今回は平均足の中でも「勢いのある形」ついて深掘りし、平均足を使ったトレンドフォローロジックに基づいて自作したシグナルをご紹介します。
平均足はパッと見ただけでトレンド方向が分かる日本初の優れたチャート表記法ですが、それなりにダマシもあります。
そこで、トレンドが発生している時に、平均足も力強い形となった時にエントリーしたらダマシが避けられるのではないか?という考えで色々と検証してみました。
作成したインジケーターは無料でダウンロードできますので是非ご覧ください。
Contents
平均足の見方
まずは平均足の基本的な見方について解説します。
平均足は下のようなチャートになります。
平均足では、ローソク足の陽線や陰線とは関係なく、上昇の流れなら陽線が連続し、下降の流れなら陰線が連続します。
これによりトレンド方向が視覚的に認識できるという大きなメリットがあるため、多くのトレーダーから支持されています。
そんな平均足は陽線と陰線と区別されることがほとんどでですが、実は「平均足の形」も一緒に見ていくことで、トレンドの強弱を細かく見ることができます。
平均足の形で注目すべきなのは以下の2つです。
- 足の大きさ
- ヒゲの方向
ローソク足とは違う解釈をしなくてはいけない点もあるので要注意です。
では、それぞれについて解説していきます。
平均足の実体のサイズは相場の勢いを示す
ローソク足では、実体が大きい大陽線や大陰線は勢いが強く、逆に十字線などの実体が小さい足は「迷い」や「停滞」を意味します。
平均足もこれと同じで、実体が大きければそれだけ勢いが強く、小さければ勢いが弱まっていること考えます。
下のチャートで白い四角で囲った個所は勢いよく下げて来ている個所ですが、大きな陰線が連続しているのが分かります。
平均足が大きくなってきた=ボラティリティも上がってきたと解釈しても良いです。
平均足のヒゲはローソク足の解釈と少し違う
平均足とローソク足では、ヒゲの解釈が違うところがありますので解説していきます。
トレンド方向のヒゲは勢いを示す
ローソク足では、上ヒゲの長い陽線や下ヒゲの長い陰線は、上や下から抵抗があったことを示します。
しかし、平均足では上ヒゲの長い陽線や下ヒゲの長い陰線はそれだけトレンドが強いことを示します。
下の平均足とローソク足チャートを見比べてもらうと分かりますが、下ヒゲの長い平均足の出ている個所をローソク足で見ると、目立って大きな陰線となっています。
この事実を知らずに、ローソク足の感覚のまま平均足を使うと、勢いよく上昇している時に「なんか上ヒゲが目立ってロングするのが嫌だなぁ」と思ってしまいがちです。
平均足を使う際は、トレンド方向のヒゲは勢いがあることを示すことを忘れないようにしましょう。
トレンドとは逆方向のヒゲは要注意
平均足では、トレンド方向のヒゲは勢いがあることを示しますが、その一方でトレンドとは逆方向のヒゲ(陽線の下ヒゲ、陰線の上ヒゲ)はトレンド弱くなっていることを示します。
このような実体が小さく、足の上下にヒゲが目立つ平均足は、トレンド終盤やレンジ相場でよく見られます。
まとめ
平均足についてまとめると以下のようになります。
- 実体が大きく、トレンド方向に伸びるヒゲの長い平均足は勢いがある
- 上下にヒゲがあり、実体の小さい平均足はトレンド転換前
以上を前提として、勢いのあるトレンド相場で勝てる平均足を利用した手法について考えていきたいと思います。
平均足を利用して狙いたいポイント
平均足を使ったトレンドフォローのエントリーを考える上で欠かせないのが平均足の形です。
平均足が陽線ならロング、陰線ならショートは当たり前なのですが、今回は以下の平均足をエントリートリガーとして考えました。
- ロング:平均足が陽線で、上ヒゲはあるが下ヒゲの無い足
- ショート:平均足が陰線で、下ヒゲはあるが上ヒゲの無い足
単に平均足の陽転・陰転のタイミングでエントリーするよりはタイミングが遅れますが、その分だけダマシが排除できるのではないか?という考えです。
これらの足が、他の指標と組み合わせて相場が勢いづいている時に出現したらエントリーできるようにシグナルを作成しました。
ボリンジャーバンドと組み合わせた平均足シグナル
相場に勢いが出ていることを知る指標としてまず思い浮かんだのがボリンジャーバンドです。
- ロング:価格がボリバンの2σよりも上にある時に、上ヒゲだけがある平均足の陽線が出現
- ショート:価格がボリバンの-2σよりも下にある時に、下ヒゲだけがある平均足の陰線が出現
という条件を満たしたらエントリーサインのでるインジケーターを作成しました。
エントリーポイントの例は以下の通りです。
ロング
ショート
上手く行けば、ボリンジャーバンドブレイク⇒バンドウォークが狙えるポイントです。
それではこの考えをベースとして作成したインジケーターのシグナル例をご覧ください。(平均足とローソク足に切り替わります。)
一応トレンドフォローで大きく取れているところもありますが、ダマシもそれなりにある感じです。
特にトレンドが行き過ぎているところでのサインや、大きな流れから見て逆張りとなるところでのサインはダマシになりやすいですね。
どちらかと言えば、エントリー後、ローソク足数本が確定した所で決済する方がよさそうな印象です。
このインジケーターのダウンロードは以下のリンクからどうぞ。
無料です。
パラメーター設定
パラメーターはボリバンの期間と偏差の変更が可能です。
また、サイン点灯時のアラートやメール送信が使えます。
移動平均線と組み合わせた平均足シグナル
次は移動平均線を組み合わせたロジックを考えました。
100EMAより価格が上なら上昇トレンド、下なら下降トレンドと考えます。
- ロング:100EMAより価格が上で、陰線が続いた後に上ヒゲだけがある平均足の陽線が出現
- ショート:100EMAより価格が下で、陽線が続いた後に下ヒゲだけがある平均足の陰線が出現
トレンドの押し目や戻りを積極的に狙っていく戦略です。
エントリーポイントの例は以下の通りです。
■ロング
■ショート
トレンドの押し目や戻りを狙っていく戦略になります。
それではこの考えをベースとして作成したインジケーターのシグナル例をご覧ください。(平均足とローソク足に切り替わります。)
それなりに取れているかな?という印象です。
特に100EMA付近まで押してからサインが出た場合は勝率も高く、損小利大のエントリーが狙えます。
逆に100EMAから離れたところで出る弱い押し目や戻りのサインはダマシの確率が高まる印象です。
パラメーター設定
パラメーターは移動平均線の期間と種類が変更可能です。
methodが1ならEMA、0ならSMAとなります。
また、サイン点灯時のアラートやメール送信が使えます。
まとめ
今回は平均足の形に注目して2種類のシグナルインジケーターを作成しました。
個人的には2つ目の移動平均線と組み合わせたシグナルは「結構良いかな」と思います。
特に100EMA付近のサインのみを厳選すれば勝てます。
他にも色々なインジケーターを利用して平均足をフィルタリングすることで、より優位性のあるシグナルが作れそうな印象を持ちました。移動平均線単品だけで勝つのは難しいですが、他の指標と組み合わせることで、優位性を高めることは可能です。
また機会があれば作ってみようと思います。
平均足に関する記事は以下からご覧ください。