今回はFairValue Gap(FVG)を利用したローソク足パターンをご紹介します。
FVGは相場が勢いよく動いた後に出現する価格帯ですが、FVGが出来た直後に、それを否定するようなローソク足パターンが出たらどうなるのか?という疑問がわきました。
この疑問を解消すべく、色々なインジケーターを作成して調査した所、なかなか面白いパターンであることが分かりました。
シンプルながらも新たな発見がありましたので是非ご覧ください。
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FVG+包み足のパターン
今回検証したパターンは以下のような動きになります。
- 左側の売りパターンでは、まずFVGが出現し、FVGの出た次の足をすっぽりと包み込む陰線が出現したらショートエントリー
- 右側の買いパターンでは、まずFVGが出現し、FVGの出た次の足をすっぽりと包む陽線が出現したらロングエントリー
勢いのある動きを示すFVGが出た後に、それを否定する包み足が出たらどうなるか?ということです。
FVGを完全に埋めて、そのまま包み足の方向に進むのか?それともFVGあたりで反発するのか?
相反するパターンが出た場合、どちらが優勢に働くのでしょうか?
FVG⁺包み足を認識するインジケーターを作成して検証
ということで、FVG出現後に、逆方向の包み足が出たらサインの出るインジケーターを作成しました。
直近のドル円のチャートに表示させたのでサインの例をご覧ください。
ドル円5分足
まずはドル円5分足に表示させたチャートをご覧ください。
全体として、包み足の出た方向(サインの方向)に価格が動いているのが分かります。
つまりは、FVGの勢いが包み足によってかき消される傾向が強いということですね。
これは非常に興味深い発見だと思います。
ただ、足が小さくレンジっぽい局面ではダマシっぽいサインになってはいます。
それでも5分足レベルでこの精度を出せるのは優秀と言えます。
ドル円1時間足
次にドル円1時間足に表示させたチャートをご覧ください。
作成したインジケーターは、上のチャートのように包み足が確定した時点で前のFVGを完全に埋めていてもサインが出ます。(FVGを埋めていなくてもサインは出ます)
1時間足でも5分足と同様に良いサインになっていることが多いですね。
まとめ
今回はふと思いついたFVG+包み足のパターンについてインジケーターを作成して調査してみました。
このパターンの傾向としては、FVGの方向よりは包み足の方向へ進みやすいことが分かりました。
しかもサインを見る限り、通常の包み足よりも精度が高いように思えます。
トレンドの勢いを示すFVGとそれを否定する包み足が組み合わさると、包み足の信頼度が上がる、という事でした。
また、今回作成したインジケーターは包み足が確定した時点でFVGを埋めていても、埋めていなくてもサインが出るようにしていますが、FVGを埋めていない包み足だけにサインを出すようにもしてみました。
その条件であっても、同じような傾向が得られました。
トレンドフォロー用にフィルタリングする
FVG+包み足のサインは、相場の頂点や底でサインが出ることが多いですが、やはり勢いのあるトレンドからの逆張りサインになるとダマシも出てしまいます。
そこでトレンド方向にのみサインが出るようにフィルタリングしてみました。
フィルタリング条件は、シンプルに100EMAで行いました。
100EMAより上に価格があればロングサインのみ出現、下にあればショートサインのみ出現という条件です。
以下に複数の通貨ペア・時間足のサインについて、直近のチャートを掲載します。
全体としてサインを洗練することが出来ました。
ただ一方で、トレンドの天底を取れるような派手なシグナルを捨ててしまうことになりましたので、その点が少し残念ではありますが、それは精度とのトレードオフですね。
FVG+包み足パターンの使用例
最後にFVG+包み足パターンの使用例についてご紹介します。
①包み足の方向へエントリー
まずはパターンが出たら包み足の方向へエントリーする、というのがベストな使い方です。
ただ、多くのケースで包み足確定後、多少の戻りがあることが多いです。(包み足にFVGが生じないようにする動きが出やすい)
そのため、足確定ですぐにエントリーではなくて、次の足の形成段階で少し反転して戻って来たタイミングで入ることで、リスクを抑えてエントリーすることができます。
ただ、このパターンも負けやすい状況があります。
それは、横ばいの流れの中でパターンが出現した時です。
こういった時は多くのローソク足パターンが機能しません。
特にFVG+包み足パターンは少し目立った高値や安値で出現した時の方が精度が高いです。
完全にダマシなら逆ブレイクでエントリー
FVG+包み足のパターンで面白いのが、サイン点灯後に全くその方向に進まずに、早いタイミングで逆方向にブレイクしてきた時です。
こういった時は、素直にFVG方向へブレイクすることが多いです。
特にしっかりとしたトレンドが出ている時は信頼性が上がります。
FVG+包み足は、普通の包み足より使える!
今回はFVGと包み足を組み合わせたパターンについて検証してみました。
このアイディアが浮かんだ時に、「一体どっちに動くんだ?」と自分でもワクワクしながらインジケーターを作成したのですが、結果としては後に出た包み足の方向に相場が動きやすいことが分かりました。
なかなか面白い傾向が得られたと思いますので、ぜひチャート分析の参考にしてみてください。
今回作成したインジケーターが欲しい方は以下をご覧ください。