今回はマルチタイムフレーム(MTF)で仕掛けるSMCのエントリーポイントについて解説します。
当サイトではこれまでに主に1つの時間足を使ってSMCの考え方を解説してきました。
これだけでもチャート分析の精度を大きく上げられるのですが、複数の時間足で展開していくことで、より細かく、より高い精度の分析・エントリーが出来るようになります。
相場が正に反転する個所をピンポイントで狙い、出来るだけ高勝率で高いリスクリワードのトレードが出来るテクニックを学びたい方は、ぜひご覧ください。
SMC(スマートマネーコンセプト)の記事一覧
Contents
SMCにおける時間足の組み合わせについて
一般的なトレード手法でマルチタイムフレーム分析をする際は、4~8倍程度の時間足を組み合わせることが多いですが、SMCでは少なくとも10倍以上の比率でMTF分析を行います。
2つの時間足を利用して仕掛ける場合は、以下のようになることが多いです。
上位足 | 下位足 |
月足 | 日足 |
週足 | 4~8時間足 |
日足 | 1時間足~2時間足 |
4時間足 | 15分足 |
1時間足 | 5分足 |
15分足 | 1分足 |
MT4を使う場合は、基本的には2つ時間足を落とすと考えてください。
SMCにおけるMTFの使い方は、上位足のオーダーブロックに価格が到達した所で下位足に切り替えて、ピンポイントで高勝率ポイントを探っていきます。
3つの時間足を組み合わせる場合は、例えば「4時間足、15分足、1分足」となります。
この場合、4時間足で大まかな方向を掴み、15分足のオーダーブロックまで戻してきたところで1分足でエントリーする、というやり方になります。
また、トレーダーによってはより精度を高めるために、相場に応じて執行時間足となる下位足を変えることもあります。
例えば、通常であれば下位足として1分足を利用するものの、1分足が分かりにくくて狙いにくければ2分足、30秒足、15秒足を使う・・・などです。
MT4ではこのような時間足チャートを表示するのは少し手間がかかりますが、TradingViewなら簡単に色々な時間足を表示できます。
こういった点や、ライン等が描画しやすくてズレない点こそが、TradingViewが多くのSMCトレーダーから利用されている理由だと思います。
TradingViewについては以下の記事をご覧ください。
マルチタイムフレームで仕掛けるやり方
それではマルチタイムフレームで仕掛ける方法について解説していきます。
ロングエントリー
ロングエントリーの場合、上位足のオーダーブロックに下げてくるまで待ちます。
この図のトレンドは上昇トレンド。
その押し目としてオーダーブロックまで下げてきた所(赤い〇の個所)で下位足に切り替えます。
上位足の赤い点線で囲っている個所の下位足の流れは以下のようになります。
上位足では押し目であっても、下位足に切り替えると下降トレンドになっています。
ここで注意すべきポイントは、上位足のオーダーブロックに到達したからと言ってすぐにロングエントリーはしないこと。
それだとMTF分析する意味がなくなります。
上図では、ピンク色の上位足のオーダーブロックに到達後、大きく反発して下位足レベルでCHOCHとなり、トレンドが転換します。
この時点で下位足レベルのオーダーブロックができますので、ここまで再度下げてきたところでエントリーします。
これがMTFエントリーの基本です。
オーダーブロックに価格が来た時に仕掛けるやり方についても過去に色々と解説していますのでご覧ください。
上位足と下位足をつなげてにエントリーを確認
上位足と下位足の流れを一緒に図にすると以下のようになります。
太いラインが上位足、細いラインが下位足の流れです。
上位足が上昇トレンドの中で押し目を形成すると、下位足は下降トレンドなります。上位足と下位足でトレンド方向が異なっていますが、これは「押し目を作っている段階」と判断します。
上位足のオーダーブロックに到達したら、下位足がCHOCHして上位足と同じ上昇トレンドに切り替わるのを待ちます。
ここでようやくエントリーのセットアップが完成です。
あとは下位足のオーダーブロックまで下げてきたところで入るだけです。
利食い目標は上位足の前回高値(スイングハイ)、損切りは下位足オーダーブロックの下限に置きます。
こうすることで、非常に高いリスクりリワードレシオのエントリーが可能になります。
ショートエントリー
ショートエントリーはロングエントリーとは真逆になります。
まずは上位足のオーダーブロックまで上げてくるまで待ちます。
この図の上位足のトレンドは下降トレンド。
ピンクのゾーンであるオーダーブロックまで戻してきた赤い〇の所で下位足に切り替えます。
上位足の赤い点線で囲っている個所の下位足の流れは以下のようになります。
上位足レベルでは単なる戻しであっても、下位足では上昇トレンドになります。
下位足が上位足のオーダーブロックまで上昇後、トレンド転換のCHOCHとなった時点で下位足でもオーダーブロックができます。
この下位足のオーダーブロックまで再度上昇してきたところでショートエントリーをします。
上位足と下位足をつなげてにエントリーを確認
上位足と下位足の流れを一緒に図にすると以下のようになります。
太いラインが上位足、細いラインが下位足の流れです。
上位足が下降トレンドの中で戻りを形成すると、下位足は上昇トレンドなります。
上位足のオーダーブロックに到達したら、下位足がCHOCHして上位足と同じ下降トレンドに切り替わるのを待ちます。
ここでようやくエントリーのセットアップが完成です。
あとは下位足のオーダーブロックまで上げてきたところで入るだけです。
利食い目標は上位足の前回安値(スイングロー)、損切りは下位足オーダーブロックの上限に置きます。
実際のチャートでエントリーを確認
それでは実際のチャートでエントリーまでの流れを見ていきましょう。
今回は上位足を1時間足、下位足を5分足として解説していきます。
ロングエントリー
まずは上位足の1時間足から見ていきましょう。
1時間足では上昇トレンド中です。
直近の高値をブレイクして上昇していますので、FVGを含む安値あたりをオーダーブロックを表示します(青色)
しばらくして、1時間足のオーダーブロックまで下げてきました。
ここでようやく5分足に切り替えます。
この時の5分足は以下のようになっていました。
明かな下降トレンドですね。
1時間足が上昇トレンドでオーダーブロックに入っているからロングしても、すぐに負けそうな流れです。
ですので、とりあえず5分足がCHOCHしてトレンドが切り替わるまで待ちます。
ダラダラと下げる局面が続いて、ようやくCHOCHしました。
ここでエントリーではなく、新しくできた5分足レベルのオーダーブロックまで再度下てきた所でロングします。
少し足が進んで、オーダーブロックまで下げたのでロングエントリーです。
損切りは5分足のオーダーブロックの下に置きます。
利食いは1時間足のスイングハイ、もしくは5分足レベルでレジスタンスとなりそうなポイントで行います。
その後の値動きです。
少し時間はかかりましたが、一気に上昇しました。
1時間足で見るとこのようになります。
1時間足の高値までポジションを保有していた場合、リスクリワードレシオは12以上になります。
ショートエントリー
まずは上位足となる1時間足から見ていきましょう。
1時間足では下降トレンド中です。
直近の安値をブレイクして下落していますので、オーダーブロックを表示します(青色)
しばらくして、1時間足のオーダーブロックまで上げてきました。
ここでようやく5分足に切り替えます。
この時の5分足は以下のようになっていました。
5分足では上昇トレンドですね。
勢いよく1時間足のオーダーブロックに入ってきます。
ですので、とりあえず5分足がCHOCHしてトレンドが切り替わるまで待ちます。
少し足が進んでCHOCHしました。
ここですぐにショートエントリーではなく、CHOCHによってできた5分足レベルのオーダーブロックまで再度上げてきたらショートします。
それからしばらくして5分足のオーダーブロックまで戻してきたのでショートです。
損切りはオーダーブロックの少し上、そして利食いは1時間足の直近の安値、もしくは5分足レベルのサポートになりそうなポイントで行います。
その後の値動きです。
こちらも時間はかかりましたが、しっかりと下げて行きました。
1時間足ではこのようになりました。
1時間足の安値までポジションを保有していたら、リスクリワードは15以上になります。
SMCの最大のメリットはリスクリワードレシオ
今回はマルチタイムフレームで仕掛けるSMCのエントリーポイントについて解説しました。
SMCをマルチタイムフレームで考えることで、「相場が正にこれから反転するポイント」でエントリーすることが可能になります。
当然、エントリーすれば必ず勝てるものではありませんが、非常に高いリスクリワードレシオでトレードができます。
これだと、多少負けても痛くもかゆくもありません。
もちろんリスクリワードを調整して勝率を上げるのも良いでしょう。
SMCは裁量トレードで複雑ですが、しっかりと検証をして、自分なりのやり方を確立したら、とても勝ちやすい手法です。
また、今回ご紹介したやり方以外にもエントリー方法はありますので、今後も記事にしていきたいと思います。
オーダーブロックの見極め方は以下の記事をご覧ください。