅に削減できます。
また、FTOの開発側としては利用者の声を受けてからのアップデートがしやすくなり、開発側・利用者側の両方に大きなメリットがあります。
SMC分析をはじめとした新たなインジケーター
それでは今回のバージョンアップのポイントについてご紹介していきます。
まずは追加されたインジケーターです。
現在FTOで利用できるインジケーターは以下の通りです。(太字が新しく追加されたインジケーター)
- 単純移動平均(SMA)
- 指数移動平均(EMA)
- 平滑移動平均(SSMA)
- 加重移動平均(WMA)
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
- インサイドバー
- アリゲーター
- エンベロープ
- 包み足
- スーパートレンド
- 平均日中範囲(ADR)
- パラボリックSAR
- フラクタル
- ピボットポイント
- 移動平均線(カラー付き)
- ハル移動平均
- プライスチャネル
- ケルトナーチャネル
- 線形回帰チャネル
- 移動平均クロスオーバー
- カウフマン適応移動平均(KAMA)
- 適応移動平均(AMA)
- レベル付き移動平均
- ドンチャンチャネル
- ジグザグ
- スマートマネーコンセプト(SMC)
- MACD
- ストキャスティクス
- ADX
- ATR
- デマーカー
- CCI
- モメンタム
- RSI
- WPR
- MFI
- アクセレーターオシレーター
- オーサムオシレーター
- ボリンジャーバンド比率
- アローン
- ベアズパワー
- ブルズパワー
- TDI
- RCI
- アルティメットオシレーター
- 太陽風
- ROC
- ポラライズド・フラクタル・エフィシエンシー
- ボリューム(Volume)
- OBV
- ローリングVWAP
- 出来高加重平均価格(VWAP)
- トレード・セッション
- FairValue Gap
- 過去のレベル
総数としては56個あり、メジャーなインジケーターはほとんど揃っていますので、不足はありません。
スマートマネーコンセプトが超優秀!
今回追加されたインジケーターで特に優秀なのが「スマートマネーコンセプト(SMC)」というインジケーターです。
これは名前の通りSMCに関する情報を示すインジケーターで、表示すると以下のようになります。
完全無裁量で相場のトレンド方向、BOS、Chochなどが一目で分かります。
認識するのものは以下の通りです。
- メジャースイング
- マーケットストラクチャー
- スイングハイ&ロー
- イコールハイ&ロー
- プレミアム&ディスカウント
- オーダーブロック
- インターナルマーケットストラクチャー
- インターナルオーダーブロック
それぞれの項目については、設定内で表示・非表示の選択できますので、必要な情報だけを表示することが可能です。
下のチャートでは、メジャースイングのマーケットストラクチャーとオーダーブロックのみを表示しています。
SMCで相場分析をしながらトレードの練習をしたい方にとってはかなり魅力的なインジケーターになると思います。
検証速度を一気に上げる決済までのジャンプ機能
エントリー後に利食い・損切ポイントまで一気にジャンプしてくれる機能です。
エントリーと同時に利食いと損切の注文を入れた場合に利用できる機能で、検証効率を一気に進めることができます。
利用方法は簡単です。
まずエントリーと一緒に利食いや損切の注文を一緒に入れると下のようなチャートになります。
赤いラインが売りエントリーポイント、緑のラインが利食いポイント、オレンジが損切ポイントです。
通常であれば、ここから利食いもしくは損切のどちらかに届くまでチャートを動かしてやる必要がありますが、これが数クリックで決済ポイントまでジャンプできます。
ここで、FTO左下の「ポジション一覧」から決済ポイントまで進めたいポジションを右クリックして、「移動」→「注文のクローズ」を選択します。
すると、利食いポイントか損切ポイントのどちらか早く到達したポイント(決済ポイント)まで一瞬でジャンプしてくれます。
エントリーと同時に利食い・損切ポイントが決まっている手法に限られますが、このような手法を採用している方にとっては非常に便利な機能です。
検証結果から改善点を提案する分析インサイト
今回のアップデートの大きなポイントが分析インサイトです。
これは、検証履歴を多角的に分析して改善点や手法の強みを教えてくれる強力ツールです。
曖昧な情報ではなく、「こうしたら〇〇%利益が増えますよ」といった感じで具体的な改善を提案してくれます。
例えば、私が行った検証についてはこのような評価が出ました。
左側が改善点で、右側が強みとなっており、それぞれについてアドバイスの項目があります。
それぞれの項目をクリックするとより詳細な情報が出てきます。
それでは改善点と強みについて見ていきましょう。
改善点
まず一番上の「初回の損失後はその日の取引を停止して利益改善を目指しましょう」をクリックすると、以下のような詳細が出ました。
「1日の取引の中で1回負けたら、その日のトレードはやめる」とすることで、68ドル(11.23%)も利益が増やせたと教えてくれています。
初回で負けたらその日はやめるだけで利益が増えるわけですね。
加えて、「1日の取引の中で2回連続で負けたらその日のトレードはやめる」とすると、逆にトータルの利益が減る、という統計も分かりました。
次に「ナンピンを避けましょう」をクリックすると、以下のような表示が出ました。
ここではトレード履歴の中でナンピンを行ったトレードを抽出して分析し、ナンピンをすることで本当に利益につながったのかどうかを数字で教えてくれています。
今回のケースでは、ナンピンをしたことで約200ドルも純利益を減らしていたことが分かりました。
つまり、ナンピンしなければ、もっと利益が出せていたことになりますね。
この他にも、セッションごとの損益から推奨の時間帯、ポジションサイズなど、多岐にわたって検証結果の改善点を具体的な数字で示してくれます。
このような分析を自分でやろうとするとかなり骨の折れる作業になります。
そのため、多くの人が検証をやって、結果を見て満足して終了となるわけですが、分析インサイトを使えばより具体的にどうすれば収益が増やせるかのアドバイスをもらうことができます。
例えば感覚的にナンピンはダメだとわかっていたとしても、具体的にいくら損失を出しているかわからないから、ついやってしまう人は多いと思います。
しかし、ナンピンをしなければどれだけ利益が増えていた(損失が減っていた)かを実際に知れたら、ナンピンに手を出さなくなる原動力になります。
この情報は非常に価値があるもので、人によっては、このアドバイスだけでFTOの価格分を十分ペイできるのではないでしょうか?
強み
次に分析インサイトの右側の強みについてですが、ここではリスク分析、リベンジトレード、ニュース時の取引の統計などを出してくれます。
様々な項目があるのでその一部をご紹介すると、「取引ごとのリスク分析」では、各トレードの平均リスクを算出して、その中で多くのリスクを取ったトレードについてピックアップしてくれます。
リスクが大きすぎると、その分だけ破産の可能性が高まりますから、この統計は非常に参考になります。
また、重要指標時の統計もあります。
これは、重要指標時にポジションを持っていたトレードだけをピックアップして統計を出して、それらのトレードがトータルでどうだったかを示します。
この検証結果では、重要指標時にポジションを持っていてもプラスになっているので問題ありませんが、逆にこれがマイナスだった場合は、重要指標時にポジションを持たない方がトータルで利益が増やせることになります。
重要指標時にポジションを持ち越すかどうするかいつも悩んでいる人に参考になるでしょう。
リアルトレードもアップロードして分析可能!
分析インサイトはFTOの目玉機能の一つと言ってもいいレベルですが、更に凄いことができます。
リアルトレード結果をアップロードすることで、自分が実際に行ったトレードについても詳細に分析できるのです!
自分のトレードを細かく添削してもらえますので、これも非常に価値があります。
やり方は簡単です。
まずFTOトップページ上部の「取引のインポート」をクリックします。
「取引のインポート」画面が出ますので、取引データをドラッグアンドドロップします。
現在対応しているプラットフォームはMT4、MT5、NinjaTraderです。
TradingViewは近日対応予定とのことです。
アップロードが完了すると、自動で分析インサイトのページに移ります。
検証結果だけでなく、リアルトレードの結果まで分析して改善点を教えてくれますので、FTOは「検証ツール」を超えた存在と言えます。
FTOは検証から改善までを一括で行える最強ツールへ進化
今回のアップデートによって、Forex Tester Online(FTO)は単なる「検証ツール」から「トレード改善プラットフォーム」へと進化しました。
SMC分析やなどの高度な相場分析ツールの追加、そして検証速度を飛躍的に高める決済ジャンプ機能は、日々の練習効率を圧倒的に引き上げてくれます。
さらに注目すべきは、自動でトレードを解析し、「どこを改善すれば利益が増えるか」を具体的な数字で提案してくれる「分析インサイト」機能です。
これまで感覚的にしか分からなかった自分の弱点が、数値として可視化されるため、改善の方向性が明確になります。
そして何より、リアルトレード結果のアップロード機能により、検証と実戦の両方を一元的に分析できるようになりました。
過去検証でのシミュレーションと、実際のトレード履歴を同じ基準で比較できるため、より実践的なスキルアップが可能です。
これらの機能がすべてブラウザ上で完結し、クラウド保存によってどのデバイスからでもアクセスできるのはFTOならでは。
今後も継続的なアップデートが予定されており、まさに「トレード学習の中心ツール」として欠かせない存在になりつつあります。
「自分の弱点を明確にしたい」
「リアルトレードも分析して改善点を知りたい」
そんな方には、FTOは間違いなく最適な選択肢になるでしょう。
FTO全体のレビュー記事は以下からご覧ください。