金融先物委員会より2018年3月分の店頭FX月次速報が出ましたので、2017年度のFX取引高についてまとめたいと思います。
2017年度のFX取引高は4179兆円!
前年度比768兆円(約15%)減となりました。
この数字の意味は、「金融先物取引業協会に登録する日本国内のFX業者(全54社)における2017年度の外国為替証拠金取引の取引高が4179兆円あった」という事になります。
海外ブローカーやくりっく365等の取引は含まれておらず、あくまで国内店頭業者の総取引額です。
2017年度は近年まれに見るほどのボラティリティの低下、そして仮想通貨ブームのダブルパンチによって、FXの魅力が弱まった1年でした。これについては、昨年の12月に記事にしています。
昨年は本当に相場の動きが悪かったですからね・・・。
特にFXの中でも取引高が圧倒的に多いドル円は1年を通してレンジ相場だったのが辛かったです。
これに加えて仮想通貨ブームのおかげで多くのFXトレーダーが仮想通貨市場に移行したと考えられますので、FXの取引高が減ってしまったのも仕方がないでしょう。
FX取引高の推移
2009年から現在までのFX取引高の推移は以下のようになります。
年度 | 取引高(10億円) |
2017年 | 4,179,202 |
2016年 | 4,939,083 |
2015年 | 5,524,512 |
2014年 | 4,697,994 |
2013年 | 4,195,813 |
2012年 | 2,208,456 |
2011年 | 1,732,735 |
2010年 | 1,979,634 |
2009年 | 2,032,383 |
これをグラフに表すと以下のようになります。
2015年度をピークにして2年連続で取引高が下落しています。
年間取引高が5000兆円超えた!とニュースになったのが懐かしいですね。
2017年度の水準としては2013年度と同レベルとなり、ピークの2015年度からすると25%減の取引高となりました。4分の1も減ったというのは、FX業者にとっても深刻だと思います。
しかし、2018年に入ってからは少しだけFXにも明りが見えてきました。
FX市場にも動きが出てきましたし、仮想通貨市場のブームも落ち着いています。
ですが今後FXの取引高が現在の水準をキープできるかどうかを決める最大の問題が残っています。それは言うまでもなくレバレッジ規制問題。昨年に金融庁がFXのレバレッジを現行の25倍から10倍まで引き下げるという報道がありました。
現在は金融庁が定期的に「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」を開催してレバレッジ規制強化についての議論を繰り替えしていますが、4月13日に行われた第4回目では、それまでの流れから一変して一気にレバレッジ規制強化支持の流れとなっています。
金融庁は「レバレッジ規制反対派の意見を聞く」という建前でこういった有識者検討会を開いていると考えられますが、金融庁の息のかかった人間が検討会を取り仕切っている時点で結論は決まっているのでしょう。
しかも金融庁の天下り先である「くりっく365」については、決済リスクへの対応がしっかりとしているとしてレバレッジ規制からは外されそうな状況です。
どう見ても出来レースです。
誰も得しないレバレッジ規制今日かを自分たちのわがままのために押しとうそうとしているようにしか見せません。金融庁はもっと他にもやるべき仕事があるはずなのですが・・・。
バイナリーオプションの取引高
金融先物委員会のサイトには、国内業者のバイナリーオプション取引高についてもデータがありましたので、取引高の推移をまとめました。
年度 | 取引高(10億円) |
2017年 | 445 |
2016年 | 462 |
2015年 | 556 |
2014年 | 761 |
FX取引と比較すると、桁ではなく単位レベルで違っています。
昨年のFX取引高が4179兆円に対してBOは4450億円。
BOも根強い人気がありますが、やはりFX取引には大きく差をつけられている状況ですね。取扱う業者の数も圧倒的に少ないです。
また、取引高の方は下落の一途となっており、人気の陰りが見られます。
やはり2013年の規制が効いているように感じられます。
レバレッジ規制強化が実施されるか否かで今後のFXが決まる
2017年度のFX取引高のまとめでした。
FXの取引高が下がるというのは、我々トレーダーにとってはあまり関係のない事に感じられるかもしれません。
しかし、スプレッドやマリーで収益を出すビジネスモデルであるFX業者にとっては、取引高が減ると収益も減ってしまいます。
FX業者の収益が減れば、サーバーや取引システムへの投資が見送られることになり、我々にとっても不都合が生じます。FX業者が利益を出したいがためにストップ狩りをしてくる事も否定できません。
FX取引が日本で始まって約20年。
ようやく健全になってきているところでレバレッジ規制強化をするのは成長の邪魔でしかありません。余計なことはしないでほしいところですね。
その後の結果については以下の記事をご覧ください。