正太郎流のトレードノートの書き方と見直し方

「毎日のトレードについて、しっかりとトレードノートにまとめていますか?」

私がトレードコーチをしていころ、初めて会う生徒さんにはいつもこの質問をしていたのですが、自信を持って「はい!」と答えた方は10人中3人もいなかったと記憶しています。

この統計は一般的なトレーダーにも当てはまるのではないかと個人的には思っています。
つまり、しっかりとトレードノートをまとめているトレーダーは、全体の3割以下である、ということです。

確かにトレードノートを書くのは面倒ですし、時間もかかります。
トレードの調子が悪い時なんて自分の傷をえぐるようで良い気分もしないでしょう。

しかし、しっかりとトレードについてまとめられたノートは、宝の山です。
自分のトレードを改善させるための情報がギッシリと詰まった「お金では絶対に買えない最高の教材」です。

そんなトレードノートも、トレードを向上させる情報を書き込んで、上手に利用しないと最大限の効果は期待できません。
そこで今回は、私のオススメするトレードノートの書き方と使い方について解説したいと思います。

トレードノートとは?

トレードノートは人によってはトレード日誌、トレード日報とも呼ばれるもので、毎日の自分のトレードについてまとめたものです。

トレード結果だけであれば、FX業者から得られますが、それだけでは情報が少なすぎます。
今後のトレードの改善を目的とするのであれば、もっと必要な情報があります。それらについて記入したのがトレードノートです。

トレードノートは手書きでも構いませんが、出来ればエクセルなどにまとめてデジタルデータで保存した方が参照しやすくて便利です。

トレードノートに書くべき内容

私はトレードノートには以下のことを盛り込むようにしています。

  • エントリー&エグジットの日時とその時のチャート
  • エントリー&エグジットした理由と根拠
  • トレードの勝敗、獲得pips、損益
  • ルールをしっかりと守れたか否か
  • エントリー前の心理状態
  • ポジション保有中の心理状態や行動
  • 迷ったポイントについて

それぞれについて解説していきます。

エントリー前の相場観と心情

私はトレードを始める前には、前日までの動きやサポレジライン等についてまとめて、これからどんな動きになるのか?についてまとめることにしています。

また、トレード前の精神状態についても出来るだけ客観的にまとめます。

こうすることで、自分のメンタルがその後のトレードにどれくらい影響を与えるのかについても検証することが出来ます。リラックスした状態でトレードを始めた日や、ストレスを溜めた状態でトレードを始めた日の結果を比較すると、何か見えてくるかもしれませんね。

エントリー&エグジットの日時とその時のチャート

これが無いとトレードノートになり得ませんね。
トレードノートの主役的なコンテンツです。

チャート画像の保存は少々面倒ですが、MT4であれば「ClickScreenShot」というインジを使えばクリック一つでチャート画像を保存できて非常に便利です。私も愛用しています。

エントリー&エグジットした理由と根拠

リスクを取ってエントリーした、と言うことは必ず何らかの理由があるはずです。
自分のルールに的確に従ったエントリーだった、と言う場合もあるでしょうし、中には「負けを取り返したくてルールを無視して入ってしまった」というものもあるでしょう。

そういった理由を包み隠さず書きましょう。
同じ理由で、エグジットについても詳細に書いておきます。

トレードの勝敗、獲得pips、損益

トレード結果がどうだったのかも大切なことですね。
しっかりと記入します。

ルールをしっかりと守れたか否か

トレードにおいては「勝ちトレードが正義」ではありません。
相場にはランダムの要素が付きまといますので、ルール通りにトレードしなくても勝てることがありますが、そんなことを続けていても長期的に見れば勝つ事は難しいでしょう。

トレードで利益を出し続けるには、優位性のあるルールに従うことが大切です。
チキン利食いをしなかったか、損切りを素早く行えたか、資金管理を守れたかなどルールから外れたトレードをしていないかチェックしておきましょう。

エントリー前の心理状態

これは出来ればエントリーする前に書いておきたいことです。

言うまでもなく、トレードはその時の心理状態に大きく影響されます。
ですから、エントリーする前の精神状態について具体的に書いておいて、その後のトレード結果と結びつけて後で検証してみると、どんな精神状態の時にミスをしたり、ルールを破ってしまったりするのかが分かります。

ちなみに私はエントリー前の心理状態については、A4のコピー用紙に手書きで殴り書きして、後でトレードノートにまとめています。

ポジション保有中の心理状態や行動

意外と忘れがちなのがポジション保有中の心理状態です。

ポジションを持つと、お金がかかっているために冷静的な判断は通常よりも難しくなります。
普段よりもソワソワしたり、いつもは見ない時間足のチャートやインジを表示させてみたり、ニュースや他のトレーダーのポジション状況を見て自分ポジションを正当化させたり・・・。

ポジション保有中に自分が何を考えて、どんな行動をしているのかについて知ろうとすると、必然的に冷静になれますし、ルールを守りやすくなります。

私はこの項目についてもA4のコピー用紙に手書きして、その後にノートにまとめています。

迷ったポイントについて

トレードをしていると、「エントリーするかどうか迷う」ことがよくあります。

私は基本的にはこういったポイントではエントリーしないのですが、迷ったところについては「なぜ、どういった理由で迷っているのか?」について必ずノートに記すようにしています。

なぜなら、迷ってエントリーしなかった場合は、トレード履歴には残らずに、後で見直すときには忘れてしまいがちだからです。
しかし迷ったポイントについて深く考えて検証すると、自分のトレード手法に対する理解の甘さや、トレード手法を改良するためのアイディアが浮かんでくることがよくあるものなのです。

ここは非常に重要なポイントなので、必ずまとめておくことをオススメしています。

ノートの見直しについて

トレードノートは書くことが目的ではありません。
定期的に見直して、今後の自分のトレードをより良くすることが目的です。

ですから定期的にトレードノートを見て、過去のトレードの見直しをしましょう。
見直す期間については、毎日前日のトレードを見直し、週末にその週のトレードを見直し、月末にその月のトレード見直し、年末に1年のトレードを見直す、と言う形で良いと思います。

こう書くと、「見直す頻度が多いなぁ」と思われるかもしれません。
しかし、毎日ちゃんとノートにまとめて、翌日にしっかりと見直しをすれば、結構時間が経っても自分のトレードは良く覚えているものです。ですから、週単位・月単位の見直しもそこまで時間はかかりません。

過去のトレードの記憶がよく残っていると、トレード中に「前にこんなことがあったなぁ」と思い出すことが増えます。そういったときに再び過去のトレードを参照すると、何かヒントが得られるかもしれませんね。

ノートがまとまったら、ぜひこの検証をやってみて!

また、ある程度トレードノートの記事が増えてきたらぜひ検証してもらいたいことがあります。
それが以下の4つです。

  • ルールに従ったトレードだけの統計
  • メンタルが自分のトレードに及ぼす影響
  • 自分がどれくらいルールを守ってトレードしているのか?
  • 自分にとって勝ちやすいチャート、負けやすいチャートを見つける

それぞれについて解説します。

ルールに従ったトレードだけの統計

「なかなかトレードルールが守れない」と悩んでいる方は多いと思います。
そんな方に効果的なのが「ルールに従ったトレード結果だけを抽出して統計を出す」です。

トレードノートをしっかりと書いていたら、トレードルールを守れたトレードとそうでないトレードがの区別が付きます。

そのなかでルールを守れたトレードだけをピックアップして、それらのトータルの結果を出してやると、「ちゃんとルールを守れば勝てるんだ」ということが明確に分かると思います。

そうすれば、無駄なトレードが如何にトレード全体の結果を悪くしているのかが嫌でも分かるでしょう。

逆にルールを守れたトレードだけの結果でもマイナスの場合は、トレードルールに優位性が無いということになりますので、ルールの変更を検討できる機会にもなります。

メンタルが自分のトレードに及ぼす影響

上の方でも少し書きましたが、その日のトレードを始める前、エントリー前の精神状態と、その後のトレード結果やルールを守れたか否かについて一緒に検証すると、自分がどんな精神状態の時にルールを守れなくなるのかが分かってきます。

自分がどんな時に暴走しやすいのかが分かれば、そうなる前に相場から離れることで、余計なトレードを減らすことが出来ます。

自分がどれくらいルールを守ってトレードしているのか?

完全にルールを守れたトレードとルールを守れなかったトレードの数を求めて、自分がルールを守れる確率を出します。

これを週単位でやってグラフを付けていくと、自分自身でも「ルールを守る!」という強い意識付けが可能になります。

そうなれば、必然的にルールを守れる確率がすることでしょう。

自分にとって勝ちやすいチャート、負けやすいチャートを見つける

負けトレードを見直すと「あれ?、こういったところでエントリーすると負ける事が多いなぁ」と思うことがあります。

そういった状態のチャートをしっかりと把握して、過去の相場で検証することで、ルールに従ったトレードの中でも、優位性がマイナスなる特定の値動きが見つかります。

これが分かれば、エントリーを避けてやるだけで無駄なトレードを減らせるだけでなく、勝率や期待値も向上し、トータルのトレード結果も良くなります。

同じく勝ちトレードを見直すことで、自分にとって最も勝ちやすいお宝ポイントを探し当てることが出来ます。

面倒だと思わずにしっかりとやろう

以上、トレードノートの書き方と利用方法についての解説でした。

書くことが多くて面倒かとは思いますが、慣れてくると「ノートを書かないと気持ちが悪い」という心情になります。ぜひそうなるまで継続してください。必ず効果があるはずです。

かつて私がトレードコーチをしていた頃に、やる気の生徒さんに上記のようなトレードノートを書いてもらいました。

そして私が逐一チェックして会う度にディスカッションしたところ、メキメキと実力を付けて半年後にはかなり優れたトレーダーに成長したことがありました。

結構スパルタでライザップ的なコーチングでしたが、その効果には私自身も驚いたものです。

本気でトレードで利益を出したいと思う方は、過去の相場だけでなく、トレードノートを元に自分の過去のトレードも一緒に見直しましょう。必ず大きな発見が得られるはずです。

 

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