大ヒットFX検証ツールである裁量トレード練習君プレミアムの進化版の「裁量トレード練習君プレミアム2」をレビューします。
これは過去のチャートを動かしながら仮想トレードが出来るツールで、手法や技術の優位性を確認しつつトレード経験も積める、トレーダーにとっては必須と言っても良いツールです。
裁量トレード練習君はこれまでにも幾度となくバージョンアップをしてきましたが、新たに「練習君プレミアム2」となり、「MT4のストラテジーテスターを利用しないタイプ」の検証ツールに進化しました。
練習君2となったことで、多くのトレーダーが待ち望んでいた様々な機能が追加されています。
そこで今回は裁量トレード練習君プレミアム2で出来ることや進化のポイント、そしてメリットやデメリットについてまとめていきます。
セールスレターだけでは分からない細かいところまでご紹介していきますので、検証ツールや練習君2を購入しようかと考えている方はぜひご覧ください。
細かい粗が目立ちすぎて、ストレスが溜まります。今後のバージョンアップでの改善を期待します。
Contents
裁量トレード練習君とは
裁量トレード練習君はMT4を利用するFX検証ツールの代名詞と言えるほどの存在で、初代は10年以上前にリリースされています。
初代販売時は、マルチタイムで過去のチャートを動かせることが画期的で、当サイトからも非常に多くの方が購入されています。
練習君を利用することで、MT4で過去のチャートをリアルタイムのように動かしながら検証できるのが大きなメリットです。
今回、練習君プレミアム2に進化したことで、「ストラテジーテスターを使うタイプ」から「ストラテジーテスターを使わないタイプ」に変更となりました。
MT4を使う検証ツールの多くがストラテジーテスターを利用します。
この場合、巻き戻しが出来ない、途中で中断できないなどの制約が生じます。
しかし、ストラテジーテスターを使わないタイプになると、これらのデメリットが全て解消できます。
練習君2もストラテジーテスターを使わないタイプになったことで新たな機能が追加されています。
MT4裁量トレード練習君プレミアム2の特徴と進化のポイント
MT4裁量トレード練習君プレミアム2の特徴についてまとめます。
太字はプレミアム2になって追加された機能です。
(実際に私が利用した感想については記事後半をご覧ください)
- MT4のインジが使用できる
- チャートの動く速度を変更できる
- 複数の時間足でチャートを動かせる
- 他の通貨ペアのチャートも動かせる
- チャートが巻き戻せる
- 指値注文やOCO注文等が可能
- 経済指標が表示可能
- ForexDogの破産の確率が見れる
- 検証途中でもトレード履歴や保有ポジションを確認可能
- エントリー&エグジット時に自動でチャート画像を保存
- MT4を再起動しても前回やめた所からスタートできるセーブ機能
- 他のユーザーと成績が比較できるランキング機能
練習君2になって、機能が大量に追加されていることが分かります。
これは完全な形で上位互換となっており、正統進化と言っても良いレベルです。
機能としては同じストラテジーテスターを使わないタイプのTrade Trainerと競合しており、価格も同じ29800円です。
裁量トレード練習君プレミアム2で検証を開始する手順
練習君2で検証を開始するまでの流れをご紹介します。
購入後にダウンロードしたファイルをクリックしてインストールすると、以下のようなショートカットキーがデスクトップ上に作成されますので、クリックします。
以下のような表示が出ます。
購入した時のメールアドレスを入れて認証ボタンをクリックします。
ここで注意してもらいたいのが、MT4を1個だけ起動して認証を押さないといけない点です。同時に複数のMT4を起動している方は、1つだけ残してあとは消しておく必要があります。
事前に組表示用に保存しておくことをお勧めします。(コレ大事)
認証後は、以下のような表示が出て、検証条件を設定していきます。
ここで検証開始日や終了日、口座残高、そして表示する通貨ペアと時間足を選択していきます。
「取引通貨」がメインとなる通貨ペア・時間軸で、加えて参考通貨1~3として、上位時間軸や他の通貨ペアが同時表示できます。
最大で4つのチャートを表示して同時に動かすことができますが、事前に利用するチャートのヒストリカルデータがMT4内に無いと利用できませんのでご注意ください。
設定が完了したら、「検証開始」ボタンをクリックしてスタートします。
前回保存した所から続けたい場合は、「保存ファイルの読み込み」をクリックして保存データを読み込みます。
操作パネルと指定したチャートが出てきますので、操作パネルを使って仮想トレードをしていきます。
操作パネルについて
練習君プレミアム2の操作パネルは以下のようになっています。
チャートからは独立していますので、好きな場所に移動できますし、サイズも変更できます。
このパネルでロット数を指定したり、各種エントリーをします。
中央にあるのはForex Dogの破産の確率の表で、これまでのトレード履歴から破産する確率がどれくらいあるのかを示します。
下半分のOpen Tradesでは現在保有中のポジションを一覧で示します。
リアルタイムでの損益の変化まで見えますし、ここから決済注文を出すことも可能です。
全体として見やすく、使いやすくまとまっています。
ちょっと複雑そうに見えるかもしれませんが、使っていくうちに慣れると思います。
MT4裁量トレード練習君プレミアム2機能について
ではここからは裁量トレード練習君プレミアム2の機能について詳しくご紹介していきます。
MT4のインジが使えて、最大で4つのチャートで同時に動かせる
練習君プレミアム2ではメインの通貨ペア・時間軸チャートに加えて、3つのチャートが同時に動かせます。3つのチャートは通貨ペア、時間軸問わず好みのものを選択可能です。
また、MT4を利用しますので、MT4で使えるインジケーターも表示できます。
これこそがMT4を使うタイプの検証ツールの大きな強みです。
様々な注文方法に対応
練習君プレミアム2ではロット数指定、もしくはリスク値指定でロット調節が可能です。
またエントリーについては成行と指値の両方が利用出来て、それぞれについて利食いと損切りの注文が入れられます。
これらは注文後にも自由に変更出来て便利です。
ForexDogの破産確率(FDRP)の表示
Forex Dogの破産確率(FDRP)とは、バルサラの破産確率を改良したものです。
バルサラの破産確率で求めるリスクリワードレシオは、平均利益と平均損失ですが、この場合だとポジション保有中に生じる最大の含み損は考慮されていません。
そこで、FDRPではポジションを取ってから決済までの最大含み益と最大含み損を利用して破産の確率を求めます。
こうすることで、潜在的なリスクもしっかりと把握したうえで、「どれくらいの破産の確率があるのか」を知ることができます。
ここではトレード結果の3pipsではなく、最大含み益の+10pipsと最大含み損の-20pipsを使います。
この機能は他にはない非常にユニークなものでで、トレードのパフォーマンスを知る一つの指標として参考になります。
破産確率がゼロ、もしくは限りなく低いことが分かれば、自信を持ってリアルトレードに移ることが出来るでしょう。
リアルタイムでトレード履歴の確認が出来る
練習君2では検証の途中であっても、それまでのトレード結果を統計で出すことができます。
出力できるのはHTML形式のみで、資産の推移のグラフも一緒に表示されます。
ストラテジーテスターを使うタイプだと、必ず検証を終了させないと出力できませんが、検証途中でそれまでの推移を確認できるのは便利です。
自動でチャート画像を保存
設定の最初で「自動スクリーンショット」を有効にしておくと、ポジションを取った時と決済した時に自動でその時のチャート画像を保存してくれます。
チャート画像は「MQL4⇒Files⇒MT4_IMG」の中に入っており、操作パネルからも確認することができます。
この機能は検証終了後に再度トレードポイントを確認する際に重宝すると思います。
画像サイズは固定でファイル形式はbmpです。
セーブ機能
検証の途中で疲れてしまった時は、それまでの検証データを保存すれば、次回は続きから検証が再スタートできます。
この機能も非常に便利で、例えば長期間にわたって検証する時などは毎日少しずつ検証してデータを溜めていくことも可能です。
その他
巻き戻し機能、経済指標カレンダー機能が有りますが、これはデメリットの方に記述します。
裁量トレード練習君プレミアム2のデメリット
練習君の特徴や利点について書きましたので、今度はデメリットについてまとめていきます。
- 利用する際はパソコン上でMT4を1つだけ稼働している必要がある
- 利用する時にはそれまでに表示していたMT4内のチャートは全部消える
- 巻き戻しが出来ない
- 経済指標が表示されない
- 動作がもっさり
- ランキング機能って意味ある?
今後のバージョンアップで解消される可能性が高いものもありますが、現時点でのデメリットとして記載します。
利用する際はパソコン上でMT4を1つだけ稼働している必要がある
練習君2を利用するためには、パソコン上に1つだけMT4を稼働させる必要があります。
普段MT4をあまり使わない方や1つだけしか使わない方にとっては問題ありませんが、MT4のヘビーユーザーで常に複数のMT4を同時に稼働している人にとっては、毎回1つだけMT4を残して、あとは消していくのが面倒に感じると思います。
また、1つのMT4しか稼働できないため、MT4でリアルタイムのチャートを監視しながら、その待ち時間に検証することが難しくなる点もデメリットになるでしょう。
利用する時にはそれまでに表示していたMT4内のチャートは全部消える
練習君2を利用すると、MT4でそれまでに表示していたチャートは全て消去されます。
チャートのインジケーターや設定、サイズなどにこだわりがある方は、事前にテンプレート化したり、組表示を保存しておかれると良いでしょう。
もしくは、練習君2専用のMT4を事前に準備されることを強くお勧めします。
巻き戻しが出来ない
練習君2の進化のポイントとして「チャートの巻き戻しが出来る」というものがありますが、残念ながら実質的に利用できません・・・。
操作パネル上に巻き戻しのボタンはあるものの、それを押すと、かなり前のチャートに戻ってしまうのです。(私の場合)
下のGif動画では、2024年の1月3日の時点で巻き戻しのボタンを1回だけクリックしていますが、なんと2023年の12月22日の時点まで一気に戻っています。
通常の巻き戻し機能とは、足を1本前に戻すのが普通ですが、これは飛びすぎです。
また、再度巻き戻すボタンを押すと、今度は何も起きなくなります。
これで「巻き戻し機能付き」とは言えないでしょう。
非常にガッカリしたポイントです。
経済指標が表示されない
練習君2では、経済指標カレンダーの表示や、指標発表の時間をチャート上に表示する機能が付いているとされていますが、現時点では何も表示されません。
たまーに指標カレンダーに指標名が出ることもありますが、前回の値や予測値等は表示されませんし、私が利用した限りではチャート上に指標の時間を示すラインが出ることはありませんでした。
これもアップデートで何とかしてほしいものです。
動作がもっさり
練習君2でチャートを4枚同時表示して、インジケーターも追加すると動作がかなりモッサリします。
チャートの動く速度を上げても大して変わらず、それでいて一気に足が数本飛んだり・・・と動作に不満を感じます。
場合によっては、検証を始める前の設定段階から動作が重い時もあって、こういったストレスが徐々に積み重なって「コレを使うのは面倒だなぁ・・・」と思うようになります。
動作が軽いに越したことはありません。
ランキング機能って意味ある?
練習君2には、ユーザー同士で検証結果を競える「ランキング機能」があります。
リアルトレード結果を競うランキング機能であれば面白いかも知れませんが、将来が分かっているチャートを利用した検証結果で他のトレーダーと競っても何の意味もありません。
検証中に他チャートソフトで同じ通貨ペアのチャートを開いて、それを見ながら検証していけば、誰でも簡単に勝率100%の結果が出せます。
こんな機能を付けるくらいなら、もう少しツール全体の性能を上げてほしいと思います。
まとめ
今回は裁量トレード練習君プレミアム2についてレビューしました。
セールスレーターを見ると、超スゴイ機能が満載で、確かに機能は追加されてはいるものの、一部は機能しないという残念な仕上がりになっています。
特に巻き戻し機能の不完全さ、経済指標の表示不具合、動作の重さは致命的に感じます。
これらの問題点は、特に高度な機能を求めるトレーダーや、スムーズな操作を期待するユーザーからは敬遠される要素になるでしょう。
結論として、裁量トレード練習君プレミアム2は、一定の進化を遂げた有望なツールでありながら、現時点では全てのトレーダーに推奨できる状態ではありません。
特にデメリットに挙げた点については、今後のバージョンアップでの改善に期待したいところです。将来的にこれらの問題が解決されれば、より多くのトレーダーにとって価値あるツールになるでしょう。
当時のバージョンは1.31でしたが、残念ながらその時点でも巻き戻し機能や経済指標は機能していませんでした。
この記事を受けて、担当者様から詳しい説明を頂きました。
今後は、多少時間はかかるものの、しっかりと改善を行っていくとのことで、今後の練習君プレミアム2の本格的な進化に期待したいところです。
本記事は、練習君2の改善に伴って記事を追記していく予定です。
同じMT4を使わないタイプの検証ツールであれば現状ではトレードトレーナーの方が断然オススメです。
詳しくは以下をご覧ください。