MT4には、ストラテジーテスターという機能が付いています。
元々はEAのバックテストをして、過去の相場でどれくらいの優位性があるのかを確認するための機能としてMT4に備わっていました。
しかし、ストラテジーテスターでは過去の相場の動き先が見えない形でをリアルタイムのように動かせる事から、裁量トレードの練習にも利用することができます。
現代においては、裁量トレードも過去の相場を動かして検証と練習をするのが基本です。
スマホで感覚だけでポチポチやっていても勝てるようになるわけがありません。
勝てるトレーダーのほぼ100%が過去の相場で長期間の検証をしています。自分の手法を熟知して使いこなせるようになっているから、トレードで利益が出せるのです。
そのため、検証・練習ツールは欠かせません。
そこで今回の記事では、
- MT4用のストラテジーテスターを使う検証ツール(ソフト)とは何か
- MT4検証ツールを使うメリット・デメリット
- 有料・無料のMT4用の検証&練習ツールにはどんなものがあるか
について解説していきます。
MT4初心者の方は是非ご覧ください。MT4を使った検証についての知識が大幅にアップします。
機能は限られますが全無料で出来ることも多いです。
Contents
MT4用のストラテジーテスターを利用する検証ツール(ソフト)とは?
MT4の機能の一つである「ストラテジーテスター」に検証ツールを入れて利用することで、過去の相場をリアルタイムのように動かしながら仮想売買をする事ができます。
百聞は一見に如かずですので、チャートを動かしている動画をご覧ください。
これは本記事後半でご紹介する「ワンクリックFXトレーニング」という検証ツールの動画です。
MT4には様々な検証ツールがありますが、基本的にはストラテジーテスターを利用することに違いはありませんので、チャートの動かし方などの操作方法はどれも同じになります。
ストラテジーテスターの設定画面は以下のようになります。
操作パネル上で通貨ペア、時間足、スプレッド、開始と終了期間、そして速度設定が可能です。
MT4とForex Testerとの違いについて
検証ツールとして有名なソフトにForex Testerシリーズがあります。
これは、MT4ではなくForex Testerという有料の検証専用ソフトを利用して過去の相場を動かします。
Forex TesterはMT4とは異なり、トレードの検証&練習をするために作られたソフトですので、検証ツールとしての性能や使いやすさにおいてはForex Testerの方に軍配が上がります。
しかし、MT4専用のカスタムインジケーターはForex Testerでは稼働しません。これが人によっては致命的なデメリットになります。
また、ソフト本体や詳細な価格データは有料になります。
そのため、
- 有料無料問わずネット上でダウンロードしたMT4用のインジケーターを使って検証したい
- できるだけお金をかけずに検証したい
と言う場合は、MT4の検証ツールを利用する方が良いでしょう。
私が様々なインジで試した限りでは、ex4ファイルは読み込めない、一部のmq4ファイルも読み込めない、コンバートできない、読み込めたとしても全てが表示されるわけではない、という状況です。あまり期待しない方が良いと思います。
FT4のコンバート機能の検証については、以下の記事を参考にしてください。
MT4用の検証ツールのメリットとデメリット
MT4用の検証ツールのメリット
- 土日でもトレードの練習ができる
- 速度調節ができるので、数時間で数週間・数ヶ月分のトレード練習ができる
- 裁量トレードの「裁量技術」を身につけられる
- 負けても失うものはない
- リアルトレードの見直しをする時に、相場の動きを再現できる
- 検証・練習結果がグラフやデータで表示される
- MT4で使えるインジなら表示させることができる
- いつもと同じチャートでトレードの練習ができる
MT4用の検証ツールを利用するメリットはかなり大きいです。
過去のチャートを実際に動かして練習できますので、後付け解釈なしで検証できます。
また、オフラインチャートを使用するため、相場が動いていない土日でも、ネット環境が無くても(価格データさえ入っていれば)検証可能です。
もう紙に印刷したチャートの右側を隠して検証する時代ではないのです。
MT4用の検証ツールのデメリット
- トレードのメンタルまでは鍛えられない
- 1分足スキャルをやる場合は注意が必要
検証ツールを使っても、リアルに口座資金が増減する時の精神状態までは再現するのは不可能です。
そのため、検証ツールで勝てるようになったとしても、必ずしもリアルでの勝ちを約束するものではないことを知っておきましょう。
しかし、自分のトレード手法について優位性を確認したり、自分の裁量技術を磨くという目的においては、やはり検証は必要であることは言うまでもありません。
また、MT4はティックの動きを再現できることにはなっていますが、それはあくまでもボリュームの数字を元にランダムに動かしているだけです。1分足トレードなどの小さい足で、ローソク足の確定を待たない形でエントリー&エグジットする手法の場合は再現度が落ちますので注意が必要です。
MT4用検証ツール紹介
それではMT4用の検証ツールをご紹介していきます。
MT4用の検証ツールは数多くありますが、ほとんどはストラテジーテスターを利用するため
- 速度調節方法
- 検証期間の指定方法
- 通貨ペア・スプレッドの指定方法
- 結果レポートの表示方法
などは共通しています。
検証ツールによって違うのは、注文方法の種類やエントリー&エグジットの操作パネル、そして複数の時間足が使えるかどうかになります。
有料のツールによっては、上記のことが出来て「凄い!」と主張するものもありますが、これらは当然レベルで可能なことです。
無料で使えるMT4の検証ツール(ソフト)
検証ツールは基本的には有料のものが多いですが、中には無料のものもあります。
無料ツールは、注文方法の数が少なかったり、マルチタイムに対応していなどの機能的な制限があります。しかし、とりあえずやってみたいと言う方はこちらから利用することをお勧めします。
Manual_Backtest
トレーダーでありプログラマーのロンドさんが開発されたツールです。
チャート上に注文パネルが表示されて、売り買いのボタンをクリックする事でエントリー&エグジットができます。
ロット調節、指値・逆指値注文といった最低限の操作に加えて、それまでの勝率やPFまでが分かりやすいイチに表示されます。
シンプルな機能ですが、感覚的に使える操作方法と分かりやすい日本語の解説が付いています。初めての方はManual_Backtestをオススメします。
ManualBacktest_v4
Forex Factory内で開発が進んでいるツールです。
英語のみの表示になりますが、ロット変更や指値・逆指値注文の他にも
- トレイリングストップ注文
- ロングポジションのみ決済
- ショートポジションのみ決済
- 指値注文や逆指値注文の削除
などの豊富な機能が備わっています。
正直なところ、下手な有料ツールよりも優秀です。残念な点としては操作パネルが大きいところでしょうか。
MBO_Binary_Options_Simulator
少し脱線しますが、バイナリー用の検証ツールもあります。
このツールは、元々リアルで動く相場でバイナリーオプションの練習をするためのMT4インジケーターです。
しかし、ここでご紹介している練習ツール(EA)を稼働させて、MBO_Binary_Options_Simulatorを表示させると、過去の動きの中でバイナリーオプションの練習ができます。
1回の賭け金やペイアウト率や判定時間の変更ができますので、バイナリーの練習に非常に役立つでしょう。
有料のMT4の検証ツール(ソフト)
と言うわけではありません。
上記の無料ツールで十分であれば有料ツールを購入する必要はありません。
ただし、有料ツールの中には使い勝手が良かったり、複数の時間足を同時に動かしながら検証出来る機能が付いているものもあります。
どうしてもマルチタイムで検証したい!と言う方は有料ツールを選択した方がいいでしょう。
ワンクリックFXトレーニングMAX
コスパが高く、機能性も豊富なトレード練習ツールです。
逆指値や各種テクニカルを利用したトレイリングストップなど様々な決済方法に対応しています。
他にも
- それまでのトレードを再現する「リプレイモード」
- 上位足や他の通貨ペアを同期させて表示できる機能
- パネルに勝率表示
- トレード画像の自動保存
- ブレイクイーブンを中心とした利食い・損切りレートの表示
- 自動ナンピン
・・・など、かなり充実した機能がそろっています。
価格も他の有料ツールと比べるとかなり安いため、私はこのワンクリックFXトレーニングMAXを一番オススメしています。
補足:指標の確認
トレードの検証をしていて、その日にあった指標についても気になることがあると思います。
そんな時に役立つのが「Back_to_the_Economic_Indicator」というインジです。
これをチャートにセットして、キーボードの「C」ボタンを押すだけで、ヒロセ通商のサイトに飛んで、その日あった指標の一覧を見ることができます。
指標を気にしながら検証する場合に大いに役立ちます。
ストラテジーテスターを利用しない検証ツール「Trade Trainer」
MT4を使った検証ツールでは、ストラテジーテスターを利用するものがほとんどですが、それを利用しないツールもあります。
それがTrade Trainerです。
これを簡単に言ってしまえば「Forex TesterとMT4の良いとこ取りをしたツール」です。
具体的には以下のような機能が付いています。
- MT4用のインジケーターが利用できる
- 複数の時間足を同時に動かせる
- 他の通貨ペアのチャートも同時に動かせる
- チャートの巻き戻し可能
- 様々な注文方法に対応
- その時の経済指標を表示
- パネル上でトレード履歴や保有ポジションを確認可能
- トレード結果をエクセルに出力
- 任意のチャートをスクリーンショット
- MT4を再起動しても前回と同じところから続けられるセーブ機能付き
- 最大2台のパソコンで利用可能
価格は29800円と高いですが、価格データも無料でダウンロードできるので追加費用は一切かかりません。
操作性も良く満足度も高いツールです。
裁量トレード練習君プレミアム2
裁量トレード練習君プレミアム2もストラテジーテスターを利用しないタイプの検証ツールです。
Trade Trainerと同じく一番の特徴はマルチタイムに対応しており、一度に4つの時間軸を同時に動かすことができます。複数の時間足を見ながらトレードする手法の場合は必須の機能と言ってもいいでしょう。
他にも基本的な注文方法に加えて、ロングやショートポジションの全決済、分割決済、指値注文の分割削除など使える注文方法が沢山揃っていますし、含み損分も加味したオリジナルの破産の確率をトレード練習中に確認することもできます。
ただし、動作の安定性が悪く、トータルの使いやすさを考えると、圧倒的にTrade Trainerの方に軍配が上がります。
MT4の検証ツールのまとめ
以上、MT4を使った検証ツールについての解説でした。
検証ツールは無料と有料のものがあり、最低限の検証であれば無料のツールで十分です。
しかし、こだわった注文方法をしたり、マルチタイムで大きな流れを見ながら検証したい場合は有料のツールが必要になってきます。
これさえあれば、ほとんどのトレード手法に対応できますので、どれか迷った際はワンクリックFXトレーニングMAXを選ぶといいでしょう。コスパ的にも機能的にも最強です。