今回は、スマートマネーコンセプト(SMC)を実践する海外トレーダー御用達のチャート分析ツールである「TradingView(トレーディングビュー)」をご紹介します。
トレーディングビューはMT4とは違った特徴や魅力を持っています。
日本ではまだあまり普及していませんが、その使い勝手の良さから、徐々に利用者数が増えてくることが予想されます。(既に世界中では3500万人が利用しています。)
そこで本記事では、「トレーディングビューって何?」という方に向けてトレーディングビューの概要と、SMCトレーダーがトレーディングビューを愛用する理由についてまとめます。
記事終盤ではトレーディングビューの使い方もご紹介しますので是非ご覧ください。
Contents
トレーディングビューの概要
トレーディングビューは非常に多くの機能が詰まったツールです。
機能全てについてご紹介すると1記事では足りませんので、ここでは特に目立った特徴だけの解説をしていきます。
- 基本的に発注機能を持たないチャート分析専用のツール
- FX市場だけでなく、世界中の株式市場やETFなどのチャートを表示可能
- 無料プランで使えるのは限定的な機能、本格的に使うのであれば有料プランが必須
それぞれについて解説していきます。
①基本的に発注機能を持たないチャート分析専用のツール
基本的にトレーディングビューは発注機能を持たないチャート分析専用のツールです。
MT4をチャート分析ツールとして利用している方も多いと思いますが、MT4はあくまでも「発注機能」がメインで、それに加えてチャート分析機能が付いたプラットフォームです。発注機能があるからこそ、EAを利用して自動売買をすることができるわけです。
MT4などの発注&チャートを表示するプラットフォームはFX業者を通して利用することになるため、業者の口座開設が必要です(一応デモでも登録は必要)。また、1つの業者の配信するレートのチャートしか表示することができません。
一方でトレーディングビューを利用する際はFX業者の口座を開設する必要はありません。
なぜならトレーディングビューはFX業者や証券会社から独立した形を取っている、あくまでもチャート分析ツールだからです。
このおかげで、業者間の配信レートを比較したり、市場間分析がしやすくなるメリットが生まれます。
例えばドル円一つであっても、トレーディングビューでは以下のように、複数の業者から配信される為替レートのチャートをそれぞれ表示できます。
これはあくまで一例です。
実際はもっと多くの業者の配信レートを利用してチャートを表示できます。
FX市場だけでなく、世界中の株式市場やETFなどのチャートを表示可能
MT4で表示できる銘柄は、MT4を採用している業者で取引できる銘柄に限られます。
これは当然ながらMT4が発注ツールだからです。
しかしトレーディングビューは発注機能を備えておらず、ブローカーから独立したチャート分析ツールですので、世界中のあらゆる市場の銘柄にアクセスしてチャートを表示することができます。
MT4でも表示可能なインデックス、仮想通貨、商品等は当然のこと、世界中で上場されている個別株やETF、債券などのチャートも表示できます。
下はトヨタ自動車のチャートです。
世界中の様々な市場に上場されている銘柄のチャートが表示できますので、FXの他に個別株投資をしている方や、市場を横断して分析したい方には非常に役立つツールになっています。
無料プランで使えるのは限定的な機能、本格的に使うのであれば有料プランが必須
MT4にしてもトレーディングビューにしても、トレード用のプラットフォームは莫大な開発費や維持費がかかります。
開発元もビジネスでやっていますから、少なくことも経費以上の利益を出さなくてはいけません。
そんな中で我々トレーダーがMT4を無料で使えているのは、MT4を採用するFX業者が、開発元であるメタクォーツ社に利用料を支払ってくれているからです。
しかし、トレーディングビューは先述の通りFX業者からは独立した形でサービスを展開しています。そのため、トレーディングビューのユーザーは利用料を支払う必要があります。
利用料はサブスクリプション方式で複数のプランが用意されています。
無料プランもありますが、使える機能が限定されています。
- 表示できるチャートは1枚のみ
- 同時に表示できるインジケーターは2つのみ
- チャートのリプレイ(過去の相場を動かす)が日足以上のみで利用可能
他にも色々と便利な機能は限定されますが、カスタムインジケーターの利用や描画ツール、表示できる銘柄に違いはありません。
そのため、人によっては無料プランだけでも十分事足ることもあるでしょう。
ただし、定期的にチャート上に広告が表示されます。これはかなりウザイです。
トレーディングビューとMT4の比較
ここまで解説してきたまとめとして、トレーディングビューとMT4を比較した表を作成しましたのでご覧ください。
MetaTrader4 | TradingView | |
リリース年 | 2005年 | 2011年 |
発注機能 | あり | 基本的には無い |
利用料 | 完全無料 | 有料(無料プランあり) |
内蔵インジケーター | 40本以上 | 100本以上 |
バックテスト機能 | あり | あり |
表示可能銘柄 | MT4を採用する業者で取引できる銘柄のみ
|
|
カスタムインジケーター | 超多い | 超多い |
スクリーニング機能 | なし | あり |
プログラミング言語 | MQL4 | Pineスクリプト |
SMCトレーダーからトレーディングビューが人気の理由
ここからは「なぜトレーディングビューはSMCトレーダーから厚い支持を受けているのか?」について解説します。
SMCトレーダーも最初はMT4を使っていたわけですが、彼らがトレーディングビューに移行しているのには理由があります。
- 描画ツールが優れている
- SMC関連のインジケーターが数多く公開されている
- PCでもモバイルでも全く同じチャートを表示可能
- 様々な時間軸のチャートを表示できる
- リプレイ機能で簡単にバックテストできる
それぞれについて見ていきましょう。
描画ツールが優れている
トレーディングビューの描画ツールの種類や性能、使い勝手は、全てにおいてMT4よりも上です。
私もMT4愛好家で、カスタムインジが好きすぎてインディケーター貯蔵庫というサイトを運営している身ではありますが、この点については認めざるを得ないほどの差があります。
まずMT4で頻発するイライラの元である、ラインが勝手にズレる現象がありません。
ツールの数もMT4とは比べ物にならない種類がありますし、それぞれについて細かく色の指定(半透明可)や文字を加えることも可能です。
フリーハンドでお絵描きも最初からできます。
以下は埋込用のトレーディングビューです。
チャートの左側のアイコンが描画ツールになっていますので、試しに色々と弄ってみてください。
SMC関連のインジケーターが数多く公開されている
MT4が世界中で利用され続けている大きな理由の一つがカスタムインジケーターの豊富さです。
世界中のトレーダーの英知を集結して新しいロジックのインジケーターを発表&販売したり、元々MT4には無かった機能を追加できるのが大きな魅力です。
これと同じでトレーディングビューも他のトレーダーが作成したカスタムインジケーターが利用できます。
SMCトレーダーのユーザーが多いためか、SMC関連のインジケーターも多いです。
■FVG、オーダーブロック、高値や安値を表示するインジ
■各キルゾーンとCBDRを囲むインジ
インジケーターはトレーディングビューの公式サイトで簡単にダウンロードできます。
多くが無料ですが、中には有料のものもあります。
PCでもモバイルでも全く同じチャートを表示可能
MT4のカスタムインジケーターも便利ですが、カスタムインジケーターが表示できるのはデスクトップ版だけです。モバイル用のMT4はデスクトップのように拡張性がありません。
しかしトレーディングビューはPC、スマホ、タブレットの全てでカスタムインジが表示できますし、使う端末が違っても同期が可能です。
家のPCでライン等を描画したもチャートを、出先でスマホでもチェックできるのは大きなメリットです。
様々な時間軸のチャートを表示できる
トレーディングビューでは、1秒足~年足まで多くの時間軸のチャートが表示できます。
見たい時間軸が無ければカスタムで作ることも可能です。
ほとんどの場合はMT4にある時間軸だけで十分だとは思いますが、オーダーブロックやFVGを探す際に色々な時間軸を見ることがあるSMCでは重宝します。
リプレイ機能で簡単にバックテストできる
トレーディングビューでは難しい操作やEA無しで過去の相場を動かす「リプレイ」機能があります。
任意の時間に巻き戻しもできますし、仮想売買もできます。
動かせるのは確定足ベースですが、インジケーターの表示はもちろんのこと、途中でチャートの時間軸を変更することも可能です。
トレーディングビューの登録方法
それではトレーディングビューの登録方法を解説します。
トレーディングビューは業者の口座開設は不要で、トレーディングビューのサイトから登録を行います。以下から公式サイトに進めます。
まずは公式サイトの右上の「始めましょう」をクリック。
飛んだ先の「登録」をクリック。
グーグルやXなどのお持ちのアカウント、もしくはEメールを入力して登録します。
これで完了です。
登録後はサイト上部のメニューバー中の「プロダクト」⇒「スーパーチャート」をクリックするとチャートが開けます。
トレーディングビューのチャートはブラウザ上で動きます。
トレーディングビュー全体の詳しい利用方法については以下のサイトをご覧ください。(私のサイトです)
トレーディングビューを内蔵する業者について
トレーディングビューはFX業者からは独立したツールと解説しましが、FX業者によっては自社の取引ツール内にトレーディングビューを組み込んでいるところがあります。
- オアンダ証券
- FXTF
- みんなのFX
- Light FX
これらの業者では、トレーディングビューを発注ツールとして利用できます。
(私はこの形態を内蔵型と呼んでいます)
例えば、以下はみんなのFXのプラットフォームの画像です。
右半分のチャートはトレーディングビューになっています。
このトレーディングビュー(内蔵型)と本ページでご紹介したトレーディングビュー(本家)は似て非なるものと考えたほうが良いです。
内蔵型は機能が大きく制限されており、本家とは主に以下のような違いがあります。
- 表示できる銘柄はFX業者の採用する銘柄のみ
- 表示時間軸は少ない
- カスタムインジやストラテジーは使えない
- リプレイ機能は無い
- 利用料は無料
正直な所、トレーディングビューの魅力の多くが削られてはいるのですが、描画ツール自体は本家のものと全く同じです。
トレーディングビューの描画ツールさえ使えればそれでいい!という方は内蔵型の業者を利用してみるのも良いと思います。
トレーディングビューを使って発注をしたい方は以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。