前回の記事で、ヒゲの無いローソク足の優位性について解説しました。
この記事では、インジケーターを使ってローソク足全体の長さにおけるヒゲの長さが10%以下、5%以下の足にシグナルを表示して、何か示唆するものがあるかを検証しました。
今回はヒゲの無い足を更にフィルタリングして、より精度の高いシグナルを出すことに成功しましたのでご紹介していきたいと思います。
今回の記事を動画で解説したものもありますので、こちらもご覧ください。
Contents
ヒゲの無い足だけでも優位性はある
まずは前回のおさらいです。
下のチャートは、ローソク足チャートの中で、足全体の長さに対してヒゲの割合が1割以下の足にだけサインを表示したものです。
サインの出た足は「ほぼ実体だけでヒゲの無い足」ですが、その後の相場の方向を示していることが多いですよね。
トレンドの転換点やトレンドの継続点などでサインが出ており、どれも精度は高いです。
実体の大きな「大陽線・大陰線」もその傾向はありますが、「ヒゲの無い足」はそれ以上に相場の方向を示す指標として大きな優位性があることが分かりました。
こんなにもシンプルで誰もが判断できる客観性があるのに、しっかりとした優位性を持ち合わせています。
ヒゲの無い足に優位性がある理由
陽線のヒゲの無い足は、足が始まった時から確定するまで上げっぱなしだったことになります。
多少上げすぎたからといってほとんど修正が入らずに確定するということは、その時間帯は非常に買いが強かった、つまりは大口が大量に買いを入れたとも考えられます。
大口は資金力があるため徐々に買いポジションを積み上げます。
ヒゲの無い足が確定後も買いを続けていくと、更に他のトレーダーが買いを追従します。
この価格の上昇に売りポジションを持つトレーダーたちは損切りをせざるを得なくなり、そこから更に価格を上昇させる力を引き出します。
これがヒゲの無い足によって生まれる優位性のメカニズムです。
ヒゲの無い足をフィルタリングする
今回はヒゲの無い足の発展形として、ヒゲの長さが1割未満の足に出るシグナルをフィルタリングして、もっと良いところでサインが出るように改良してみました。
目標はより高確率で大口の仕掛けているポイントを特定することです。
なかなか良いものが仕上がりましたので、通常のサインとフィルタリングしたサインを比較してみてください。
- サインが多い方がフィルタリング無し=ヒゲの割合が1割以下の足
- サインの少ない方がフィルタリング有り=ヒゲの割合が1割以下の+フィルタリング条件付き
どうでしょうか?
フィルターありの方はサインの数は減っていますが、その分だけトレンドの切り替わりかつ伸びやすい所でサインが出ています。
色々と試行錯誤した後だったので、この出来栄えには大満足です。
フィルタリングしたサインの使い方
では、フィルタリングしたサインの使い方について解説します。
優位性のある用途としては以下の3つです。
- 高勝率エントリーシグナルとして利用する
- 始値をサポレジラインとして利用する
- サイン出現後、早い段階で勢いよく逆行したらドテンシグナル
高勝率エントリーシグナルとして利用する
これまでに見てきたように、ヒゲの無い足はその後の相場の方向を高い確率で予測します。
特にフィルタリングしたヒゲの無い足は、大口が仕込んでいることを特定するため、シグナルに従ってエントリーするだけで損小利大のトレードができます。
シグナルは主にトレンドの転換点や押し目や戻りで出現し、そのどれでも有効に機能します。
既に他の指標と組み合わせているため、新たな指標を加える必要はありません。
始値をサポレジラインとして利用する
ヒゲの無い足は、その時間帯において逆方向に進むことも押し戻されることもなく進んだ足です。
前述の通り、このような足は大口のトレーダーが仕込んでいることが多いのが特徴です。
ロングサイン点灯後にそれほど伸びずにすぐに逆行した場合、大口は損失を防ぐために、始値を割らないように新たにポジションを取って下落を妨害します。つまり、サインの出た足の始値付近はサポレジラインとして機能するのです。
始値付近の攻防で始値を明確に割らずに長いヒゲを残した場合、再度サインの方向に動き出します。
そのため、サインの出た足の始値までヒゲを付けた足が出現した場合、絶好のエントリーチャンスとなります。
このチャートの左側のサインでは、一度サインの出た足の始値を試して大きく上昇しています。
右側のサインでも、ヒゲを付けた後は多少反発しています。
しかし、下げの勢いが強かったためその後は下にブレイクしていきました。
サイン出現後、早い段階で勢いよく逆行したらドテンシグナル
本シグナルは非常に強力です。
しかし、場合によってはシグナル出現後に勢いよく逆行することがあります。
通常であればシグナルの出た足の始値付近で反発が起きるはずなのに、それが無く勢いよく逆行してしまった・・・。これは、最初にヒゲの無い足を作った大口が、他の大口に負けてポジションを投げてしまったことを意味します。
個人トレーダーの基本が大きな流れに追従するであるのなら、新たに勝利を収めた大口について行くのが賢明です。
そのため、シグナルが出た足が全否定された後は絶好のドテンチャンスになります。
このチャートでは、ロングサイン出現後、それほど伸びず、逆にショートサインの出た足が始値を割っています。
これこそが本シグナルの生み出す最強のシグナルです。
決してチャンスは多くはありませんが非常に美味しいポイントになります。
今回作成したインジケーターの配布について
今回作成したインジケーターは私の運営するFSCXM版で公開しています。
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