今回はオーダーブロックとFVGでのエントリーについて比較・考察します。
SMCのエントリーポイントとして利用される価格帯としてオーダーブロック(OB)とFairvalue Gap(FVG)の大きく2種類があります。
当サイトでもOBとFVGからのエントリーする手法について解説していますが、FVGで入るのとOBで入るのはどちらが良いのでしょうか?
また、相場の状況によってFVGで入る方が良い、もしくはOBの方が良いというものがあるのでしょうか?
今回は両者について比較しながら私の考えについてまとめていきます。
Contents
FairValue Gapについて
当サイトをよくご覧の方はすでにご存じかとは思いますが、FVGは以下のような3本の足で構成される価格帯です。
FVGは市場における注文の不均衡を示しています。
例えば上昇のFVGの価格帯は、短期間で非常に多くの買いが入って相場が大きく動いており、不均衡が生じています。
その結果、FVGの価格帯の中にある買い注文は残されたままになりますので、価格が再度FVGに戻してきたところで反発する可能性が高くなります。
これらから、FVGについては以下のような特徴を持ちます。
FairValue Gapの特徴
- FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする(Liquidityがあるため)
- 引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい(内部の注文が発動するため)
- FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす(内部の注文が全て消化されたため)
FVGからの反転を狙う手法としては以下のものがあります。
オーダーブロックについて
オーダーブロックは、スマートマネーが相場を大きく動かす前に形成する価格帯のことです。
具体的には相場のスイングの高値を付けた陽線の価格帯、もしくは相場のスイングの安値を付けた陰線の価格帯のことを言います。
オーダーブロックの価格帯はスマートマネーが仕掛けた価格帯と解釈できますので、ここまで戻してくると強い反発が期待できます。
私自身はこの解説に加えて、FVGの位置やヒゲ、上位足・下位足を加味してOBを決めています。
オーダーブロックのメカニズム
例えば下の画像のような保合いのレンジ相場があったとします。
レンジの上下にはそれぞれ多くの売り注文と買い注文が溜まっています。
ここでスマートマネーが大量の買いを入れたいと考えています。
しかし、レンジ内で一気に買いを入れると、価格が大きく上昇して平均取得単価も上がってしまいます。
これをできるだけ避けるために、スマートマネーは最初にショートを入れてレンジの下限を下にブレイクさせます。
こうすることで、レンジ下にあった大量の売り注文が発動して流動性が一気に高まり価格も下落します。
この相場が急落しているところでスマートマネーが一気に買いを入れます。
すると、下げが止まって価格が上昇に転じます。
これが所謂ストップ狩り(Stop Hunt、Liquidity Sweep)と呼ばれる現象です。
スマートマネーは市場参加者のLiquidityを上手く利用して、ポジションを取っているわけです。
ここで下げ止まって反転したことを確信した他のトレーダーも追従することで価格は更に上昇します。
この値動きの中でスマートマネーがストップ狩りを仕掛けた辺りの足の値幅がオーダーブロックになります。
オーダーブロックの価格帯はスマートマネーがショートを仕込んだ価格帯です。
価格が上昇後もショートポジションを持ったままですので、いつかは決済してやる必要があります。
その決済するタイミングこそが、価格が再度オーダーブロックに戻ってきた時です。
このタイミングでスマートマネーがショートポジションを決済すれば、ほぼ建値決済となります。
ショートポジションの決済=買い注文となりますので、オーダーブロックまで戻した時に再度上昇の動きを見せることになります。
この上昇の動きに乗るのがオーダーブロックでのエントリーの根拠になります。
OBエントリー VS FVGエントリー
SMCではOBでのエントリーとFVGでのエントリーの2種類があります。
両者のエントリーポイントは以下のようになります。
OBエントリー
FVGエントリー
OBもFVGも反発しやすい価格帯で、それを狙うのは理にかなっていると言えますが、ここで注目したいのが、「OBエントリーの多くが、FVGを抜けた後のエントリーになる」という点です。
つまりはFVGでのエントリーは早いタイミング、OBでのエントリーは遅いタイミング(待ちに待って)と言えます。
ではどちらのエントリーをすべきなのでしょうか?
事前にFVGのみで反転することが分かっているのであれば、FVGからの反転でエントリーすれば良いのですが、それを正確に当てるのは非常に難しいです。
そこでFVGでエントリーするのはどうでしょうか?
この場合、OBまで到達せずに反発する動きでもしっかりとエントリーできますので機会損失も避けられますが、トレードで大切なリスクリワードが大きく下がってしまいます。
ではOBだけで入るのは?
OBだけの場合、OBに到達せずにFVGだけで反発する動きが取れません。
しかし、損切りにレートに限りなく引き付けて入れるので、高いリスクリワードが期待できます。
どちらが絶対に正しいということはありません。
「好みに合わせてエントリーすれば良い」というのが正解になります。
OBで反発するかFVGで反発するかを見極めるポイント
「好みに合わせてエントリーすれば良い」と書きましたが、参考までに、FVGで反発しやすい局面とOBで反発しやすい局面について解説します。
FVGエントリーが望ましい局面
FVGでの反発を狙う手法としては、Silver BulletやJudas Swingがあります。
これらの手法に共通するのは、「特定の時間帯に生じるLiquidityをSweepして反転して来る動きを狙う」です。
以下はSilver Bulletの例です。
Liquidity Sweep後に勢いよく反転する動きの中に生じるFVGを利用します。
このことから、Liquidity Sweep後の勢いある反転を狙う場合はFVGでエントリーする方が良いかと思います。(もちろんOBまでオーバーシュートするまで待つのも有りだと思います。)
また、FVGエントリーについては、上位足もそれなりに意識はするものの、比較的小さなスイング判断の中でやっていくことが多いように思います。(それほど多くの利益を狙わず、ポジション保有も短い)
OBエントリーが望ましい局面
FVGよりもOBまで待って狙いたい局面は、しっかりとMarket Structure、liquidity等を分析した中で、トレンドの押し目買いや戻り売りになるポイントです。
トレーダーにもよると思いますが、それなりに大きな相場のスイングを取ったり、出来るだけ低リスクでエントリーしたい場合に向いています。
OBエントリーは古い?
スマートマネーコンセプトと言えば「オーダーブロック」が定番でしたが、SMCの総本家であるICTの解説では、最近はOBの話は少なくなり、FVGエントリーが多くなっている、という指摘があります。
これは決してOBでのエントリーがダメになったとか効率が良くないという意味ではなく、「ICT側の都合によるものだろう」と、とある海外のSMCトレーダーは考察しています。
その理由はOBエントリーの難しさとFVGの取り組みやすさ、解説のしやすさです。
元々有名だったICTが更に知名度を上げたのが2022年です。
この年は、ICTがFVGについてフォーカスした考え方について多く解説していた年でした。
FVGは誰にでも「見えて」、効果を確認しやすい価格帯です。
加えて、エントリーする時間帯を限定しつつもトレードチャンスもそれなりにある手法が世界的に受けたのは間違いないでしょう。
その一方でOBのエントリーは難解です。
しっかりとMarket Structureを読んで分析して、待ちに待って仕掛けるやり方は、慣れるまでの試行錯誤が必要ですし、それほどエントリーチャンスはありません。
これら2つのやり方を比較した中で、より「キャッチー」で解説もしやすくて、フォロワーも喜ぶFVGを主軸とした短期トレードメインに解説が寄ってくるのは必然なのかもしれません。
まとめ
今回解説したFVGエントリーとOBエントリーについてまとめると以下のようになります。
FVGエントリー
| OBエントリー
|
両者それぞれにメリット・デメリットがあります。
個人的にはOBエントリーの方が好きですが、より積極的に入っていきたい方はFVGを活用するのも良いと思います。
また、FVGはLiquidity Sweep後に勢いよく反転する動きを取る時に使われることが多いですので、この点も頭に入れておかれると良いでしょう。
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