今回はFairValue Gap(フェアバリューギャップ)について解説します。
見つけ方はシンプルながらも相場の値動きがよりクリアになる有料級の情報ですので、ぜひご覧ください。
FairValue Gapとはローソク足3本から導かれる「売りと買いがインバランスな価格帯」のことで、価格はFairValue Gapに磁石に引き寄せられるように動きます。
トレードをしている時に、何でここで止まって反転したんだ?と思うような価格はないでしょうか?
直近で特に目立ったサポレジがあるわけでは無いのに価格が止まる場合、FairValue Gapで反発していることが多いです。
本記事でご紹介するFairValue Gapを知ることで、今後吸い寄せられやすい価格帯が分かります。日本ではまだあまり知られていないプライスアクションですので参考になるはずです。
- Hidden Gap(ヒドゥンギャップ)
- Imbalance(インバランス)
本記事では呼び方をFairValue Gapとして統一し、略称としてFVGとして表記します。
FVGについて解説した動画もあります。
Contents
FairValue Gapの定義
FairValue Gapの定義は以下の通りです。
ローソク足3本のうち、真ん中の足の値幅の中で左右の足と被っていない価格帯がFairValue Gapとなります。とてもシンプルで、誰でも無裁量で分かるのが大きなメリットです。
3本のローソク足について、陽線陰線の組み合わせには決まりはありませんが、FairValue Gapの特性上、真ん中の足の実体は必然的に大きなものになる傾向があります。(実体が大きいほど効果も高い)
FVGはFX、株式、商品などの銘柄や時間足に関わらず、どんなチャートにも見られます。
FVGを探してみよう!
下のチャートはユーロ円1時間足です。
この中にどれだけFVGがあるでしょうか?じっくりとチャートを見て考えてみてください。
正解は以下の水色の価格帯になります。
6か所ありました。
全部見つけられたでしょうか?
FVGは3つのローソク足から構成されますが、目立ったFVGは、それほど出現頻度は多くはありません。
また、構成的に真ん中の足が目立って大きな陽線や陰線になることが多いことや、左右の足と価格がオーバーラップしないことが定義となるため、レンジ相場での出現は極めて少なく、トレンド相場の中で出現しやすいです。
つまり、直近の値動きでFVGが出現しているかどうかを見るだけで、現在の相場が横ばいのレンジなのかどうかも分かります。
FairValue Gapの特徴
FVGには以下のような特徴があります。
FairValue Gapの特徴
- FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
- 引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい
- FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす
それぞれについて解説していきます。
FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
FairValue Gapは別名「Hidden Gap」とも呼ばれます。
「隠れた窓」という言葉の意味の通り、FairValue Gapが生じると、その価格帯に引き寄せられる力が働きます。
これは「窓は埋まりやすい」という理屈と同じですね。
FairValue Gapに引き寄せられた後にどのような動きをするかはその時の相場次第ですが、まずはこの特徴を頭に入れて置いてください。
引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい
価格はFVGに引き寄せられますが、トレンド中であれば引き寄せられたFVGが押し目や戻りとなり、そこから再度トレンド方向に進みやすい傾向にあります。
このチャートでは、大きな下落時に生じたFVGまで戻して、再度下落しています。
FVGはトレンドの押し目や戻りの到達地点として考えることが出来るのです!
これはトレンドフォローをする上で非常に重要な情報となります。
以下の2枚のチャートを見てもトレンド中にFVGに引き寄せられた後は、トレンド方向に反発しやすい傾向があるのが分かるかと思います。
FVGをトレード戦略の一つとして利用する場合は、この特徴が大事になります。
波の高値や安値を見るだけでは分からないサポレジゾーンが、FVGによって明らかになるのであれば使わない手はないと思います。
FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす
FVGが生じたら、その後は高確率で埋められることになります。
埋められる前はサポレジゾーンとして有効に機能するものの、一度完全に埋められるとその効果はなくなります。これもFVGの大きな特徴です。
しかし、非常に面白いことに、FVGを埋めた足自身がFVGを生じさせたり、FVGを埋めた後にそれと近い価格帯で再度FVGが生じたり・・・といった現象がよく見られます。
FVGは一度埋められるとその効力を無くしますが、埋めた足やその付近の価格帯でFVGが生じて、結果としてFVGが続くこともあるのです。
下のGif動画は、通常のチャートと、その中でFVGが生じたローソク足を消したチャートが切り替わるようにしています。
スカスカな価格帯が見えてきませんか?
これは、FVGが生じた価格帯は、再度FVGを生じさせやすい傾向にあることを示しています。
他のチャートも見ていましょう。
空白の価格帯が目立ちますよね。
FVGが出た価格帯はその後もFVGになることも多く、もっと言えばFVGの生じた大きな足の出現した価格帯は、その後も大きなローソク足が出現しやすいと言えます。
とても興味深い動きだと思います。
FairValue Gapのまとめ
今回FairValue Gapの定義とその特徴について解説しました。
再度その特徴についてまとめます。
FairValue Gapの特徴
- FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
- 引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい
- FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす
FVGはローソク足たった3本から構成される概念なのに、価格が引き寄せられてトレンドの押し目や戻りになったり、埋められた後に再度FVGを生じさせやすい・・・・など、とても不思議な印象を持たれたのではないかと思います。
実は相場がこのような特徴的な動きを見せるには理由があります。
次回はFVGの構造について解説し、なぜFVGがこのような動きを見せるのかについて考察していきたいと思います。本記事を読む中で生じた様々な疑問が解消され、トレードプランも浮かび上がることでしょう。
FVGはまだ日本人の間では知られていない概念です。
私も約5年前にFVGの存在を知った時は大きな感銘を受けて、それからトレードで利用して大きな利益を出しています。
次回の記事は以下をご覧ください。
FVGを表示するインジケーターは以下をご覧ください。