SMCの考案者のICTがロビンスカップで90%以上の資金を失った件について

本記事では、スマートマネーコンセプトの考案者であるICT(Michael Huddlestone氏)が、2024年のロビンスカップで91%の損失を出している件についてまとめます。

ICTは常日頃から「相場のアルゴリズムを理解している」といった自信あふれる発言と、それに裏付けされた説得力ある相場解説で世界中で高い人気と知名度を誇りますが、その実力をロビンスカップで証明することはできなかったようです。

この点について、多くのICTアンチ系のYouTuberが動画にしています。
今回はそれらを参考にしつつ、ICTとスマートマネーコンセプトについてどう考えていけばいいか私の考えを述べていきます。

予め言っておくと、私自身はスマートマネーコンセプト自体は相場を理解する上で優れた相場分析方法だと思っていますが、その考案者であるICTについては以前から疑惑の目で見ていました。

そのため、ICT(人)とSMC(手法)は別のものとして考えています。

 本記事では、ICTに関して不都合な意見が多くあります。
ICTを崇拝する方は閲覧しないことを推奨します。

ICT=Michael J.Huddlestone氏について

ICTは、スマートマネーコンセプトの考案者です。
2024年10月時点で彼のYouTubeチャンネル登録者数146万人、Xのフォロワー57万人の超有名トレーダーでもあります。

彼はそれまでに存在した相場分析方法と、「スマートマネー」が相場を操作しているという仮説、そして彼自身の理論を上手く組み合わせて、非常に説得力のある手法を公開しました。それがスマートマネーコンセプト(SMC)です。

元々の性格なのかキャラ付けなのかは分かりませんが、ICTは「自分は相場のアルゴリズムを理解している」といった発言や、他のトレーダーを挑発するような発言も多く、カルトともいえる信奉者だけでなく多くのアンチも抱えています。

こういった彼のキャラクターもICTの知名度を上げていることは間違いないでしょう。

後述しますが、ICTについては様々な嘘が暴かれています。

ロビンスカップについて

ロビンスカップ(正式名称はWorld Cup Trading Championships)は1983年に創設されたトレーディングのワールドカップ・チャンピオンシップです。

世界中から卓越した技術を持つトレーダーが集まり、1年間かけてリアルマネーで取引して、どれだけ資産が増えたかを競います。

トレーダーにとってロビンスカップで入賞することは、世界トップレベルのトレーディング技術を持つことの証明であり、高い信頼と尊敬を得ることができます。

世界的に有名なトレーダーで、日本でも多くの書籍を出しているラリー・ウィリアムズは、1987年のロビンスカップで優勝した実績があります。

彼はこの年に11,376%という圧倒的なリターンを叩き出しました。
この数字は40年近く経った現在でも破られていない金字塔です。

ラリーはこの時に資金管理方法として、複利で資金を最大限に伸ばせるケリーの公式を利用したそうです。

また、ラリーの娘であるミシェル・ウィリアムズ(女優)も1997年、17歳の時に父から学んだ手法で年間1000%のリターンを出して優勝しています。(年間1000%のリターンも歴代4位の実績です。)

ちなみに、ラリーは「Inner Circle workshop Seminar」というものを開催しており、ICTの名前はこれを参考にしたもののようです。

ICTとロビンスカップについて

ロビンスカップに参加して好成績を収めることが出来れば、トレーダーとしての信頼性が上がるのは言うまでもありません。

しかし、トレーディングを競技とすることで、本来であれば自分との戦いの割合の強いトレードが、他のライバルの成績も考慮する必要性が出てきます。こういったことがトレード自体の成績に悪影響を及ぼす可能性もあります。

競技とは別に自身の「仕事としてのいつものトレード」もやった場合、負担も大きくなります。

そのため、トレードの実力を証明するために、ロビンスカップに絶対参加しないといけないわけではないと私は考えています。他にも色々な形で証明できますし、ICTの解説だけでも、十分すぎるほどの証明になるとなるでしょうから・・・。

しか自信家のICTはロビンスカップに参加することに並々ならぬ情熱を持って発言します。

2017年のロビンズカップに挑戦して優勝できなければ自分は詐欺師だ

2017年にICTはこう発言しました。
しかし、その挑戦は失敗に終わりました。

「今週は体調が悪い」「マーケットの読みが難しい」などの言い訳を添えて・・・。

これ以降も「次は成功する」と宣言しますが、過去4回失敗しています。

そして挑戦が果たされない度にXのアカウントや発言部分を削除するなどの行動を見せています。

2024年もロビンスカップに参加

2024年もICTはロビンスカップに参加することを高らかに宣言します。

これまでで最高の記録的なリターンを達成してチャンピオンになる。
2024年の12月までに11592%のリターンを叩き出す。

最終取引日にはラリー・ウィリアムズの記録を(あえて)下回って終える。この取引についてはライブ配信する。

この発言には多くのフォロワーが狂喜します。

そして2月7日、ICTは本当にロビンスカップに参戦。
最初の取引をライブ配信して成功させます。

それから3月の始めには「アカウントを開示して全ての取引を公開する」と公言するも、以降は音沙汰はありませんでした。

そして10月1日に配信された動画内で、ロビンスカップ用の10,000ドルの口座資金が900ドルに減ったことを認めました。

動画はYouTube以外では再生できないため、YouTubeからご覧ください。

ICT 2024 Mentorship \ Limit Orders & Volatility Pinball Drills \ October 01, 2024

900ドルに減った話は3時間37分あたりからになります。

動画内で、彼はあくまでも「お金を意図的に減らした」と主張しています。

これはICTのアンチとして数々の動画をアップしている「Vinnie Emini(アイコンが前田日明に似ている)」などへの挑発の一環だそうで、あえて口座資金を減らすことで、彼らがICTに勝てると見越して参戦してくることを誘った・・・という理屈のようです。

残念ながらアンチは誰も挑発には乗らず、ICTは「本当に腕があるのなら出てきて証明してほしかったが、結局は言い訳をして出てこなかった」としてアンチを嘲笑しています。

そして、ICTは「自分は復活できる自信がある」とも語り、「最も低い状態からでも回復する実力がある」とし、また再挑戦する意欲を見せています。

これは厳しすぎるような言い訳で、負け惜しみにしか聞こえないのは私だけはないでしょう。

実際にこの件について多くのICTアンチのYouTuberがこぞって批判し、「全く意味が通らない」「トレードコンペティションで故意に口座を減らす理由がわからない」と述べています。

確かに他のトレーダーを誘い出すために意図して自分の口座資金を減らすなんてことをやる意味が分かりません。

そんなことはせずに、宣言通り11000%以上の利益をロビンスカップで叩き出せば、アンチも含めて誰もが彼の実力を信用するようになるでしょうから・・・。

ICTへの批判

これまでご紹介してきたように、ロビンスカップ関連以外でもICTは自身を誇張して発言することが多く、それが批判の的になっています。

ここではICTに対する批判の一部をご紹介します。

資産750万ドルだが・・・

ICTが自身の資産を「750万ドル」と主張しているが、有志によって彼が実際に住んでいる場所や生活水準が明らかにされ、彼の主張が虚偽であることが暴露されています。

ICTは「裕福で成功したトレーダー」として、豪華な車などを公開していますが、実際には小さな家に住み、車もリースであることが私立探偵によって確認されています。

かつてICTのメンターシップに参加していた人によると、ICTは「財産や贅沢な車は見せない!」と公言していたそうですが、突如見せびらかすようになったようです。

アルゴリズムを完全に理解しているはずなのに・・・

ICTは相場のアルゴリズムを完全に理解していると主張しています。

しかし、ICTのライブトレードでは、彼が連敗するたびに言い訳を繰り返しています。

例えば「自分のストップロスが公にされることで、それを狙ってマーケットが操作される」と主張しますが、「市場のアルゴリズムを理解している」と豪語する人物が、自分の負けを市場の操作のせいにするのは矛盾していないでしょうか?

 

家族も有能なトレーダー?

ICTは「エニグマ」と呼ばれる特別な手法を家族のみに教えているそうです。

その結果としてICTの息子たちは「成功したトレーダー」であるとされていますが、実際にはそのような成功は確認されていません。むしろ息子もトレードコンペに挑戦したものの失敗したという事実が確認されているようです。

 

話が長く曖昧

ICTの動画は非常に冗長で無駄や自慢が多いのが特徴です。

例えば、5分で説明できるコンセプトが40〜50分に及ぶこともあります。この点は別にアンチではなくても同意してもらえるでしょう。

また、非常に多くの考え方やエントリーモデルを解説するあまり、「結局どれでエントリーしたらいいのか分からない」という批判もあります。

 

自己中心的なナルシシズム

とあるメンターシップの生徒によると、「自分の指導方法が唯一正しい」とする支配的な態度を取ることが多々あったようです。

また、自分を批判したり、疑問を持ったりする人々に対して攻撃的な行動を取ることもあったようです。例えば、元生徒が彼に批判的な意見を述べると、それを裏切りとみなし、その人やその家族に対して脅迫を行ったとされています。

 

ICTカルト的な人気

ICTは多くの熱心な支持者に支えられており、その「カルト的な人気」によって批判の声を封じ込めてきた経歴があります。

彼の「自分こそがマーケットのアルゴリズムを理解している」といった自信満々な発言、批判者に対する挑発、そして斬新な手法・・・・。
これらが上手く調和して、信者と言っても良いレベルの支持者を多く集めています。

ICTは、自分の手法を批判する者を攻撃し、フォロワーたちには自分の言葉を信じるよう主張します。
彼のフォロワーたちは、彼の手法に対して盲目的に信頼を寄せており、他の意見や批判を受け入れない姿勢が見られます。

しかし、2024年のRobins Cupでの失敗や、数々の矛盾が表面化する中で、彼への信仰心が試されているのが現状です。

忌み嫌われるICT信者

信者の一部は、ICTの解説を聖典のように取扱い、他のトレーダーをバカにしたり、攻撃します。

自分とは違う解釈をする人がいると「お前は全然わかっていない」といったマウントを取ります。同じSMCの手法であっても、トレードの優位性よりもICTに忠実であるかどうかの方を優先します。

ICT信者にとっては、「相場には絶対の解釈方法があって、それこそがICT」という考えなので、「相場には絶対の解釈は無く、勝てるのであれば自分なりのやり方でも良い」という考えとは相容れないのです。

こういったこともあって、ICTを神のようにあがめるICT信者も忌み嫌われる存在になっており、それが一部のトレーダーがICT/SMCアレルギーを発症する要因ともなっています。

 

ICTとMilkの類似点


ここまで記事を書いてきて、ICTとmilkには多くの共通点があることに気づきました。

milkとは日本人のトレーダーで、過去に年6億稼いだと豪語して有料の勉強会を始めるも、様々なウソがばれて最終的には自殺した人のことです。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

両者の共通点として以下のようなものが挙げられます。

  • 並みのトレーダーでは稼げないほどのお金を稼いだと主張する(証明はされない)
  • 解釈の幅の広い裁量トレード手法を解説
  • 自分のやり方こそが至高であり、他のトレーダーはクソと主張して信じ込ませる
  • 批判者を徹底して攻撃
  • 自分のやり方を信じろ!信じろ!と洗脳

milk氏の方は、嘘がバレたら自殺という最悪の手段を取ってしまいましたが、ICTの方はそんな批判も無理矢理押し返してきた感じでしょうか。

こんなmilk氏に対して、元勉強会の参加者さんは「詐欺師としてもやり通すことができないメンタルのアマチュア」と非難されていました。

ICTの方が比較にならないほどに強いメンタルの持ち主であることは言うまでもありません。

ICTの手法は使えないのか?

ICTは2022年頃から世界中で爆発的に人気が高まりました。

それに伴って多くの批判や暴露が出てくるわけですが、その矛先は主にICTの人間性に向けられることが多いものの、手法に対しても少なからず存在します。

よくあるのが「元々あった手法をリパッケージしたもの」といった批判ですが、個人的にはICTの手法(SMC)自体は非常に有効で、検証して自分にとって使えそうな部分があれば積極的に採用して良いと思っています。

もちろんSMCは複雑で多くのことを学ぶ必要があり、多くの時間という貴重なリソースを費やす必要がありますが、その価値はあると思います。

ただ、ICTの解説する手法や考え方は多岐にわたるため、全てを理解する必要はありません。基本的なことを学んで、あとは自分で過去検証して自分なりのやり方に昇華する方が早く望んだ結果が得られるでしょう。

ICTの人格と彼が生み出したスマートマネーコンセプトという手法は切り離して考えたほうが良いと私は考えています。

今回参考にしたYouTubeチャンネル

最後に今回の記事を書くにあたって参考にしたYouTubeチャンネルをご紹介します。

 

 

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