今回は、「週足の高値や安値をつけやすいのは何曜日なのか?」について検証して統計を出しましたので、その結果を報告したいと思います。
最近、とあるスマートマネーコンセプトに関する海外の資料を読んでいたら、「火曜日と水曜日は大きな流れが切り替わりやすい傾向にあり、週の高値や安値となることが多い」といったことが記載されていました。
これが本当であれば、火曜日と水曜日の値動きの中で、大きくトレンドが進んだところで逆張りをしてやれば、大きな利益が期待できると言えます。
そこで過去のチャートから、各曜日で週足の高値と安値を付けた数がどれだけあるのかを調べ、統計を出してみました。加えて、週足関係なく相場のスイングの頂点になるのは何曜日が多いのか?についても併せて検証しました。
ではご覧ください。
Contents
週足の高値や安値をつけやすい曜日について
検証の目的と条件
週足の高値や安値を付けた足は何曜日が多いのかを知るために、過去のチャートから週足の高値や安値を付けた曜日をカウントしていきます。
通貨ペアと検証期間は以下の通り。
- 検証通貨ペア:ドル円、ユーロドル
- 検証期間:2020年~2022年の3年間
検証方法について
検証の効率を高めるために、4時間足チャートに以下の2つのインジケーター使用しました。
「Day_of_Week_wDailyStyles_wBtn」は過去のチャート上に何曜日かをを示します。
「Bigger TF OHLC dvl BTE Button」は過去のチャートに上位足の高値や安値を表示します。今回は4時間足チャートに週足の高値と安値を表示させます。
上記の設定にすると、このようなチャートのようになります。
これだと週足の高値と安値に自動でラインが引かれているので、それにタッチした足の曜日を見るだけで、週足の高値と安値を付けた曜日がカウントできます。
このチャートで目視で検証しました(アナログ検証)
結果
では、ドル円とユーロドルそれぞれの結果について見ていきたいと思います。
ドル円
週足の高値を付けた回数 | 週足の安値を付けた回数 | |
月曜日 | 40回 | 50回 |
火曜日 | 30回 | 25回 |
水曜日 | 21回 | 23回 |
木曜日 | 27回 | 21回 |
金曜日 | 38回 | 37回 |
ドル円では週足の高値や安値を付けた回数は圧倒的に月曜日と金曜日が多かったです。
特に多かったのが月曜日が安値で金曜日が高値となるパターン(逆もあり)。思っていた以上に多かったです。
一方で火曜日~木曜日が週の高値や安値を付けるのは本当に少ない印象でした。
上記の表をグラフ化したのが下の画像です。
グラフ化するとより分かりやすいですね。
水曜日はFOMCを始めとした重要指標が発表されることが多いですが、それでも週足の高値や安値とはなりにくいようです。
つまり、週の中頃で大きな動きやトレンドが出たら、その勢いは続きやすく、その後も週内に価格が更新される可能性が高いと言えます。
ユーロドル
週足の高値を付けた回数 | 週足の安値を付けた回数 | |
月曜日 | 39回 | 51回 |
火曜日 | 27回 | 10回 |
水曜日 | 21回 | 25回 |
木曜日 | 38回 | 21回 |
金曜日 | 31回 | 49回 |
ユーロドルも数は少々違っても大まかな傾向としてはドル円と同じで、月曜日と金曜日に週の高値や安値が集中する傾向にあることが分かりました。
グラフをご覧ください。
やはりドル円と同じく、火曜日~木曜日は少なく、月曜日と金曜日が突出しています。
月曜日と金曜日は前後に休日があるため、大きく動く時とそうでない時の差が激しいイメージがありますが、実際に統計を取ってみると、週の高値と安値になりやすい傾向があったのは驚きでした。
まとめ
今回の検証の結果から週足の高値や安値になりやすいのは週の始めと終わりである月曜日と金曜日であることが分かりました。
一方で火曜日~木曜日は週の高値や安値になりにくく、その日の高値か安値は翌日以降に更新されやすい傾向があるようです。
これはスイングトレード等には非常に使える情報で、例えば水曜日に大きく上昇しても、翌日以降も伸びることを期待してポジションをホールドする・・・といった戦略を立てることもできます。
波の転換点となりやすい曜日について
先ほどの検証では、「必ずしも火曜日や水曜日が週足の高値や安値になりやすいわけではない」という結果になってしまいました・・・。
私が仕入れた情報はウソだったのでしょうか?
(こういったことがあるから、実際に検証しないといけないのです!)
しかし、週足の高値や安値にならなくても、それよりも小さなレベルで流れの転換になるポイントは沢山あります。
そこで次は4時間足レベルのスイングの転換点になった曜日をカウントして検証しました。ここで結果が大きく変わってきます。
検証の目的と条件
週足よりも小さな転換点となりやすい曜日をしるため、4時間足レベルのスイングの高値や安値を付けた曜日をカウントしていきます。
通貨ペアと検証期間は以下の通り。
- 検証通貨ペア:ドル円、ユーロドル
- 検証期間:2020年~2022年の3年間
先ほどの検証と同じ通貨ペア、検証期間になります。
検証方法について
4時間足レベルの「スイング」と言っても、スイングの認識方法は人によって異なってしまいますので、今回の検証ではMT4に最初から入っている「ZigZag」のデフォルトパラメーターの波を「スイング」として検証しました。
前述の「Day_of_Week_wDailyStyles_wBtn」と「ZigZag」を一緒に表示すると以下のようになります。
このチャートで、波の頂点や底を付けた曜日をカウントしていきます。
頂点や底を付けた数の多い曜日ほど、転換点になりやすいと言えます。
結果
曜日ごとに4時間足のスイングの頂点や底を付けた回数を測定した結果は以下のようになりました。
ドル円 | ユーロドル | |
月曜日 | 33回 | 45回 |
火曜日 | 59回 | 43回 |
水曜日 | 60回 | 58回 |
木曜日 | 46回 | 54回 |
金曜日 | 47回 | 56回 |
この検証では、なんとドル円とユーロドルの両方で水曜日に波の頂点や底を付けた回数が一番多い結果となりました。
表をグラフ化したものもご覧ください。
まず目につくのが月曜日の少なさですね。
月曜日に4時間足レベルの波の転換は少ないと言うことは、「月曜日は前週までの波の流れを引き継ぎやすい」と言えます。
月曜日は調整的な動きになることもありますが、4時間足レベルの波が変わるレベルではなく、あくまでも翌日以降へ波を引き継ぐ役割があると考えられます。
また、週足の高値と安値を付けた曜日とは異なり、こちらの検証では火曜日~木曜日にかけてのスイングハイ・スイングローを付ける回数がかなり多くなっています。
通貨ペア別に言えばドル円は火曜日と水曜日で転換点を作りやすく、ユーロドルは水曜日~金曜日にかけて転換点を作りやすいです。
特に水曜日について言えば、週足の高値や安値にはなりにくい一方で、4時間足レベルのスイングの転換点になることはそれなりに多く、それをデイトレ~スイングレベルで狙ってやると、大きな利益が期待できると言えます。
例えば、水曜日に4時間足レベルのオーダーブロックまで戻ってきた場合は、そこから反発する可能性が高いので積極的に狙っていく、という戦略です。
ただその時、週の高値や安値にあった場合は、翌日以降にブレイクする可能性もあると考えて、早めに利食いをするのが良いかも知れません。(4時間足レベルなので数時間保有するくらいなら問題ないと考えても良いでしょう)
今回の検証からの考察
今回の検証結果をまとめると以下のようになります。
- 週足の高値や安値をつけやすいのは月曜日と金曜日
- 火曜日~木曜日は週の高値や安値になりにくい
- 月曜日は4時間足レベルのスイングの頂点や底になりにくい
- 水曜日は4時間足レベルのスイングの頂点や底になりやすい
私が仕入れた情報である「火曜日と水曜日は大きな流れが切り替わりやすい傾向にあり、週の高値や安値となることが多い」は完全に正しかったわけではありませんでした。
前半部分の「火曜日と水曜日は大きな流れが切り替わりやすい」はドル円について言えば正しかったことになります。
特に水曜日について言えば、ドル円とユーロドルの両者で4時間足レベルのスイングの頂点や底になりやすい傾向があります。
この特性を組み合わせてSMCでトレードする場合、以下のような戦略が生まれます。
- 月曜日は前週のスイングの押し目や戻りを小さな時間足で狙っていく
- 火曜日~水曜日は押し目買い・戻り売り、逆張りの両方を狙う
- 1週間を通してトレンドが続いている場合は、金曜日もその方向に伸びる可能性が高いので、金曜日は押し目買い・戻り売りに徹する
これはあくまでも傾向ではありますが、トレードの優位性は傾向を組み合わせることでより強固になります。
今回の検証結果は、SMC利用者だけでなく、他の手法を採用している方に取っても参考になると思います。ぜひトレードにご活用ください。