クロスリテイリング社の新作であるOne Tap Trade FX(ワンタップトレードFX)をレビューします。
今作は3人の偉人の頭脳を組み込んだシストレーツールで、ほぼ無裁量・ほったらかしで、誰もが億万長者を目指せるそうです。
似たような文言を今までに何度も見てきましたが、今回のキーワードは「三人の偉人」「脳みそを使わず1タップ」の2つ。
これまでも「簡単」「楽に」といった言葉はよく見かけましたが、「脳みそを使わず」と言われるとさすがにトレーダーを馬鹿にしているのか?と感じてしまうのは私だけでしょうか?
甘い言葉にホイホイついて行く情報弱者をターゲットにした商材なのでしょう。(クロス社の商材は全てこんな感じなのですが・・・)言うまでもなくお勧めは出来ません。
では、レビューしていきたいと思います。
Contents
製作者は顔出しなしの工藤氏
今作の講師&ツール製作を務めたのが工藤氏。
彼はFX-Jin氏の専属ツール開発者で、これまでも彼にツールを提供してきたそうです。
そして今作のワンタップトレードFXも、元々はFX-Jin氏のために作ったツールではあったのですが、あまりにも出来が良かったので一般に販売することになった・・・とのことです。
まぁそんなことは売るための理由作り・ストーリー作りの一つに過ぎず、最初から販売目的でツールを製作してきたのは間違いないでしょう。本当に工藤氏が作ったのか、本当に彼はFX-Jinの専属ツール製作者なのかも明らかではありませんし。
工藤氏は裏方に徹するために顔出しNGとなっています。
最近のクロス社の商材はこのパターンが増えてきましたね。
少し前に販売された「凄技バイナリー」の講師も顔出しは無しでした。
その代わりにFX-Jin氏やFX-katsu氏がバンバン顔出しして盛り上げるセールスレターに仕上がっています。
3人の偉人とは?
ワンタップトレードFXは「3人の偉人の頭脳」を組み込んだほぼ無裁量のツールです。
この商材で言う「3人の偉人」とは、リチャード・ドンチャン、ジェシー・リバモア、ナウザー・バルサラの3人。どれも超有名な方ばかりですので軽くご紹介していきます。
リチャード・ドンチャン
リチャード・ドンチャンはドンチャン・ブレイクアウトシステムの考案者で、あのタートルズでも採用された手法でもあります。
タートルズの詳細につきましては、以下の記事をご覧ください。
ワンタップトレードFXもブレイクアウトシステムが基本になっているようです。
ジェシー・リバモア
ジェシー・リバモアは1900年代序盤に活躍したトレーダーです。
ティッカーテープより流れてくる株価の価格変動から、相場の動きにはパターンがあることに気づいた正真正銘の天才です。
トレーダーとなってからは何度も破産を繰りかえしながらもトレードを続けて資産を増やし、あるときにはJPモルガン(モルガン財閥の創始者)から「国のために株の空売りを止めてくれ!」と要請を受けるほど市場にインパクトをもたらすトレーダーとなりました。
「1929年の世界恐慌発生時には、空売りで4000億円(現在の価値)の利益を出した」というのがリバモアの最も有名なエピソードです。そのため、「ウォール街のグレートベア」と呼ばれています。
正に伝説のトレーダーですが、1940年には鬱病のためピストル自殺という最期を遂げた悲運の人でもあります。
ワンタップトレードFXでは、リバモアの「時間的要因」をヒントにしたと書かれてはいますが、時間的要因に気づいていたトレーダーは他にも沢山いますので、どうもこじつけでリバモアの名前を持ってきたように個人的には感じられます。
ナウザー・バルサラ
バルサラは数学者で、ギャンブルや投資において破産しないための「破産の確率」を考案したことで有名です。
破産の確率は損益率と勝率、そして1回の取引でどれだけのリスクを取るかの3つの条件で結果が変わってきます。
よく「表」として掲載されていますが、1回のトレードリスクについては明記されていないことが多いため、それを参考にしてトレードするのは危険です。
自分のトレードのやり方が本当に破産しないかどうかは、破産確率の計算ツールを利用して確認することをお勧めします。
ワンタップトレードFXについて
ワンタップトレードFXはドル円5分足のみでトレードするスキャルピング手法です。
チャンスが来るとシグナルが点灯し、右下のボタンをクリックするだけで、適切なロットでエントリーし、同時に損切りと利食いのOCO注文まで入れてくれるシステムです。
実際のエントリーからエグジットの流れは以下の動画が分かりやすいです。
エントリーはシグナルが出たら入る、エグジットは自動でやってくれる、というのは非常に便利ですね。確かに頭を使いません。
しかし気になるのが、動画を見る限りではシグナルが点灯したらすぐにエントリーする点です。
ローソク足の確定を待ってエントリーではありません。
ですので、このシステムではシグナルが出た瞬間にエントリーする必要が出てきます。
「MT4からスマホにメールを送って確認して・・・」だったり、「アラートが鳴ってからパソコンの前に移動して・・・」とやっていたら、レートがズレて再現性が落ちてしまいます。
特に本手法のようにブレイクアウトを狙う手法は、グングンと進むブレイクの勢いに乗るわけですから、ほんの少しのズレが勝ち負けを分けたりするのです。
ですから、私はこう思いました。
なぜEAとして販売しない?
ワンタップトレードFXのようなロジックほどEA販売が向いているものはありません。
EA化しない理由として、セールスレターではこのように書かれています。
完全に自動売買化することはせずに、
まずはしっかりと自分の手で稼ぐことを、
身に感じていただきたいと思います。FXに初めて触れる方も多い中、
完全自動となると自分がどうやって稼いでいるのかを
知ることができません。どのようにトレードをして、
どのようにお金を稼げているか。今回のプロジェクトを通して、
投資がいかに効率的に稼ぐ方法を知ってほしい考えもあるため、
ご自身で作業していただく段階を設けています。
どうも言い訳にしか感じられません。
何かEAとして販売したくない理由が他にあるように推測したくなります。
私は2点ほどEAとして販売したくない理由が思いつきました
バックテスト結果を掲載したくない
セールスレターではEAのバックテスト結果で1億円に増やせたことばかりがアピールされていますが、肝心のプロフィットファクターや勝率等については一切言及されていません。
しかし、EAとして販売するならバックテスト結果を詳細に示す必要があります。
あくまでも予測ですが、ブレイクアウト狙い、リスクリワード2.0というルールから、勝率はかなり低めだと考えられます。
そうなると商品としての魅力が損なわれます。
これまでの商材では当たり前のように「勝率8割!リスクリワード2以上!」なんて言ってきた手前、急に現実的な数字を出すのは躊躇われるのでしょう。詳細データをレターに掲載するのを避けつつ、「ツール」であることを主張しているのではないでしょうか。
セールスレターに掲載されているバックテスト結果(1回のトレードリスクは口座資金の1%)とリスクリワード2.0という情報から、勝率は4割には届かないと推測します。
購入者全員に全く同じタイミングでトレードしてほしくない
EAとして販売した場合、大きなドローダウンが発生すると、利用者全員の損失が一気に膨らみます。
そうなるとまた集団訴訟される羽目になってしまいます。
それを避けるため、利用者のトレード結果にバラツキを持たせるためにエントリーは手動にした・・・とも考えられますね。
ワンタップトレードFXの対抗馬的なインジをご紹介
以上、ワンタップトレードFXについてのレビューでした。
「1億円」「脳みそを使わない」と言うことがアピールされていますが、売り文句を全部信用するのは危険ですのでお気をつけください。
批判ばかりのレビュー記事となってしまいましたので、最後にブレイクを狙う無料のシグナルインジをご紹介します。
ZigZag DowT
ZigZagをベースにしてダウ理論を組み込こんだインジです。
ダウ理論的にトレンド転換となると青色や赤色の矢印が出現し、更にブレイクしてくると白い矢印がエントリーサインとして出現します。
The Classic Turtle Trader
その名前の通りタートルズで採用されていたブレイクアウトシステムを再現したシグナルインジです。
ブレイクが発生すると矢印が点灯。
矢印と同じ色のドットが点灯したら利食いとなります。
一緒にTurtle Channelも表示させると、エントリーポイントが明確になって分かりやすいです。
⇒TheClassicTurtleTraderのページへ
⇒turtle-channelのページへ
タートルズのシグナルを改良したインジ
つい最近たまたま見つけたインジです。
ブレイクを狙うシグナル系としてはトップレベルの精度かなと思えるくらいに良いインジです。
もちろんインジ単品ではダマシもそれなりにあるのですが、とあるインジでフィルタリングするとその効果を最大限に発揮できることが分かりました。
これにつきましては近いうちにFSCのサイトにて公開したいと思います。