私がFXのコーチをしていた時のお話です。
私の塾にやってくる生徒さんの多くは、トレード歴0年~2年までの方ばかりでした。
そんな中で、トレード歴5年以上で全然勝てずに入塾される方も少なからずいます。
そういった、トレード経験は長いのに勝てない人、という方の入塾後の変化は大きく2種類に分けられました。
- ちょっとしたコツを教えただけで、グンと伸びていく人
- 御託だけ並べて全然伸びていかない人
なぜこのような違いが産まれるのでしょうか?
それぞれについて解説していきます。
Contents
1.ちょっとしたコツを教えただけで、グンと伸びていく人
このケースに当てはまる人は、それまでにトレードで勝つための知識も技術も体得しているのにも関わらず、「何らかの理由で上手くそれを発揮できない」という方たちでした。
そんな人には、本当にちょっとしたことを教えるだけで、それがきっかけとなって歯車がギシっと噛み合うようにして一気に勝てるようになるという事がいくつもありました。
「コツをつかむとはこういうことなんだなぁ」と教えていて感心したものです。
そういった人たちの顔つきは、不思議と自信があふれてくるようになります。
このケースに該当する方がこのようなことを言っていました。
2.御託だけ並べて全然伸びていかない人
この場合、なぜか自信とそれなりの知識はあるものの、トレードの成績は初心者レベルから一向に脱却できずに、延々とコツコツドカンを繰り返して、損失は大きくマイナス・・・
という方が多かったと記憶しています。
何を教えても身につかず、気づけばトレード経験の浅い他の生徒さんに簡単に追い抜かれていく残念な万年初心者です。
本人たちは「何でだろう?」と悩み、時には私たちの教え方が悪いと主張して去っていきました。
塾に入って全く伸びない人の特徴
長年トレードをやっているのに、全然身につかない人、初心者と成績が変わらない人。
トレードを教えても全く成績に変化のない人・・・。
こういった万年初心者の特徴をまとめてみました。
圧倒的に練習不足
ファンダメンタルズやトレードに関する知識が豊富なのに、トレード結果は万年初心者・・・という方の場合、圧倒的に不足しているのがトレードの練習です。
FXで勝つためには、知識というのは最低限で十分で、それ以上に技術やテクニックが求められます。
こういったトレーディングの本質と向き合わずに淡い夢だけを見るだけでFXで利益を出そうとするのは当然無理な話です。
練習あっての実践です。考え方を変えるだけでも、損益は変わってきます。
当ブログでは、トレードの練習に以下のツールをお勧めしています。
自分で考えずに、すぐに答えを求めようとする
何か躓くと、すぐに聞いてくる「教えて君」というパターンです。
私もお金を頂いてコーチをしていたわけですから、こういった「教えて君」にもしっかりと教えます。
しかし、「教えて君」の質問は非常に中身が浅く、こちら側としても一般的な事しか教えられないのが残念なところです。その上、何を話してもつまらない質問ばかりで正直言って面白くありません・・・。
本当に勝てるようになる人は、まずは自分で考えます。
そして、自分で色々と悩んで考えた結果、どういう結論に至ったのかを私に話してくれて、自身の解釈についてどう思うかを聞いてきます。
私は、自分の考えを持つということが、トレードでどれだけ強い影響を持つかを知っています。自分で導き出した答えこそが自分の礎になります。
それが結果として一貫性のあるブレないトレードにつながるのです。
自分の考えが正しいと思い込んでおり、アドバイスを受け付けない
いわゆる頑固者な方です。
自分のトレードの考え方が絶対的に正しいと確信しているために、他人のアドバイスを一切受け入れない方です。
このタイプの一番激しい方は、いつも自分の持論を押し通していました。
それなら何でFXの塾に入ってきたんだよ?と私は常々思っていました。
しかし、あるときに気づきました。
こう言う人は、他の経験の浅いトレーダーに「自分の考えをひけらかしたいだけ」だということを!
初心者トレーダーにとっては、こう言う人でも凄く見えるようですが、ある程度経験を積んでくると皆気づくようで、相手をしないようになっていました・・・。
言い訳ばかりする
この日は相場の調子が悪かった。いつもなら勝てるのに・・・。あそこで損切らなければ勝てたんですけどね。
こんな感じで、負けた言い訳ばかりする人も全然伸びません。
トレードで負けたことを言い訳しても全く意味がないからです。
こう言う人はトレードの反省をしません。
今後、どういったトレードをしていったらいいのかを考える上で、トレードの反省は欠かせません。
反省をしない人には、先に進むこともできないのです。
こんな人はトレードで利益を出すということは絵空事で終わるのです。
ネット上でも言い訳する人は多い
また、これはネット上でのやりとりになりますが、特定のMT4のインジケーターが表示出来ないときに質問をもらうことがあります。
このような時に
- 過去にインジケーターを入れたとがありますが、このインジは表示出来ません
- ○年MT4を使っていますがこのインジは表示出来ません
といった感じで、「私はMT4についてよく知っているから、きっとこのインジが悪い!」と決めつけてメールしてくる人がいます。
面白いもので、このような言い方をしてくる場合、質問者の設定方法が間違っていたり、勘違いしていることが100%です。
「自分はよく分かっている!」という勘違いや余計なプライドが文面から見事に現れているわけですね。このようなプライドが高くて言い訳ばかりする人もトレードで結果を出すのは難しいでしょう。
焦っている
何年にもの負けが重なって、大金を失っている方によく見られる特徴です。
家族にも言えないほどの損失のせいで、その損失分を補填するために焦りに焦って、勝つための近道をみつけようと躍起になっている人がこれに当てはまります。
トレードで勝つための技術やテクニックを持っていないのに、いきなり勝てるようになる・・・というのはなかなか難しい話です。
焦らない・・・これはトレードで大切なことなのです。
万年初心者のサイクルに入ってしまうと、なかなかそこから出ることはできません。
万年初心者から脱却するために
それではこれから万年初心者から脱却する方法について解説していきます。
これまでにやってきたことを見直す
いままで長らくトレードを続けて芽が出なかったのはなぜでしょうか?
きっとその理由は、あなたの努力が足らなかった、もしくは努力の方向が間違っていたからです。まずは、今まで自分がFXで勝つために何をやってきたのかを紙に書き出してください。
書く内容はより具体的な方が良いです。例えば、
- 投資本を20冊読んだ
- ○○という手法を考案した
- これまでにトレードを230回やった
- ○○という情報商材を購入した
- 1週間に1回はトレードの練習をした
などです。今までやってきたことについて思いつくだけ書いてください。
すると何か自分自身で気づくことが出てくると思います。
「あれ?全然努力が足りてない、何もやってない・・・」等など。
そして次に挙げることを中心に、これからどうすればいいかを考えてください。
なぜ勝てないのかを考える
トレードで勝てない理由は大きく3つあります。
- 手法が悪い、合っていない
- ルールが守れない
- 資金管理が悪い
大抵の場合これら3つの内、1つないし2つが関わってくると思います。
3つのうちどれが原因なのかわからない場合は、取引履歴を見ればすぐにわかるはずです。
それでもわからない場合は、トレードを辞めて他のビジネスを探しましょう。
勝てない原因が上の3つのどれかがわかったら、下を参考に対策を練っていきます。
1.手法が悪い、合っていない場合
過去の自分自身の取引を見直して、使えない手法を使っていたり、合わない手法で取引している場合はすぐにトレードを中止します。勝てない方法でトレードをしても損失が積み重なるだけで時間の無駄だからです。
こういう場合は、新たな手法を考えたり、時間軸を変更したりして自分に合う優位性のある手法を見つけることが先決です。
もし、ここで改めて自分のチャート分析能力に疑いを持ったら、それを補填する教材で勉強し直すと一気にステップアップ出来る可能性もあります。
ここで注意してもらいたいことがあります。
新たな教材でトレードを学ぶ場合は、過去のトレードに関する知識を忘れて、ゼロから取り組んでください。
せっかく学んだ知識ではありますが、トレードの場合はそれまでの知識が、新たな手法を学ぶ際に邪魔することがよくあるのです。また、それまでの知識自体が間違っていた・・・なんてケースもあります。
初心者に戻ったつもりでやりましょう。
2.ルールが守れない場合
ルールが守れないのは意志の弱さやトレードルールの詰めの甘さや曖昧さが原因であることが多いです。
意志の弱さは自分のトレードに関する自信の弱さです。
トレードの自信を取り戻すには、沢山練習をして、「自分はこれだけやった」という気持ちにしなくてはいけません。
そのためにもトレードの検証や練習が必要となります。
過去の取引結果を見直して、ルールを破ったトレードのおかげで、どれくらい損失が出たのかを計算してみましょう。きっとルールを破るのがばからしくなるハズです。
トレードルールの詰めの甘さや曖昧さが原因の場合は、もう一度トレードルールを見直して、ルール中のぼやけた箇所を特定し、改善していきます。
また、どうしてもポジポジ病から抜け出せない人は当ブログのこの記事をお読みください。
3.資金管理が悪い場合
勝てないのに高いロットでトレードしていたり、負けが続くとロットを上げたり・・・と無理して高いロットで取引して、トレードの難易度を自分から上げている人は少なくありません。
こういった人は、ちょっと改善すればすぐに勝てるようになる、ロットを上げれば直ぐにでも損失分を取り戻せる、そう考えているようですが、そんなに簡単ではないことくらい、それまでの経験で理解できるはずです。
デモトレードや1000通貨程度のロットで勝てない人が、それよりも大きなロットで取引して勝てるわけがありません。
ロットは小さくても勝てる。
この状態からゆっくりとハードルを上げていけばいいのです。
謙虚に、トレードを学ぶつもりで頑張ろう
何事も謙虚に素直に。
私が多くの生徒さんを見てきた中でも、伸びる人はこんな人たちでした。
無駄なプライドは要りません。言い訳もいりません。
まずは現実を直視して、どうすれば勝てるようになるかを具体的に考え、実践していくこと。これが大事です。
その過程でもきっと詰まることがあると思います。
それでも自分を信じて続けてください。
こういった努力ができる人こそが、トレードで利益を出せるトレーダーに成長するのです。