今回の記事では、私のお勧めする水平線を自動で描画するMT4用のインジケーターをまとめてご紹介します。
一昔前までは「水平線」と言うと、トレーダーが自分の手で引くのが主流でした。
しかし、最近のインジケーターはなかなか良いところで水平線を引いてくれるものもありますし、何よりも完全無裁量なので客観性と再現性が非常に高いです。
わざわざラインを引く手間も省けます。
今回ご紹介するインジケーターは
- 同じ相場であってもその時の精神状態や気分によって引くラインが違う人
- ラインをどこに引けばいいのかよくわからない人
- できる限り主観の入らないラインを使いたい人
- 楽に水平線が引けるツールが欲しい人
といった方にお勧めします。
様々なタイプのインジを取り揃えていますので、きっとお気に入り見つかるはずです。
Contents
水平線を自動で描画するインジケーターについて
「水平線を描画するインジケーター」と言っても、他のトレーダーがー意識するレートにラインを引くものから、ピボットやフィボナッチを表示するものなど様々な種類のものがあります。
そこで今回は以下の7種類に分類してインジケーターをご紹介していきます。
- 意識されやすいレートラインを引くタイプ
- 前日などの決まった期間の高値安値等にラインを引くタイプ
- ラウンドナンバーにラインを引くタイプ
- ピボット、フィボナッチなどのラインを引くタイプ
- SMC関連のラインやゾーンを引くタイプ
- オリジナリティのあるロジックでラインを引くタイプ
- ラインアラートタイプ
- 水平線ライン補助タイプ
意識されやすいレートラインを引くタイプ
主にMT4にデフォルトで入っている「フラクタル」を利用して、相場の高値や安値を認識してラインを引くインジです。
Fractals – support – resistance (mtf + alerts)
フラクタルをベースにしてサポレジラインを引くインジです。
シンプルながらも見やすいです。
マルチタイムに対応しており、基本的には上位足のサポレジラインを表示して使用することをお勧めしています。
ラインに当たったらアラートやメール送信する機能も付いています。基本をしっかりと押さえた汎用性の高いインジです。
1時間足から月足までのサポレジラインを表示するインジです。
ラインは時間足ごとに色分けされているため非常に見やすいのが特徴です。
更にはチャート左上のボタンをクリックすることでサポレジラインの表示・非表示が簡単に行えます。必要な時に手軽に表示できるのは予想外に役立ちます。
ちょっと上位足のサポレジを確認したい場合などに便利です。
sr_mtf_eli
フラクタルを利用して4つの時間足のサポレジラインを表示するインジです。
時間足ごとにラインの色が変わるため見やすく、違う時間足のサポレジの重なり具合も見えて便利です。
その反面、現在の時間足のサポレジについてはラインが多く引かれすぎる傾向にありますので、上位足のみを表示させることをお勧めします。
SmartMoney Fractal Levels v3
フラクタルを利用して高値安値を表示し、そこから水平線やトレンドラインを描画するインジです。
「SmartMoney」という名前が付いているようにスマートマネーコンセプトでも利用できますし、単にサポレジ型のインジとしても役立ちます。
ラインについては、過去のライン全てを表示したり、既にブレイクしたものを非表示にして現在未ブレイクのものだけを表示したりと使い勝手も良いです。
II_SupDem_v2.33s2o
サポレジゾーンを自動で表示するインジです。
サポレジの強さによって色分けがなされるため、どこが意識されやすい重要なレートなのかが分かりやすいです。
サポートゾーンとレジスタンスゾーンの間の価格帯にフィボナッチを表示できたり、マルチタイムにも対応で上位足のサポレジゾーンの表示もできたりと高性能です。
SS Support _ Resistance V9
サポレジゾーンを表示します。
このインジではゾーンの特徴や重要度について6種類に色分けされます。
- weak:弱い。重要度は低い
- untested:まだ一度も試されていない
- verified:過去にその価格帯で反発している(横に表示される数字は反発した回数)
- proven:verifiedよりも信頼性がある
- turncoat:それまではサポートとして機能していたが、ブレイクされてからレジスタンスになった(逆もあり)
- broken:ブレイクされてしまったゾーン
6種類の中から、必要なものだけを選択できますので、本当に反転しやすいゾーンだを表示できます。
マルチタイムにも対応しており、ゾーンにローソク足が到達したらアラートが鳴ります。アラートについては、MAでフィルタリングすることも可能です。
更には、チャートを過去にスクロールすると、その時々のサポレジゾーンも表示することができます。
過去検証する際にも非常に重宝する機能が付いています。
サポレジゾーンを表示するシンプルなインジです。
重要度によってゾーンの色分けはされませんが、チャート左上のボタンを押すことでゾーンの表示・非表示が可能です。
常にゾーンを見る必要はないけど、気になる時にサッとチェックしたい・・・という方にお勧めします。
前日など決まった期間の高値安値等にラインを引くタイプ
前日の高値や安値など、決まった期間の高値や安値などに自動でラインを引いてくれるインジです。
Lines_bojack34_v1.5
当日の始値、前日の高値安値、前週の高値や安値などをラインで示すインジです。
チャート左上のボタンをクリックすることでライン表示のオンオフが簡単に行えます。
また、どのラインを表示するかが設定で選択できますので、好きなラインだけを表示できます。使い勝手が良い優れたインジです。
mtf-high-low
過去1ヶ月、過去1週間、その日の高値や安値のレートにラインを引くインジです。
このインジもどのレートにラインを引くかの選択が可能で、指定した期間をレクタングルで囲ったり、ピボットを表示することもできます。
好みに合わせて色々と変更できるので便利です。
DWM-Range
日足、週足、月足の3つ時間軸で、指定した期間分の高値安値を表示します。
デフォルト設定では各時間軸において過去24本分の足の高値安値についてラインを引きます。
現在の相場の幅を見る際に役立ちます。
ラウンドナンバーにラインを引くタイプ
価格レートの下2桁が0になるダブルゼロや、下3桁が0になるトリプルゼロといったレートにラインを引くインジです。
Round_Number_Levels_on_off
チャート左上のボタンを押すとラウンドナンバーのレートに水平線が表示されます。
100を押せば100pipsごと、50を押せば50pips、25を押せば25pipsごとの水平線になります。
MQLTA MT4 Draw Grid
特定の価格から、特定の値幅分だけ離れたところにラインを引きます。
チャート上のボタンをクリックして数値を入力するだけで良いので、手軽に扱えますし、表示のオンオフも可能など、痒い所に手が届く仕様になっています。
キリ番表示の他に、エントリーポイントを基準にして○○pips離れたところにラインを引いていく・・・と言った使い方にも役立つと思います。
ピボット、フィボナッチなどのラインを引くタイプ
ピボットやフィボナッチなど、特定の計算から求められる水平線を表示するインジです。
pivot-star-indicator
計算する時間足が選べるピボットです。
通常のピボットは日足のデータから求められますが、このインジでは週足や月足、4時間足や1時間足のピボットなども表示できます。
また、ピボットの種類も以下の5つから選択できます。
- 通常のピボット
- フィボナッチ・ピボット
- カマリリャ・ピボット
- ウッディ・ピボット
- デマーク・ピボット
ピボットマニアも大満足の高性能のインジケーターです。
WyattsPivots_v2.1_w_toggle
ボタンをクリックすることでピボットの表示がオンオフできるインジです。
日足に限らず、他の時間足のピボットも表示できる上に、ラインタッチでアラートが鳴る機能も付いています。
高性能なピボット表示型インジです。
AutoFib-TradeZones
直近の高値安値をベースにしてフィボナッチを表示するインジです。
過去の値幅の中で現在はどれくらいのレートにあるのかが一目でわかります。
赤いゾーンを下抜けしたらショート、青いゾーンを上抜けしたらロング、というのが基本的な使い方になります。
前日の高値安値に対してフィボナッチリトレイスメント&エクスパンションを表示します。
現在の価格が前日の動きに対してどれほどの位置にあるのかが一目でわかって便利です。
チャート左上のボタンをクリックすることで表示をオンオフできます。
101 Fibo_D_W_M_Y_v1.2
日足、週足、月足、年足それぞれについてフィボナッチリトレイスメントを表示するインジです。
デフォルト設定では、4つの時間足のラインが表示されるため、ラインだらけになってしまいますが、どの時間足のフィボナッチを表示するかの選択も可能です。
スイングトレードをする際に、月レベル、年レベルで意識されやすい価格を割り出す際に使えるでしょう。
SMC関連のラインやゾーンを引くタイプ
SMCを実践する上で役に立つインジをご紹介します。
OrderBlocks (Orgn)
オーダーブロック候補になりそうな価格帯にラインを引くインジです。
ラインが引かれる場所は少し粗削りで、BOSやCHOCH前にラインが引かれていることもあって、精査は必要です。
しかし、初心者にとってはそれなりに心強いインジになるかと思います。
BoS_CHoCH
Market Structure(市場の構造)を認識して、BosやChochとなる価格にラインを引くインジです。
スイングレンジを上にブレイクすると黄色いライン、下にブレイクすると赤いラインが表示されます。(ラインがBosかChochかは利用者が判定することになります。)
このインジは、ボラティリティに基づいて波を判定しています。
WRB-Hidden-Gap-BT
FVG(Hidden Gap)を認識して、ゾーンとして表示するインジです。
FVGは通常のサポレジゾーンとは異なり、この価格帯にレートが入ってくると吸い込まれるように中を抜けていく現象がよく見られます。
そのため、使い方を知る必要はありますが、一度知ってしまうと手放せないノウハウになります。
FVGは存在感がありますが、チャート上のボタンをクリックすると表示のオンオフが可能です。
FVGを表示するインジケーターについては以下でまとめています。
Imbalance by Blue Rain Button
FVGの生じた価格にラインを引くインジです。
FVGの足が陽線ならFVGの安値から青いライン、陰線ならFVGの高値から赤いラインを引きます。
ゾーンではないため、チャートがスッキリして見やすいのが特徴です。
ボタンクリックで表示のオンオフが可能で、FVGのラインにタッチしたらアラートが発動します。
オリジナリティのあるロジックでラインを引くインジ
ちょっと変わったロジックでラインを引くインジを集めました。
Big_Candle
長大陽線や長大陰線といった目立って大きな足の終値から水平線を引きます。
長大陽線や長大陰線は、大口がポジションを取っている可能性が高く、そのレート付近まで戻してくると新規の注文や決済注文が多く発動することがあります。
特に大きな時間足ではこの傾向が強いですので、「大口が意識するライン」として参考にできます。
詳しくはSMCをご覧ください。
SMC(スマートマネーコンセプト)の記事一覧
First RSI
RSIが上限や下限に来たら水平線の引かれるインジです。
RSIが下限に来たら赤いラインが引かれ、次に上限に来るまでラインは延長されます。
そして上限に来たら青いラインに切り替わります。
サポレジというよりは、損切りラインの目安として使えます。
MA_Crossover_Breakout_Lines_All-2
2本のMAがクロスしたレートに水平線が引かれるインジです。
デッドクロスのレートはレジスタンスライン、ゴールデンクロスのレートはサポートラインになり、それらをブレイクしたらサインも出ます。
使い古された移動平均線クロスオーバーの中でも、かなり斬新な解釈方法になると思います。
マルチタイム対応でサインが出たらアラートやメール送信等が可能です。
特定のローソク足パターンを認識し、その高値や安値から水平線が引かれるインジです。
認識するローソク足パターンは相場の転換を示すものが多いため、結果的に目立った高値や安値から水平線が引かれることになります。
ローソク足のパターンとラインを一緒に使いこなしたい方にお勧めします。
また、パターンが出現したらサインが出ます。
アラートやメール送信も可能です。
ラインアラート系
任意のレートに水平線を引いて、ローソク足がタッチすると、アラートやメール送信ができるインジです。
自動でどこか意識されやすいレートにラインが引かれるものではありませんが、トレードする際にかなり便利なのでご紹介しておきます。
AlertLine2
チャート右下のボタンをクリックすると水平線が表示され、水平線タッチでアラートやメール送信ができるインジです。
水平線は任意のレートに動かすことが出来ますので、気になるレートに置いておくと、チャートポイントで見逃すことが無くなります。
ボタンの右に直接レートを入力することもできます。
HLine_Alert_Maker
同じくチャート右下のボタンをクリックすると、アラートの鳴る水平線が表示できるインジです。
ラインには現在のレートから何pips離れているのかの情報も表示できます。
こちらの方はボタンをクリックした数だけ何本でもアラートの鳴るラインが描画できます。
メール送信やプッシュ送信が可能です。
ラインツール系
自動でラインを引くものではありませんが、水平線の描画が楽になるインジです。
Trendline_Straights_Horizontal_Vertical
MT4には「水平線」を引くツールがデフォルトで備わっていますが、すべての時間に対して横一直線のラインしか引くことしかできません。
そのため、どの価格を起点とした水平線を引くには、「トレンドライン」を引くツールを使って横向きに線を引っ張るしかありませんでした。しかも、横向きに線を引っ張っても少しズレが生じて始点と終点の価格を合わせる必要があるため、非常に面倒でした。
そんな面倒さはTrendline_Straights_Horizontal_Verticalを使うことで解消できます。
このインジを使えば、上のgif動画のように起点を明確にした水平線が楽に描けます。
手動で水平線を描いている人にお勧めします。超便利です。
ラインを上手に利用しよう!
以上、水平線を引いてくれるインジケーターのご紹介でした。
ラインタイプのインジは結構個性が強いものが多く、選ぶのに苦労しました・・・。
今回ご紹介したものにもマニアックなものもありますが、どれも多機能で用途の幅も広いため、好みに合わせてカスタマイズすれば、自分の狙いたいラインが表示できるかと思います。
製作者様に感謝しつつ、有効に利用していただければ幸いです。