勝ち組トレーダーが知っている!プロスペクト理論を打破するトレードの極意

トレードで勝つためには優位性のある手法が必要!

・・・ですが、そのほかにも、

  • 確率的思考法
  • 自分自身をを客観視できること
  • 損失を甘受する心
  • トレードルールを守れる忍耐力

など、安定して勝つためには様々な要素が必要になります。
上記は、一般的にメンタルと呼ばれるものですね。

さて、トレーダーにとってメンタルが重要だと言われる根拠として、プロスペクト理論が挙げられます。プロスペクト理論を簡単に言えば、「なぜ人は、思うままにトレードしていたら負けてしまうのか?」について解説した理論のことです。

市場参加者の中で負けている人の割合は約8割~9割と言われています。
ここまで負け組の割合が高い理由は、多くのトレーダーがプロスペクト理論の呪縛から逃れられないこが大きな要因なのです。

そこで今回はプロスペクト理論とプロスペクト理論の飼い馴らし方、克服方法について分かりやすく解説します。

プロスペクト理論を学ぶことは、負け組の思考を学ぶことと同意です。
プロスペクト理論を理解できればすぐに勝ち組になれるほど簡単ではありません。そもそもプロスペクト理論を知っている人であっても、人間の本能として君臨するプロスペクト理論に容易に流されてしまっていることが多いのが現実です。

しかし、プロスペクト理論を知れば、多くのトレーダーが負ける意味が分かります。そして、少数派の勝ち組がどのようにして勝っているかも見えてくるはずです。

損失の感情の方が強いことを証明したプロスペクト理論

プロスペクト理論は前述の通り「なぜ思うままにトレードしていたら負けてしまうのか?」を論理的に解説した行動経済学の中の一つの理論です。

ダニエル・カーネマンとエイモス・ドベルスキーの二人が1979年に提唱し、2002年にプロスペクト理論が認められてダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞を受賞しています。(エイモス・ドベルスキーは1996年に死去していたため、ノーベル賞を受賞できませんでした。)

プロスペクト理論では、人間は全く同じ金額であっても、損失の方に精神面に大きな影響を受け、結果的に苦痛を避けるために損失を先延ばしにする傾向があるとされています。

あなたが国から10万円給付される場合と、10万円を強制的に徴収される場合を想像してみてください。

10万円給付されるときの喜びよりも、10万円徴収される場合の辛さや怒りの方が感情の動きは大きいのではないでしょうか?

また、ポジション保有中に含み損が出てきた時に、「損切りをして損失を確定したくない」と思って損切りせずにそのまま放置した経験はありませんか?

そして含み損が大きくなってくると、徐々に含み損があることに「慣れて」しまって、妙な心地よさと言うか、希望と期待しか残っていない残念な状況に追い込まれたことは?

これらは全てプロスペクト理論で解説できるのです。

図解!プロスペクト理論

人間は合理的ではありません。
利益が出た時の喜びよりも、損失が出た時の苦しみの方が強い感情となります。その結果、損失を嫌い、損失を回避する傾向にあるのです。

これらをグラフにすると以下のようになります。

グラフから分かるのは以下の2点です。

  • 同じ金額であっても、損失額の方がメンタルに大きな影響を与える
  • 損失が出始めた時が苦痛の角度が一番強く、損失が大きく膨らむほど苦痛の増加は低減する

それでは詳しく解説していきます。

同じ金額であっても、損失額の方がメンタルに大きな影響を与える

プロスペクト理論によると、例えばトレードで5万円の利益が出た時の喜びと、5万円の損失が出た時の苦痛(ガッカリ)を比べると、ガッカリの感情が強くなります。

1日の中でトレードを繰り返して、トータルでプラスマイナスゼロだった場合、どうも満足できない感情が残るのはコレが原因です。損益がプラマイゼロであっても、メンタルとしてはマイナスになっているからです。

他にも、負けが連続した際に感情的になって怒りで我を忘れてしまうのも、損失の苦痛が大きすぎることが要因であることが分かります。

逆に、トレードを繰り返して「負けてるな・・・」と思いながらもトータルの結果を見ると意外や意外、プラスだった・・・という経験はありませんか?これも損失の方が記憶に残りやすいプロスペクト理論によるものです。

損失が出始めた時が苦痛の角度が一番強く、損失が大きく膨らむほど苦痛の増加は低減する

損失が出ている時のグラフを見ると、損失が出始めた段階が一番苦痛の角度が大きくなります。
しかし、それから更に損失が大きくなっても、損失額に比例して苦痛が強くなるわけではありません。

つまり、20万円の損失が出ている時のガッカリは、5万円の損失が出ている時の4倍ほど大きくはならないということになります。

自分がグラフのAの状況にあることを想像して下さい。損切りできずに含み損が膨らんで、もう切るにも切れない状況です。

この状況下では、更に含み損が膨らんでも精神的な苦痛はそれほど大きくはなりませんが、相場がちょっと良い方向に動いて含み損が少しでも解消されると、相対的に非常に大きな喜びを感じることになります。

つまり、Aの状況から更に20万円の損失が増える苦痛よりも、含み損が10万円減る方が大きな喜びとなるのです。だからこそ、人は最悪の状況下で損切りが出来ずに、逆にナンピンを入れて更にリスクを取って含み損を減らそうとするのです。

プロスペクト理論は人間の本能である

プロスペクト理論は人間の本能です。
普通の生活をしていれば、特に大きなデメリットにはなりません。

むしろ進化の過程を考えれば、プロスペクト理論のおかげで最悪の状況下であっても果敢にリスクを取ってこれたことが、人間が繁栄できた大きな要因であるともいえるのです。

しかし、残念ながらマーケットの世界では、プロスペクト理論は極めて巨大な障害となって我々トレーダーの前に立ちはだかるのです。

プロスペクト理論をより深く理解するための設問

ある程度トレード経験がある方であれば、前項を読まれただけで、「うん、経験ある」と思ってもらえると思います。

ここでは、更にプロスペクト理論を理解するためにちょっとした質問をしていきます。あまり考えずに感覚的に選んでください。

質問
あなたはAとBのどちらを選択しますか?

A 100%の確率で100万円が手に入る

B 50%の確率で200万円が手に入るが、50%の確率で一銭も手に入らない

この質問では、多くの人がAを選択します。
期待値で見ればどちらも同じで100万円が得られるわけですが、人間は確実な利益や目先の快感を優先するためAを選ぶのです。

では、次の質問はどうでしょうか?

質問2
あなたは100万円の借金を抱えています。
取り立て業者から半ば脅されながら、2つの提案を受けました。どちらを受けますか?

A 100%の確率で借金が50万円に減額される

B 70%の確率で借金が全額免除されるが、30%の確率で借金が2倍になる(200万円の借金を負うことになる)

この質問については、多くの人がBを選びます。

確かに7割の確率で借金が全額免除されるのであれば、3割のリスクを取るのも有りかな?と考えたくなる気持ちもわかります。

しかし、期待値を計算してみると、Aは50万円の減額、Bは40万円の減額にしかなりません。つまり、Bを選択する方が期待値的には間違いなのに、多くの人が合理的な判断が出来ずにBを選んでしまうのです。

これは、人間は自分に分が悪い状態にある時は、リスクを過小評価する傾向にあるからです。合理的な判断ができずに、ギャンブルをしてしまうのです。

これら二つの質問からもわかるように、人間は利益については確実に得たい一方で、損失については先送り、もしくは不確実な要素に賭けたいと思う不合理さがあるのです。

人間はトレードで負けるのがデフォ

初心者がトレードを始めて、ずっと勝ち続けられる、といったことはまずありません。

ビギナーズラック後は、コツコツドカンを繰り返して意気消沈し、そのまま市場から去っていくのが新規参入者の6割以上ではないでしょうか?また、市場に残ったとしても勝てるようになる保証はありません。

FXで勝てない人の中には、一流企業勤務、医者などの難易度の高い資格が必要な職業に就いている人、会社経営者などもいます。

このような高所得者層は良い教育を受けており、理解力も高いはずです。それでも、FXで勝てない人は大勢います。これは、頭が良い悪いというよりは、本能に組み込まれたプロスペクト理論が邪魔をしているからなのです。

FXで勝ち組になるためにプロスペクト理論を克服する思考法!

プロスペクト理論の従ったままトレードをすれば、すぐに利益確定をする一方で、損切りを先延ばしにしてズルズルと損失を拡大させることになります。

これぞ正に初心者が陥るコツコツドカンで負けるトレードスタイルですね。

しかし、市場参加者の全てがコツコツドカンで負けているわけではありません。

トレードの勝ち組は、トレード手法の持つ期待値を信じて、時には大きく利食いを伸ばします。また、思ったように含み益が出ない時は早い段階で損切りします。

勝ち組は1回1回のトレードの勝ちや負けに焦点を当てず、トレードを何十回、何百回と繰り返した先にある利益を見据えてトレードをしています。だからこそ淡々とした取引が行えるのです。

勝てるトレード手法は沢山あります。しかし、次の動きをピタリと当てられる手法は存在しません。そもそも次の動きを当てようとする行為は、ルーレットやスロットでピタリと当てようとする行為です。これでは勝つのは難しいです。

その一方で、パチンコやカジノの胴元はゲームのルールから得られる、ちょっとした優位性を利用して、何度も何度も試行を繰り返すことで利益を出しています。時に客に勝たせることもありますが、トータルではしっかりと利益が得られるようになっているのです。

我々トレーダーも、パチンコやカジノの客ではなく、店側の立場でトレードをしていかなくてはいけません。統計を仲間にして、トータルで勝つことを主軸においてトレードしていけば、必然的に1回1回のトレード結果はどうでもよくなり、徐々にプロスペクト理論から距離を置くことが出来るようになります。

そして気づけばルールを守ることが当然、いや、ルールから外れたトレードをすることに嫌悪感を感じるようになるはずです。これが勝ち組になるための重要なステップです。

まとめ

今回はプロスペクト理論について詳しく解説しました。

プロスペクト理論から解放されるためには、

  • 長期的な視点でトレードを考えるようにする
  • 長期的な視点でトレード経験を積む

この二つが欠かせません。
要は慣れということになりますので、それまではトータルで勝つことを念頭に低ロットのトレードを続けていくことをお勧めしています。

これを実践していけば、人生を全く違った形に変えられるほどの大きなスキルが身につきます。

プロスペクト理論を知れば、きっと自分がどうすればいいのかが見えてくるはずです。

補足:プロスペクト理論の補足

プロスペクト理論にはいくつかの重要な概念があります

参照点

人々は利得や損失を絶対的な価値として評価するのではなく、ある参照点(比較基準)との相対的な差異として捉えます。

つまり、同じ金額の利得でも、現状より改善される場合と悪化する場合とでは、その価値の感じ方が異なります。

価値関数

この理論では、損失に対しては利得よりも強い反応(損失回避性)があるとされ、価値関数は参照点を基準にして右側(利得)よりも左側(損失)の方が急であると仮定されます。

つまり、損失の方が同額の利得よりも重く感じるのです。

確率の重み付け

人々は実際の確率を直接的には評価せず、低確率の事象を過大評価し、高確率の事象を過小評価する傾向があります。

これにより、確率に基づく期待値とは異なる選択をすることがあります。

プロスペクト理論の提唱以来、様々な実験や研究が行われ、人間の意思決定過程の複雑さと非合理性を浮き彫りにしています。理論の発展とともに、より洗練されたモデルが提案されており、人間の行動経済学における基礎理論の一つとして広く認知されています。

 

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