今回の記事ではピンバーを使ったトレード手法について解説します。
ピンバーは有名なプライスアクションの一つですが、こんな悩みを持っていないでしょうか?
- ピンバーを意識しているけど全然勝てない
- ピンバーでエントリーしてもすぐにロスカットに当たる
- ピンバーは効果があるっていうけど、本当?
- ピンバーで勝ちやすい所ってあるの?
ピンバーはシンプルではありますが、だからと言って簡単に勝てるポイントとなるわけではありません。
本記事ではピンバーが本当に機能しやすいポイントやダマシとなりやすいポイントについて解説し、それぞれの見分け方についても深掘りしていきます。
ピンバーを既にトレード手法に組み入れている方、これから組み入れたい方は是非ご覧ください。
Contents
ピンバーとは?
ピンバー(pin bar)は1本のローソク足のみで構成されるプライスアクションパターンで、ピノキオバー(pinocchio Bar)の略になります。
ピンバー自体は、小さい実体と上下に伸びるヒゲが目立つローソク足で、
- 実体が上部にあって下ヒゲが長ければ買いのピンバー
- 実体が下部に合って上ヒゲが長ければ売りのピンバー
とされています。
テクニカルトレーダー、特にプライスアクションを重視するトレーダーなら知らぬものはいないと言っても良いほど有名で、ピンバーが出現すると相場の転換を示唆すると言われています。
下のチャートはピンバーが効果的に機能したポイントを示しています。
ピンバーの優位性の根拠として、足が形成されるまでの流れがあります。
買いのピンバーは、「最初に下げて全戻し⇒さらに上昇して下ヒゲを残して足が確定する」という一連の流れから「買いが厚い」と判断することになります。
同じく売りのピンバーは、「最初に上げて全戻し⇒さらに下落して上ヒゲを残して足が確定する」という流れで売りが厚いと判断します。
3種類のピンバー
ピンバーは勝てるとよく言われていますが、ピンバーが出たらどこでも勝てるというわけではありません。
ピンバーはあくまでもローソク足1本のプライスアクションに過ぎませんから、それだけで大きな優位性があるわけではないですし、そもそもピンバーはチャート上に至る所で出現します。
そのため、ピンバーを使ってトレードするためには、それまでの相場の流れやピンバーの出た位置をしっかりと理解しないと負けることになりますので要注意です。
実は相場の状況によってピンバーは大きく3種類に分けられます。
- 利食いのピンバー
- 反転のピンバー
- トレンド継続のピンバー
この3つが分かれば、ダマシとなりやすいピンバーや勝ちやすいピンバーが認識しやすくなります。
利食いのピンバー
あなたはこんな経験をしたことはありませんか?
下降トレンド中に下ヒゲの長い陽線のピンバーが出現しました。
「これは理想的なピンバーだ!これから反転するはず」と急いでロングをします。
しかし無慈悲なことにピンバー確定後に長大陰線が出現して損切りとなってしまいました・・・。
(ピンバー形成過程から始まります)
これがピンバー損切りあるあるです。
損切りになってしまう理由はピンバーが出来た要因にあります。
このような明確に強いトレンドが出ている際に出現する逆向きのピンバーは、銀行などの大口が利食いを行った結果によるものです。
ショートポジションを持った大口にとって最も理想的な利食いチャンスは、「下げている最中」です。
なぜなら、大きすぎる自身の売りポジションを解消するためには、多くのトレーダーが売っている最中に自分のポジションの決済注文(ロング)をぶつけないと、価格が勢いよく上昇して不利なところで利食いすることになるからです。
しかし、下げている真っ最中であっても、利食いポジションの量が多ければ相場は一時的に反発し、下ヒゲの目立つピンバーが確定するのです。
これを反転の兆しと考えてはいけません。
あくまでも大口が決済しただけであって、他に新規で売りたいトレーダーは沢山います。彼からすれば、ピンバーは絶好の押し目や戻り目に過ぎないのです。
大口のトレーダーは、買いポジションを現在進行形で上昇中に決済したい。売りポジションは現在進行形で下落中に決済したい。
そうしないと自信の決済注文で相場が大きく動いて不利なレートで決済してしまう。
利食いのピンバーの例
利食いのピンバーの例をご覧ください。
利食いのピンバーまとめ
利食いのピンバーを100%見分けることは不可能ですが、相場の勢いが強く、直近で大陽線や大陰線が連続している最中に出現するピンバーは利食いのピンバーである可能性が高いです。
これに加えて、ピンバーが直近のサポレジラインにぶつかっていなければ、ほぼ利食いのピンバーと判断して良いでしょう。
そして、利食いのピンバーの可能性が高いと判断したら、とりあえずエントリーは見送りましょう。
反転のピンバー
反転のピンバーとは、その名前の通りトレンドが反転する際に出現するピンバーです。
このピンバーにうまく乗れると、かなり美味しいトレードが出来ます。
まずは反転のピンバーの例をご覧ください。
矢印を引いたところが反転のピンバーです。
直近の安値まで下げたところで急反転して、異様に長い下ヒゲを残したピンバーになっています。一種のダブルボトムです。
このピンバーは、直近の安値まで下げてきた時に、銀行などが大量の買いポジションを入れた時に見られます。
大量の買いポジションを入れる場合、最も理想的な相場は「下げている時」です。利食いのピンバーでも解説しましたが、多くのトレーダーが売っている最中に買いの注文をぶつけないと、価格が勢いよく上昇して不利なところでエントリーすることになるからです。
その結果として下ヒゲの目立つピンバーが確定します。
反転のピンバーは、下ヒゲが長いほどその後相場は上昇しやすくなります。
また、ピンバーの安値付近は大口がポジションを入れたところになりますので、強いレジスタンスになることも覚えておきましょう。再度この辺まで下げてきたら最高のエントリーチャンスになります。
売りの反転のピンバーも同じです。
直近の高値付近まで長い上ヒゲの伸びたピンバーがでると、その後は下げやすくなります。
もう一つの反転のピンバー
ダブルトップ、ダブルボトム後に、再度高値や安値をトライする際に出現するピンバーも反転のピンバーになります。
ダブルトップ(トリプルトップ)後に再度戻しを作ったものの、ピンバーが確定したチャートです。
これも反転のピンバーになります。
何度も高値を抑えつけられている中で、それでも上げたい勢力を完全に負かした結果がこのピンバーです。
こちらは買いパターンです。
ダブルトップ後に一度押して下げてきたところで長い下ヒゲのピンバーが出現しています。
反転のピンバーまとめ
反転のピンバーは、直近に目立った高値や安値があるところ(サポレジとなっているところ)で出現します。
買いの場合は、特に下ヒゲが目立って長いと反転のピンバーである確率が飛躍的に高まります。(売りの場合は上ヒゲが目立って長いピンバー)
反転のピンバーを見つけたら、積極的に入っていきましょう。
トレンド継続のピンバー
3つ目がトレンド継続のピンバーです。
ゆっくりとしたトレンドが続いている時によく見られます。
これが売りのトレンド継続のピンバーです。
ダラダラと下げている時のちょっとした戻りの中で出現しやすいパターンです。
ダラダラと下げている時は、ローソク足が小さくなり、ヒゲも目立つことが多いため判断するのが難しいのですが、上ヒゲが目立つ陰線のピンバーを探せば見つけられます。
これが買いのトレンド継続のピンバーです。
ダラダラと上げている時のちょっとした押し目の中で出現しやすいパターンです。
売りパターンと同じく、ダラダラと上げる相場はヒゲが目立つ足が出やすいですが、その中でも特に下ヒゲの長いピンバーを探すと良いでしょう。
3つのピンバーのまとめ
少し解説が長くなりましたが、3つのピンバーについて解説しました。
- 利食いのピンバー
- 反転のピンバー
- トレンド継続のピンバー
エントリーしてもダマシになるのが「利食いのピンバー」です。これが出てもエントリーは避けましょう。
逆に勝ちやすいのが「反転のピンバー」と「トレンド継続のピンバー」です。
この二つを積極的に狙っていけば、ピンバー狙いの勝率は飛躍的に高まるはずです
ピンバーを使ったトレードの例
それではピンバートレードの例を見ていきましょう。
反転のピンバーのエントリー
水色の矢印が反転のピンバーの個所です。
それまでの下げから一度反転して、再度強く下げたものの下ヒゲの長いピンバーとなっています。
これは明らかに大口の買いが入っていますので、この足が確定したらロングします。
ピンバーを使ったトレード手法の解説のほとんどがピンバーの安値や高値にストップを置くことを推奨していますが、それだとダマシに合う確率が高くなります。
ピンバー確定後にその方向に動くにしても、再度ピンバーの高値や安値にトライして反発することも多いですので、ストップは少し広めにとっておくと勝率が大きく上がります。
トレンド継続のピンバーのエントリー
水色の矢印がピンバーのエントリーです。
ゆっくりとした上昇が続く中で下ヒゲが長い陽線のピンバーが出現しています。
これも底が固いことを意味しますので足が確定でロングします。
しかし、ピンバーの安値に損切りを置いてしまうと、その後はストップを狩られてから大きく上昇するという最も辛いトレードになりますので、反転のピンバーと同じく損切りはひとつ前の安値に置きましょう。
トレンド継続のピンバーのエントリーでは、特にこういったケースが多いので注意しておきましょう。
ピンバー手法は出現個所を意識しよう
以上ピンバーを使ったトレード手法の解説でした。
「ピンバー=どこでも勝てる」ではありません。
あくまでもピンバーの出現位置を絞り、大口の残したエントリーの跡を見つけて入らなければ優位性は得られません。
まずはこの事実を理解して、本記事で解説した反転のピンバーと継続のピンバーの2種類について検証してみてください。ピンバーで狙うべきポイントが見えてくるはずです。
ピンバーを認識するMT4インジケーターは以下からご覧ください。