前回、MT4を使った検証ツールであるTrade Trainerをレビューしたところ、様々な反響を頂きました。
その中で質問として多かったのは「Trade TrainerとワンクリックFXトレーニングMAXのどっちが良いの?」というもの。
どちらとも私がおススメする検証ツールですが、色々と違いがあります。
そこで今回の記事では、両者を細かく比較していきたいと思います。
Contents
Trade TrainerとワンクリックトレーニングMAXの比較
まずは両者について表で比較しましたのでご覧ください。
どちらとも機能が優れていますが、持っている機能に違いがあります。
また、Trade Trainerの価格は29,800円で、ワンクリックMAXは9,800円とその差は3倍程度違います。
ではTrade Trainerの性能がワンクリックMAXの3倍優れているかと言われたら、決してそうではありません。
しかし、ストラテジーテスターを利用しないTrade Trainerならではの機能もあり、それがどうしても「欲しい」と思われるのであれば、買う価値があるツールです。
では細かく比較していきます。
チャート操作の比較
スピード調節
■Trade Trainer
Trade Trainerはスピード調節はできません。(1段階のみ)
しかし、各時間足のパネルをクリックすることで、その時間足のローソク足を1本進めることができます。
そのため、自動で動くチャートを見ながら検証するというよりは、自分で指を動かしてチャートを進めながら検証していくスタイルになります。
■ワンクリックMAX
スピード調節可能です。
MT4のストラテジーテスターの調節に加えて、ワンクリックFX自体でも調節できますので速度調節は何パターンもあることになります。
チャートの巻き戻し
■Trade Trainer
ボタンクリックでローソク足をひとつ前の状態に戻せます。
チャートが進みすぎてしまった時には、巻き戻し機能で微調整できます。
■ワンクリックMAX
巻き戻すことはできません。
マルチタイム表示
■Trade Trainer
検証する通貨ペアを、複数の時間足でリアルタイムのように同時に動かしながら検証可能です。
■ワンクリックMAX
検証する通貨ペアを、複数の時間足で動かしながら検証可能です。
ただし、これは簡易的なモノで少し遅延が生じます。
動作速度を上げるほど遅延は大きくなります。
他通貨ペアの同時表示
■Trade Trainer
マルチタイム化と同様に、他の通貨ペアのどの時間足であってもリアルタイムのように動かせます。
■ワンクリックMAX
マルチタイム化と同様に簡易的ではありますが、他の通貨ペアの任意の時間足のチャートが動かせます。
発注機能の比較
■Trade Trainer
ポジション数については、ロット数の直接入力以外にリスク%の自動計算、リスク金額による自動計算に対応しています。
また、注文については指値・逆指値注文、利食い・損切りの決済注文、各ポジションごとの決済、一括決済が可能です。
また、ポジションが含み益状態のときに、損切り値を建値に移動できる「SL建値移動」も可能です。
■ワンクリックMAX
ポジション数については、ロット数の直接入力以外にリスク%の自動計算に対応しています。
また、注文については指値・逆指値注文、利食い・損切りの決済注文、各ポジションごとの決済、一括決済が可能です。
他にも様々なインジケーターを利用したトレイリングストップ機能や、シグナルツールを連携してエントリーする機能、ストップロスに到達したら自動でナンピンする機能など面白い機能も付いています。
トレードパネル
■Trade Trainer
MT4からは独立したウィンドウとなります。
多機能ですが、感覚的に操作しやすいパネルです。
指値などレートを指定する時は、マウスでラインを動かすだけでOKです。
■ワンクリックMAX
MT4のチャート内に表示されます。
これはメインチャートが分かりやすいメリットはありますが、独立したウィンドウのTrade Trainerと比べると誤作動が出やすいのがデメリットです。
こちらも指値などレートを指定する時は、マウスでラインを動かすだけですので、感覚的に利用はできます。
ただし、ワンクリックMAXは多機能で細かく設定できるため、操作方法を覚えておく方が良いと思います。
その他の機能の機能
チャート画像保存機能
■Trade Trainer
事前にスクリーンショットする範囲を決めておくと、ワンクリックでその時のチャート画像を保存できます。
複数のチャートを同時に表示している場合は全てが入るように指定しておくと、必要なチャートが全部一括で保存できます。
■ワンクリックMAX
エントリーや決済したタイミングで自動でその時のチャートが保存されます。
ただし、保存できるのはメインの時間足チャート1枚のみとなります。
検証終了後リプレイ機能
■Trade Trainer
リプレイ機能はありません。
■ワンクリックMAX
検証終了後に、それまで自分が行った売買を自動で再現します。
チャートの先が見えない状態の中で、自分がどんな取引をしたのかを客観的に見ることができます。
検証中のトレード履歴の確認
■Trade Trainer
それまでのトレード履歴や現在のポジション状況を一覧で見ることができます。
また、検証を終了していなくてもHTML形式やエクセル形式で取引について詳細な統計を出したファイルを出力できます。
■ワンクリックMAX
パネル内に1日ごとの取引の結果や集計結果を表示します。
保有中のポジションも確認可能です。
詳細な統計については、検証終了時のみに出力可能です。
結果の出力
■Trade Trainer
検証中であっても、HTMLやエクセル形式で統計を示すファイルを出力できます。
エクセルで出力すると、検証結果を更に細かく統計分析できますので、トレード結果を更に検証したい場合に重宝します。
■ワンクリックMAX
検証終了後にHTML形式で統計結果を出力できます。
経済指標の表示
■Trade Trainer
チャート上に指標の発表時間を表示できます。
パネルをクリックすると、指標についての詳細な情報が表示され、発表時間になるとその時のデータが表の中に表示されるようになります。
指標を意識したい場合に重宝する機能です。
■ワンクリックMAX
経済指標の表示には対応していません。
セーブ機能
■Trade Trainer
検証途中にMT4を終了しても、予め検証履歴を保存しておけば、再起動後に同じところから検証を再開できます。
再開時には、それまでのポジションやトレード結果、表示していたチャートの通貨ペア&時間足が反映されます。(ただし、インジケーターまでは再現されませんので、再度セットする必要があります)
■ワンクリックMAX
セーブ機能には対応していません。
検証途中でのMT4の再起動、検証終了後であっても、それまでの検証を引き継ぐことができません。
利用制限の比較
■Trade Trainer
購入後に送られてくるライセンスキーを入力する必要があります。
1つのライセンスキーでTrade Trainerを起動できるのはパソコン2台までです。
1台のパソコンに複数個MT4をインストールしている場合、それぞれのMT4で利用が可能です。
■ワンクリックMAX
購入時に登録したメールアドレスを入力する必要があります。
利用時にメールアドレスさえ入力すれば、利用できるMT4の数やパソコンの台数に制限はありません。
結局、どっちがいいのか?
ここまでTrade TrainerとワンクリックFXトレーニングMAXについて比較しました。
両者とも非常に優れた検証ツールであることに間違いはありません。
価格はTrade Trainerが3倍高いですが、全てにおいてTrade Trainerの方が優れているというわけでもありません。
これが「どっちが良いんだ?」と迷う要因になるわけですが、個人的には以下のように考えている方はTrade Trainerがおススメです。
- Forex Testerっぽい機能で、MT4のインジも使いたい
- チャートを巻き戻す機能は絶対に欲しい!
- 経済指標を意識したトレードの検証がしたい
- 長期間の検証をコツコツとやっていきたい(セーブ機能が欲しい)
上記のように考えておらず、コスパが良くて高機能なMT4用の検証ツールをお求めの方は、ワンクリックFXトレーニングMAXがおススメです。
まだ検証ツールを持っていない方は、どちらを購入しても満足できるとは思います。
検証ツール選びの参考になりましたら幸いです。