今回は5本のローソク足パターンである「Three Methods」をご紹介します。
これは、レンジからトレンド方向のブレイクアウトを狙えるパターンで、非常に効果が高いとされています。
本記事ではパターンを認識するインジケーターを作成して、その精度や傾向、使い方まで解説します。
高頻度で見られるパターンではありませんが、知っておくとトレードの引き出しが増えると思いますので、ぜひご覧ください。
Contents
Three Methodsの基本構造
Three Methodsのパターンは以下のようになります。
買いのパターンをRising Three Methods、売りのパターンをFalling Three Methodsと呼びます。
Three Methodsのパターン形成までの流れは以下の通りです。
- 1本目：大きな陽線/陰線が出る
- 2～4本目：1本目の値幅内に小さな調整の足が続く
- 5本目：1本目の高値を実体で上抜ける陽線/安値を実体で下抜ける陰線が出る（トレンド継続の確定）
エントリーは5本目の足が確定したポイントで行い、損切は5本目の安値/高値、もしくは1本目の安値/高値に置きます。
Three Methodsは、明確なトレンドの中で生じた一時的な反転が失敗に終わったことを示すパターンです。
最大のポイントは、「ローソク足3本分の時間を使っても、1本目の勢いを止められなかった」という事実を視覚的に確認できることにあります。
つまり、「まだまだ1本目の方向へ進む可能性が高い」と教えてくれるトレンド継続のパターンになります。
なぜ「スリーメソッド」なのか？
「Three Methods」は5本のローソク足から形成されるパターンですが、名前は「スリーメソッド」です。
これはローソク足の「真ん中の3本」に焦点を当てたネーミングです。
つまり、中間の3本のローソク足が「調整・停滞」であることを表すものであり、3つの足でトレンドの勢いを止めようとしたけど失敗した、という意味からスリーメソッドとなっています。
ボリュームと組み合わせて勝率アップ
Rising/Falling Three Methodsのパターンは上記の通りですが、これに加えて最後の5本目の足のボリュームも一緒に加味してやることで勝率を高めることができます。
具体的には、5本目の足のボリュームが、2本目～4本目までの足のボリュームよりも大きいほど成功率が上がります。
チャート例を基に解説していきます。
大きなボリュームの例
これは5本目のボリュームが大きい例です。
矢印が付いているのが5本目で、その時のボリュームを前3本分と比較しても目立って大きくなっています。
加えて5本目の足は上ヒゲが短く実体も大きいため、理想的なパターンと言えます。
小さなボリュームの例
矢印の付いた5本目の足のボリュームを見ると、2本目の足よりも少ないことが分かります。
また、足自体を見ても実体が小さくヒゲが目立っており、パターンの信頼性が低いことを示しています。
このようにボリュームも一緒に加えてみることで、精度を高めることができます。
実際のチャートThree Methodsで確認
Three Methodsを認識するインジケーターを作成しましたのでサイン例をご覧ください。
作成したインジケーターは以下から利用できます。
日足
ドル円
ユーロドル
ゴールド
4時間足
ドル円
ユーロドル
ゴールド
1時間足
ドル円
ユーロドル
ゴールド
Three Methodsの発生頻度は少なめ
日足から1時間足にかけて、ドル円、ユーロドル、ゴールドについて直近にサインの出たチャートを掲載しました。
全体としてサインの精度は悪くありませんが、サインの出る頻度は少ないです。
例えばドル円では直近のサインが2022年の7月となっており、もう3年近くパターンが出ていないことになります。
時間足を4時間足、1時間足としていくと、比較的最近のサインも見られるようになりますので、トレードで使うのであればこの辺がベストかと思います。
ただし、時間足を小さくすると、その分だけダマシが多くなります。
これは他のローソク足パターン系と比べても、ダマシが多くなる傾向が明確に見られますのでご注意ください。
実際のトレードでの使用例
Three Methodsのパターンをどうやってトレードで使っていくかについて解説します。
1.パターン成立でエントリー
一番の基本はパターン成立でエントリーです。
1本目と5本目が実体の大きな陽線/陰線の場合は積極的に入ることをお勧めします。
損切については1本目の安値/高値、もしくは5本目の安値/高値のどちらかに置きます。
そして利食いについては、このパターンでは大きく伸びることもあるものの、ローソク足数本進んだら反転するケースも良く見られます。
特にある程度トレンドが進んだ後にパターンが成立した場合はこの傾向が強いのでご注意ください。
2.上位足でパータン成立→下位足に切り替える
4時間足や1時間足でパターン成立となったら、より小さな時間足に切り替えてピンポイントで狙う戦略です。
このパターンが出た場合は、その方向へ進む可能性が高いと考えて、下位足でリスクを限定して細かくエントリーします。
例えば、下の1時間足チャートでは買いサインが出ています。
これを5分足に切り替えると以下のようになっています。
縦線の個所が1時間足でパターンが成立して足が確定したポイントです。
5分足レベルではしっかりとした上昇トレンドになっています。
その後、価格が20EMAまで押して反発したタイミングでエントリーすると、多くの利益が得られたことになります。
これは一例で、下位足でトレンドフォロー手法と組み合わせると良いでしょう。
そのため、下位足で狙う場合も浅めの押し目や戻りからの反発でエントリーすることをお勧めします。
まとめ
Three Methodsは、トレンドが今後も続くかどうかを示してくれる非常に有効なローソク足パターンです。
このパターンは、1本目の足に続く3本が「はらまれ」、5本目の足でブレイクして成立となります。
どの時間足でも見られますが、できれば1時間足以上で利用することをお勧めします。
本記事で作成したインジケーターは以下で配布しています。
興味のある方は使ってみてください。
