効率的な資金管理、複利運用を考えよう

今回は、複利運用を中心について考えていきたいと思います。

投資やトレードでは、「いつどのタイミングで仕掛けて、どこで決済するか
ということが話題の中心になりやすいですが、一緒に考えてあげたいのが資金管理です。

具体的に言えば、
いつどのタイミングで資金の○○%をトレードリスクとして仕掛けて、どこで決済するか
です。

これに、増し玉やトレイリングストップ、段階的な利食いの概念を追加すると、より複雑なトレードルールが出来上がります。

チャートは2次元の世界で、縦軸の価格レートと横軸の時間から成り立っています。
これに資金管理の概念も追加してやると、戦略の幅も広がり、収益の機会も大きく変わってくるのです。

資金管理方法については大きく単利と複利があります。
それぞれの資金の伸び方について知ることで、今後どちらの戦略で取引するか?が分かると思います。

複利運用とは

複利運用を簡単に言えば、トレードで得た利益を元手に加えて再投資していくことです。

口座資金が増えるに従って1回のトレードロットサイズも増えていきますので、雪だるま式にお金が増えていきます。

複利運用の対義語として、単利運用があります。
これは、トレードの利益を再投資に回さないシンプルなやり方です。

資金管理シミュレーションをやってみよう!

複利運用と単利運用とどちらが効率がいいのか?
これを検証するために、わかりやすいシミュレーションをしてみましょう。

シミュレーションとして、勝率50%、損益率1.5のトレードルールで、取引を100回続けた場合の資金の変動を複利運用と単利運用で比較します。

このトレードルールは言うまでもなく期待値のあるルールですから、それなりの利益が見込めるはずです。

今回は、エクセルのランダム機能を使って取引100回を1セットとして、これを10セット行い、各々のセットについて下の条件1.2の資金管理ルールにおける資金の変動をグラフ化しました。

条件1(複利運用)

100万円を投資資金とし、1回の取引で投資資金の10%をトレードリスクとして取引する。利益は再投資するものとする。

勝率50%、損益率1.5のトレードルールのため、勝てば資金の0.15倍分貰え、負ければ0.1倍分減ることになる。

条件2(単利運用)

100万円を投資資金とし、1回の取引で10万円をトレードリスクとして取引する。
利益は再投資に回さず、常に10万円を賭ける。

勝率50%、損益率1.5のトレードルールのため勝てば15万円貰え、負ければ10万円失うものとなる。

結果

トレード100回分を10セット行った時の推移の資金変動をグラフに示すと以下のようになりました。

kachi1

全体として複利運用の方の伸びが大きいことがわかります。
このグラフは目盛りを対数にしていますのでわかりにくいですが、一番資金が増えているところでは5000万円を超えています。

各セットについて、100回トレードした後の複利運用と単利運用の資金を比較すると以下のグラフになります。

kachi3

ほとんどのセットで複利運用の方が多くの資金を稼いでいますね。
10セット分の平均を出すと、複利運用が1122万円、単利運用が365万円でした。

以上から、複利運用の方が資金を大きく伸ばせると言えます。

  ただしこれはトレード手法に優位性がある場合です。
どんなに優れた資金管理であっても、トレード手法に優位性が無ければ、プラスに持っていくことは出来ません。

逆に優位性の無いルールではどうなるか?

優位性のあるトレードルールで取引した場合は、複利運用の方が圧倒的に資金の伸びがいいことが分かりました。

では逆に優位性の無い、期待値がマイナスのルールではどうなるでしょうか?

再びシミュレーションとして、勝率50%、損益率0.8のトレードルールで、取引を100回続けた場合の資金の変動を複利運用と単利運用で比較しました。

今回も取引100回を10セット行い、下の条件1、2の資金管理ルールにおける資金の変動をグラフ化しました。

■条件1(複利運用)

100万円を投資資金とし、1回の取引で投資資金の10%をトレードリスクとして
取引する。利益は再投資するものとする。
このルールの場合、勝てば資金の0.08倍分貰え、負ければ0.1倍分減ることになる。

■条件2(単利運用)

100万円を投資資金とし、1回の取引で10万円をトレードリスクとして取引する。
利益は再投資に回さず、常に10万円を賭ける。
つまり、勝てば8万円貰え、負ければ10万円失うものとなる。

結果

トレード100回分を10セット行った時の推移の資金変動をグラフに示すと以下のようになりました。

make1

負のエッジがあるだけあって、資金が右肩下がりです。
ここで複利運用の方を注意してみてみると、資金の減り方が途中から小さくなっており、資金がゼロになっていないことに気づくはずです。
なぜなら複利運用では、資金が減るとリスクも減少するルールになっているからです。

しかし単利運用の方では大きくマイナスになっているものもあります。
借金してもお金が足りません(笑)

各セットについて、100回トレードした後の複利運用と単利運用の資金を比較すると以下のグラフになります。

make2

10セット分の平均を出すと、複利運用が約29万円、単利運用が-18万円でした。
どのセットでも殆ど破産に近い結果ですが、複利運用の方がまだ資金は残ります。

まとめ

今回の記事では、単利運用と複利運用について比較しました。

複利運用のメリットは大きく2つあります。

複利運用のメリット
・手法に優位性があれば、単利と比較して大きい利益が見込める。
・手法に優位性がなくても、お金がゼロ以下にはならない。

資金が多ければ多くのリスクを取り、逆に少なければ小さなリスクを取るやり方ですから、攻守ともに優れた戦略と言えるでしょう。

しかし複利運用はメリットだらけかと言うと、そうではありません。

資金が増えてくるとその分動く金額が大きくなってストレスが大きくなります。
また、エッジがゼロの場合は単利よりも劣る場合が出てきます。

例えば、勝率50%で損益率1.0のルールで100万円の資金でリスク10%で運用したとします。
これで奇数回は勝って、偶数回は負けたとすると、資金の推移は以下の様になります。

元本:100万円
1回目(勝ち):110万円
2回目(負け):99万円
3回目(勝ち):108.9万円
4回目(負け):98万円

単利運用ならば、勝って負けての繰り返しなら結局は元本が残ります。
一方で複利運用だとこれだけでは資金がジリ貧のマイナスになるのです。

複利運用をする際は、くれぐれもエッジがしっかりとあることを確認して実行するようにしてください。

また、複利の効果を最大限に発揮する資金管理法(ケリーの公式)については以下をご覧ください。

 

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