今回はチャートパターンやハーモニックパターンといった、特定のパターンを認識するMT4インジケーターをまとめてご紹介します。
ダブルトップ、ダブルボトム、三尊、バタフライ、ガートレー222・・・と言ったパターンは、定期的にチャート上に出現します。
これらについて、シンプルなパターンであれば、目視で簡単に見つけることができますが、複雑になってくると探すことは困難になってきます。
更にパターンについては細かな決まりがあるわけではないため、人によって判定が違ってきたりします。
そのため、パターンを使った手法は、テクニカル分析の中でも特に主観的とされています。
しかしインジケーターを使うことで、主観的だった分析を客観的かつ無裁量で行うことが出来るようになりますし、過去の検証もしやすくなります。
もちろんインジケーターの種類やパラメーターによってその時に判定するパターンが違ってきたりもしますが、一つの補助として大いに役立つでしょう。
Contents
チャートパターンやハーモニックパターンについて
まずはチャートパターンやハーモニックパターンについて軽くおさらいします。
チャートパターンは「ダブルトップ、三尊、ウェッジ」と言ったもので、ハーモニックパターンは「バット、バタフライ、ガートレー」といったものになります。
これらはローソク足の動きから特定の型になっているもので、「プライスアクションパターン」とも言われています。
ピンバーや包み足のように足1本1本を細かく見るローソク足パターンとは異なり、チャートをより俯瞰して見ることが重要になります。
各プライスアクションパターンが完成すると「その後はこう動く」といったセオリーが決まっていますので、パターンが見えてきたら、仕掛けるポイントが見えてきていることになります。
チャートパターンの例
まずはチャートパターンについての例を画像でご紹介します。
クリックすると拡大します。
こちらは比較的有名なものが多いと思います。
ハーモニックパターンの例
次はハーモニックパターンの例です。
ハーモニックパターンについては、各波の大きさや比率が決まっています。
なかなか条件が厳しいものが多いですが、「非常に勝率が高い!!」と主張する人も多いです。
以下は海外のサイトが各パターンについて検証したものですが、どれも勝率が8割となったようです。(検証基準等は不明)
ハーモニックパターンはどこを基準にするかで色々と変わってきます。
そのため、検証結果は検証者によって大きく違うは留意しておくべきです。
これ以外にもハーモニックパターンはあると思いますが、私の理解と知識を超えているので、この程度にさせて頂きます。
パターン認識型のインジについて
パターン認識型のインジは、複雑になるほどMT4やPCに多くの負荷を与えます。
動作を軽くするために直近の値動きにのみパターンを認識するものも多く、過去の値動き全てについてパターンを表示するものは少ないです。
過去の値動きについて確認したい場合は、ストラテジーテスターを利用してチャートを動かしながらインジケーターを表示してやると分かりやすいです。
また、インジによってはパターンが出来る前に知らせてくれるものや、パターンが出来たタイミングで知らせてくれるものがあります。
どれも多少のクセはありますので、予めご了承ください。
FXPT_DBLtopbottom
ダブルトップやダブルボトムの頂点や底にラインを引くシンプルなインジです。
デフォルトでは明確なダブルトップ・ボトムでなくても、近い間隔で2回反発したらラインが引かれますが、パラメーターの「bars min separation」の値を大きくすると、より目立った形のものを認識できます。
BPS Head and Shoulders
ヘッドアンドショルダー(三尊・逆三尊)を認識します。
綺麗に決まったパターンでなくても、多少違っていても許容しますので、出現頻度は比較的多いです。
ネックラインからフィボナッチ・リトレイスメントも表示されますので、エントリー後の利食いターゲットの設定もしやすくなります。
wedges mtf
ウェッジのパターンを認識します。
白い点線や黄色いラインは直近の流れを示すチャネルで、青いラインがウェッジのラインになります。
これを利用することで、ウェッジの形成→ブレイクまでの戦略が立てやすくなります。マルチタイムにも対応していますので、上位足のウェッジを表示させることも可能です。
price-patterns
複数のチャートパターンを認識できるインジです。
認識できるパターンは以下の5つです。
- 三尊(逆三尊)
- ダブルトップ(ダブルボトム)
- トリプルトップ(トリプルボトム)
- トライアングル
- 上昇ウェッジ(下降ウェッジ)
比較的甘い認識のため、チャートの多くが塗りつぶされてしまうことが多いですが、設定で各パターンについて認識のオンオフが可能です。
flag_and_pennant
フラッグやペナントのパターンを認識します。
デフォルトではローソク足数本程度のフラッグやペナントの認識になりますが、パラメーターを変えることで変更が可能です。
トレンド中に生じるちょっとしたフラッグやペナントをブレイクしたタイミングで仕掛ける際に役立つでしょう。
Gartley
ガートレー222やバタフライ当のハーモニックパターン認識します。
ジグザグのような波と、それぞれの波についての比率を示し、パターンが条件を満たしたところで青色で塗りつぶされます。
パターンが完成すると、その高値や安値に赤い四角が表示されるので分かりやすいです。
認識したパターンの名前が出ないのが残念な所ですが、ハーモニック系の中ではシンプルで見やすい設計になっています。
54_Search_patterns
ガートレー222、AB=CD、ウォルフ波動などのパターンを認識します。
パターンが出ると、その横にフィボナッチのラインとパターン名が表示されるため、「今出ているパターンは何か?」が分かりやすいです。
ただし、複数のパターンが重複していたりすると見えにくくなりますし、場合によってはMT4の動作が重くなることもあります。
各パターンについては設定で表示のオンオフができますので、必要なものだけを選択すると良いでしょう。
ZUPシリーズ
ZUPシリーズは、主にハーモニックパターンの検出や表示を行うインジです。
ZigZagを基盤として、相場の高値・安値を特定し、フィボナッチ比率やその他のテクニカル分析ツールを用いて、ハーモニックパターンやトレンドライン、チャネルなどを自動的に描画します。
ZUPはバージョンアップを重ねるごとに機能が追加され、新しくなるほど複雑な表示になるため、人によっては低いバージョンの方が使いやすいかも知れません。
ここではZUPシリーズの一部をご紹介します。
zup-harmonic-pattern-indicator
様々なハーモニックパターンを見やすく表示します。
認識するのは以下のパターンです。
- CRAB
- GARTLEY
- SHARK
- BAT
- NEN STAR
- BUTTERFLY
- Cypher
現在どのパターンが出ているのかの名前も表示されますし、パターンが完成したぽインtにはラインや赤い四角が表示されます。
各パターンについては表示のオンオフが設定で決められますので、好みに合わせて調整すると良いでしょう。
ZUP_v135_ALL
様々なパターンを認識して表示します。
パターンの先端からフィボナッチやギャンファンなどを表示したり、波についての比率を細かく設定出来たり・・・と非常にマニアックなツールとなっています。
zupp_148
ZUPの比較的新しいバージョンの亜種になります。
このインジでは、直近で出現したパターン名を一覧で表示する機能が付いています。
それに加えて様々な波やラインが表示されます。
ここまで来るとハーモニックマニアの領域かとは思いますが、興味のある方は使ってみると良い依正。