スイスフランショック後の国内業者の追証問題について考える【大儲け?】

2015年1月15日起きたスイスフランショック。
スイス国立銀行が2011年9月から維持していたEUR/CHFの下限を1.2000としていたものを突然撤廃し、市場は大きな騒ぎとなりました。

この超サプライズのおかげでEUR/CHFは1.0000を割り込み、短い時間で2000pips以上の値動きをしました。

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この結果、イギリスの大手FX業者のアルパリ、ニュージーランドのExcel Marketsが破綻しました。

また、アメリカに拠点を置くFXCMも2億5000万ドルの損失を出しましたが、Leucadia National Corporationから3億ドルの資本注入を受けて何とか営業を続けています。

これらの業者が大きな損失を被った理由は、顧客の損失額、追証が大きすぎて回収できない状態にまで陥ったからです。

真面目に顧客の注文をインターバンクへカバーしていた、もしくはしっかりと顧客の損失分をゼロカットしたためにこのような結果となってしまったのです。

しっかりとFXのブローカーとして職務を全うした結果、このようなことになってしまいました。
想定外の動きだったということでしょう。

では、日本の国内業者はどうだったのでしょうか?
結果としては国内業者でスイスフランショックの余波で破綻した所はありません。

しかし、信用を損なうような事実は多く見受けられました。
むしろ大儲けしたのでは?と思えるような業者もあります。

今回はスイスフランショック後の国内FX業者の状況についてまとめます。

スイスフランショックによる国内業者の動向

国内業者は、どの業者でも大きな影響は受けずに営業を続けています。

しかし実際には顧客への追証は発生しており、国内業者でスイスフランを中心に取引していたトレーダーは、突発的なレートの動きによって、置いておいたストップロスに引っかからず大損をした方もいるようです。

中には、ユーロスイスの逆指値注文が取り消され、ロスカットも数分遅延したおかげで追証5,000万円を訴えられた方もいます。

この方のブログによると、スイスフランショック発生時、使用していたライブスター証券はレートの配信を停止し、その間のストップロスは引き伸ばされたというのです。

この事実について、しっかりとレート配信を続けたSBIFXは他社を痛烈に批判しています。

インターバンク市場では、スイス円、ドルスイス、ユーロスイスなどのレート配信を一時的に中断した銀行も存在したようですが、市場でのレート配信がまったく停止した事実を確認されていません。SBI FXトレードは投資者保護の観点に立ち、レート配信をできる限り通常どおりに配信するよう努めました。お客様第一主義の経営理念に立てば至極当然の責務であります。

レート配信を一定時間にわたって停止したB社、C社、D社では、お客様のロスカット判定レートをレート配信再開時のレートを適用しているものと思われます。すなわち、インターバンク市場がレート配信を完全に停止した事実が確認されていない中、意図的かどうかは確認するすべはありませんが、リスクプレミアムをお客様に付け替え自社の都合でレート配信を一方的にストップし、何の根拠も明確にしないままレート配信を再開し、ストップロス判定のレートとして適用する、といったことが複数確認されています。

これでは、お客様自らが損失を限定させるために発注したストップ注文(逆指値)が効かず、損失は拡大する一方です。マーケットの状況に関係なく業者の都合でレートが配信、約定することになりますので、意図的かどうかは無論知る由もありませんが、結果としてお客様にリスクプレミアムを転嫁することになってしまった事実は、今後に課題を残してしまった可能性があるように思います。さらには、金商法の立法趣旨である公正な価格形成等を図り、投資者保護を資するという、観点から問題視されるのではないかと考えます。

SBIFXの言う通り、インターバンクでの取引が続いているにも関わらず、勝手にレート配信を停止し、その間に出た顧客の損失は全て追証とさせるというのはかなり身勝手なことであると私も思います。

スイスフランショックの一件で、顧客の注文をカバーすらしておらず、急変動に乗じて価格を隙に動かしてロスカットをずらして大儲けした業者もあることが分かりました。

今回のスイスフランショックの追証問題は国内のFX業者のレート配信の透明性を疑わせる結果となりました。

FX業者はスプレッドと約定力だけで選んではいけないことが浮き彫りになりました。
急な動きの時もトレーダーの資金を守るためにしっかりとレート配信を続けて、注文を受け付けてくれる業者こそ本当に信用できるところであると思います。

突発的な動き=業者が大儲けできるとき?

2010年よりも前のFXは、FX黎明期ということもあって、多くのFX業者がありました。
現在は統廃合が進んで大手ばかりが残っていますが、当時は本当に多くの業者が存在したのです。

当時は、相場が大きく進んだときを見計らって価格をずらす「ストップ狩り」が横行していました。

FX業者は、自社の顧客のポジションがどこにどれだけ溜まっているのかが分かります。そして悪徳業者は顧客のポジションを全て呑んでいるため、ストップ注文が集まるレートまで価格をずらしてやれば、簡単に大儲けが出来たのです。

2024年現在ではそんなことをやる業者は国内業者では少ないですが、フラッシュクラッシュ級の動きが出ると、スプレッドを大きく広げてくる業者はまだあります。

突発的な動きの時は、トレードを避けたほうが良いでしょう。
また、事前に不穏な噂が出ている時は気を付けましょう。

補足:スイスフランショックとは

スイスフランショック(Swiss Franc Shock)は、2015年1月15日にスイス国立銀行(SNB)が、スイスフラン(CHF)をユーロ(EUR)に対して1.20フランの最低限交換レートを維持する政策を突然放棄したことによって発生しました市場の大きな変動です。

この政策は、スイス経済を保護し、輸出を促進するために2011年に導入されましたが、ユーロ圏の財政危機と通貨の安定性を維持するための圧力が高まる中で、スイス国立銀行はこの固定相場制を維持するコストが高すぎると判断しました。

スイスフランショックまでの経緯

2011年の政策導入

ユーロ圏の財政危機の深刻化に伴い、安全な資産と見なされるスイスフランに対する需要が高まりました。

スイスフランの価値が急激に上昇し、スイスの輸出産業に悪影響を及ぼすリスクがありました。

これに対処するため、スイス国立銀行は2011年9月にスイスフランをユーロに対して1.20フランの最低限交換レートに固定する政策を導入しました。

政策放棄の決定

2014年後半から2015年初頭にかけて、ユーロ圏の経済状況がさらに悪化し、ユーロの価値が低下しました。

スイス国立銀行は、この固定相場制を維持するために膨大な外貨を購入し続ける必要がありました。

その負担が膨大となり、2015年1月15日、SNBはこの最低限交換レート政策を突然放棄しました。

スイスフランの急騰

政策の放棄発表直後、スイスフランは対ユーロで約30%も急騰しました。これは、短期間での通貨価値の変動としては極めて異例の事態でした。

この急激な通貨価値の変動は、世界中の金融市場に衝撃を与え、多くの外国為替トレーダー、企業、そして投資家が巨額の損失を被りました。

スイスの輸出産業は、フランの価値が急騰したことで、その競争力を大幅に失いました。また、観光産業も同様の影響を受けました。

しかし、この措置によってスイス国立銀行は、さらなる外貨の蓄積と、それに伴う潜在的なインフレリスクから解放されました。

 

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