今回はForex Master Pattern(フォレックスマスターパターン)という相場の流れを示すパターンををご紹介します。
Forex Master Patternは相場の値動きの流れを大まかに捉えたもので、その背景にはスマートマネーの動きがあることを前提としたパターンになります。
これまでに解説してきたスマートマネーコンセプトとの関係性はありませんが、相場の値動きの本質を知るための知識として非常に重要になってくるかと思います。
本記事ではForex Master Patternについての概要から、実際にどんな所で入っていくかについて解説していきますのでぜひご覧ください。
動画版もあります。
Contents
Forex Master Patternとは
Forex Master Patternとはこのような値動きになります。
最初は値幅の小さなレンジ、それからレンジを大きく上下にブレイクするエクスパンションを経て、最終的に一方的に動くトレンドが発生。
そしてまたレンジに戻る・・・と言うのがForex Master Patternの一連の流れです。
トレンドに入る前のエクスパンションでは、スマートマネーが入ってきて、価格を操作して他のトレーダーをふるいに落とし、自分たちにとって良い価格でポジションを取って、最終的に大きく動かしていく・・・と言うプロセスになります。
Forex Master Patternの考えでは、相場は常にこの3つ状態のどれかにあります。
その中で我々一般トレーダーは、3つのフェイズの中でも「トレンド」だけでエントリーを仕掛けましょう、と言うのが基本コンセプトです。
1日の値動きもForex Master Patternで説明できる
Forex Master Patternの流れはどの通貨ペア、時間足で見ることができます。
また、1日の値動きもForex Master Patternに従うことが多いです。
- 最初のレンジがシドニー・東京時間
- 続くエクスパンションがロンドン時間の初動あたり(夏時間で16時ごろ)
- その後トレンドが発生
ロンドン時間初動では、多くのスマートマネーが参戦してくるため、エクスパンションの動きになりやすいです。
また、ロンドン時間で発生したトレンドも中盤の19時ごろから再びレンジに戻り、ニューヨーク勢が入ってくる頃に再びエクスパンション⇒トレンドの流れになることもよく見られます。
Forex Master Patternで狙うべきポイントについて
Forex Master Patternで我々が狙うべきポイントは、最後のトレンドになります。
レンジでは値幅が取れませんし、エクスパンションでは価格が上下に振れやすいためストップを狩られる可能性が高いこともあって高リスクです。
しかし、トレンドに入ったことが分かれば、キレイでわかりやすい値動きになるので、ここでトレンドフォローすれば勝ちやすくなります。
そのためには、まずはレンジ、エクスパンション、トレンドを見分けられる必要があります。
例えば、下のチャートを見て、あなたはどれがレンジ、エクスパンション、トレンドか見分けが続くでしょうか?
コツは最初のレンジを見つけることです。
正解は以下のようになります。
とても分かりやすいチャートを選んだので、見つけられた方も多いかと思います。
しかし、実際に過去のチャートで検証しようとすると、なかなか難しいです。
正直な話、「どれがどれだか分かりにくいモノが多い!!」と言うのが私の個人的な感想です。
確かに分かりやすい所もありますが、明確に分かるところの方が少数派なのです。
また、Forex Master Patternは一種のパターンなので観察者の「目」によっても違いが出てきます。これがForex Master Patternの弱点です。
インジケーターを利用してレンジをあぶり出す!
ヨコヨコのレンジさえわかれば、あとはエクスパンション⇒トレンドへつながる流れも自動的に分かりやすくなるはずです。
そこで今回はレンジを判定するインジケーターを利用して、Forex Master Patternを特定する方法をご紹介します。
使用するのは無料の「SM ACME rectangle」です。ダウンロードは以下からどうぞ。
このインジケーターは、以下のようにレンジの価格帯をレクタングルで囲んでくれます。
黄色いラインはレクタングルの半分の値幅に引かれます。
今回は以下のようなパラメーター設定にして、レクタングルを示し、その後のエクスパンション⇒レンジの動きを確認します。
意味合いとしては、ヨコヨコの値動きがローソク足10本以上継続し、ヨコヨコの値幅がその時のATRの1.6倍以下になります。
レクタングルの条件としてはなかなか厳しいため、それほど多く描画はされませんが、誰が見ても文句のないレベルのヨコヨコを判定してくれます。
実際の例
SM ACME rectangleを利用してレンジを判断し、その後の動きを検証すると、大きく3つのパターンに分かれることが判明しました。
- レンジ ⇒ エクスパンション ⇒ トレンド
- レンジ ⇒ トレンド
- レンジ ⇒ エクスパンション
①は正にForex Master Patternですね。
実際にこのパターンが一番多いです。
②はエクスパンションを挟まずに、そのままレンジブレイクとなるケースです。
③はレンジ後に上下をブレイクするエクスパンションになるも、そのまま値幅広めのレンジが続く流れです。
では、それぞれについてご紹介していきます。
レンジ⇒エクスパンション⇒トレンド
Forex Master Patterの動きです。
インジケーターを利用して過去の相場で検証すると、確かにレンジ後に目立った上下(エクスパンション)を経てから明確なトレンドになることが多く見受けられました。
類似のパターンもご覧ください。
レンジ⇒トレンド
相場に勢いがある場合は、レンジからエクスパンションを経ずにそのまま一気にブレイクしてトレンドに進むこともあります。
この場合だとある程度トレンドが進まないと「エクスパンションが省略されたパターンだ!」と分からないため、判断が難しいです。
レンジ⇒エクスパンション
所謂ダマシです。
レンジからエクスパンションになって上下の変動幅が大きくなるも、トレンドにはつながらず値幅の大きなヨコヨコの動きになるだけのパターンです。
Forex Master Patternを使ったエントリーポイント
では最後にForex Master Patternを使ったエントリーポイントをご紹介します。
マルチタイムフレーム分析を使う戦略で、4時間足がトレンド中である時に、15分足がエクスパンションで一時的に逆行したタイミングで仕掛けるトレンドフォロー手法です。
4時間足が明確なトレンド中であれば、15分足もその流れに従います。
その中でも、一時的にエクスパンションで逆に動いたところでトレンド方向に仕掛けてやれば、損小利大のエントリーが出来る・・・という理屈です。
実際のチャートでエントリーポイントの確認
では実際の例を見てみましょう。
下は先ほどの例でも出した4時間足チャートです。
この中で緑色の枠で囲ったトレンドの時だけでショートエントリーを仕掛けます。
そのために、トレンド前に「レンジ」⇒「エクスパンション」の流れをしっかりと経ている方が分かりやすく、勝率も高くなります。
逆に言えば、「エクスパンション」を経ていない場合はトレンドかどうか分かりにくいため見送ることをお勧めします。
4時間足のトレンドの個所を15分足で見ると以下のようになっていました。
まずはトレンド開始段階の15分足です。
相場はフラクタルですので、4時間足のトレンドの中にも15分足レベルのレンジ、エクスパンション、トレンドの流れが生まれます。
15分足レベルでレンジが発生し、エクスパンションで一時的に上げたところがショートエントリーポイントです。
4時間足が下降トレンド中ですので、15分足もその流れに従って下降トレンドが発生すると考えるのであれば、エクスパンションでショートするのが一番効率が良いです。
その後も更にチャンスがありました。
このように4時間足のトレンドが続く限り、15分足のエクスパンションでショートが可能です。
ただし、トレンドが続けば続くほど取れる値幅が小さくなり、勝率も徐々に下がりますので、出来れば4時間足のトレンドが始まった早い段階で仕掛けることをお勧めします。
最初のエントリーの基準としては4時間足がトレンドか否かを見極めるだけですので、複数の通貨ペアをパッと見るだけで「今日はチャンスがありそうかどうか」が簡単に分かるのが大きなメリットだと思います。
トレードできる日とそうでない日が明確に分かれますが、低リスクで大きなリワードが狙える手法です。
まとめ
今回はForex Master Patternについて解説しました。
改めて検証すると、確かに相場の値動きはレンジ⇒エクスパンション⇒トレンドとなっていることが多いです。
ただ、常にそうなっているわけでもないと思いますので、明確にこの流れを経てトレンドになっている時は、自信をもってトレンドフォローすると良いかと思います。
相場の値動きを理解する参考になりましたら幸いです。