FXにおける「優位性」と言えば、「手法」に集約されていると思われがちですが、実は、他にも色々な優位性があります。
勝ち組のトレーダーは、これらの優位性を上手に組み合わせることで、相場から最大限の利益を引き出しているのです。
今回は、その優位性について考えてみることにしましょう。
Contents
トレード環境の優位性
トレード環境というのは大事です。
トレードはメンタルを消耗する仕事ですから、自分にとって安心・リラックスできる場所で取引するのは言うまでもありません。
また、実際に取引に使用するものは、高性能で使いやすいものが良いでしょう。
具体例を挙げていきます。
使用するパソコン及びモニター
MT4などのトレードに関するソフトでは、パソコンにハイスペックさを求めるものは決して多くはありませんので、高性能のパソコンでなくても問題なく取引できます。
しかし、急なフリーズなどが起きないように、常に余裕のある状態でパソコンを使用しておく必要はあります。
トレードで使用するモニターの数についてはこちらに詳しく書いています。
リスクヘッジとして、トレードで利用するパソコンは2台以上あると心強いでしょう。
ネットの速度・安定性
ネット速度も優位性に繋がります。
特に短期スキャルでピンポイントで仕掛けていく場合は、1秒の遅延も積もり積もれば大きな額になるでしょう。
そうでなかったとしても、思った時にすぐにポジションを持てるのは精神的にも安心です。
そして、ネットの速度自体よりも重要なのが安定性です。
常時接続であってもブツブツ途切れるような回線では話になりません。
また、EAを使って取引する場合はVPSの場所と取引業者のサーバーの距離も意識しておいた方が良いでしょう。例えばVPSが日本にあり、業者のサーバーがアメリカにある場合は、ミリ秒単位ではありますが、近い場合と比べたら遅延が生じます。
これがスキャルピングの場合だと、もしかすると大きなコストになってしまう可能性もあります。
FX業者
FXでは、トレードの実質的な手数料が「スプレッド」という形で絶対的な経費として支払わなくてもいけません。
スプレッドは業者によって違いますから、低スプレッドの業者で取引することは経費削減に一役買うわけです。
しかし、見た目だけのスプレッドに騙されてはいけません。
業者によってはズルズルと悪い方向ばかりに滑るところもあります。
酷いところでは正味スプレッドが0.5~1.0pipsほど加算されることになりますから注意が必要です。
また、業者のサーバーの強さも忘れてはいけない要素です。
サーバーが強ければ、狙った時にすぐに約定できますし、突然の障害によって持っているポジションが清算できなかったり、新規に取引できずにせっかくのチャンスを逃してしまうことにもつながります。
サーバーの強さは絶対値で数値化できませんから、FX業者の口コミ等を見てどこが良いのかを参考にするのも良いでしょう。
時間による優位性
チャートでは、縦軸を価格、横軸を時間にしています。時間と価格によってチャートは形成され、波を描くのです。
「時間」を有効に利用すれば、エッジをより高めることが可能となります。
トレードする時間帯
市場はサイクルを作りながら動きます。
価格の上下に合わせてボラティリティも上下し、複雑な動きとなるのです。
相場の事を完全に予測することは不可能ですが、とある時間に特有の動きをすることはよく知られています。
例えば8月や12月の閑散期。
この時期は市場参加者が減るために市場の動きが悪く、ボラティリティも低下します。
こんな時にトレードをしなければ、負ける可能性をぐっと引き下げられます。
他には月の1週目。
この週は各国の重要指標発表が重なりますから、特にロンドン・ニューヨーク時間ではレートが飛んだり、逆に動かなかったりと調子を崩される可能性があります。
日単位なら東京、ロンドン、ニューヨークに分けられる3つの市場の変化。
東京時間はレンジ、ロンドン時間はトレンド、ニューヨーク時間は荒れたり荒れなかったり・・・と特徴的な動きがありますから、それに合わせた手法で取引すればエッジ同士の相乗効果でより効率よくトレードできます。
トレードする時間軸
チャート分析で気にすべきなのが、トレードするときに使用する時間軸です。
基本的に、チャートというのは日足分析をするために考案されたものです。
様々な理論やインジケーターも日足分析をする中で産まれました。
「それなら日足よりも小さな時間軸ではテクニカルが有効ではないのか?」と言われると私は「日足以下でも通用します。」と回答します。
しかしながら、その精度は日足よりも落ちることは言うまでもありません。注目する市場参加者の数が圧倒的に違うからです。
しかし、日足以下、特に1時間足以下の時間軸で取引すると、トレードチャンスは格段に増えます。
トレードチャンスの多さとテクニカルの有効性は反比例する傾向にありながらも、それらの両方が高まる手法を採用すると、このエッジが最大限に活きてきます。
トレード手法による優位性
トレードの優位性と言えば「手法」ですね。
手法には、エントリーポイントとエグジットポイントの2つから成り、システム的に検証すれば、勝率、損益率や期待値を具体的に算出できます。
エントリーポイント
エントリーポイントのエッジとは、時間が進むにつれてエントリーした方向に相場が向かいやすい傾向にあるということです。
ロングしたらすぐに上げていく、ショートしたらすぐに下げていく・・・というのが理想ですが、「時間の経過と共に」市場がその方向に動けば問題ありません。
このことをより効率的に予測していくために、各種の相場理論やインジケーターが利用されます。
エグジットポイント
エグジットポイントには利益確定ポイントと損切りポイントの2つがあります。
ロングの場合の利確の理想は、頂点で決済することです。
ごくまれになら可能ですが、こんなことを毎回狙うのは不可能ですから、「これ以上もう伸びないだろう」というところで利益を確定するのがエッジのある利確です。
逆に損切りの場合は、「このポイントよりも下げてきたら、もう上げるよりも下げる可能性の方が高く、早く決済しないと損失が増え続ける」というところで決済するのがエッジのある損切りです。
エグジットでは新規にポジションを持たないために、エントリーよりも軽く見られがちですが、逆にエントリーは適当で、エグジットでしっかりと優位性を意識してトレードするだけで勝っている人もいます。
資金及び資金管理による優位性
トレードに投入する資金の量と、どうやって資金を賭けていくかでも優位性はあります。
資金の量
手持ち資金が多い程トレードでは有利なのは言うまでもありません。
例えば後述するナンピンマーチンで取引する場合は資金量が多い程有利になります。
また、個人レベルで外国為替市場の規模なら難しいですが、大きな資金を使って市場にインパクトを与えることも可能です。
資金管理
資金管理は非常に奥が深いです。
手法と適切な資金管理を組み合わせることで、最大限の利益を引き出せるからです。
ナンピンやマーチンゲールは通常では禁じ手と言われていますが、それでもしっかりと前もって最大損失額を決めておけば有効なことも多い資金管理法です。
他にもケリーの公式のように、複利で最大限に資金を伸ばすための資金管理法などを上手に使えば、大して優位性の無い手法でも大きな利益を期待できます。
ケリーの公式については以下の記事をご覧ください。
メンタル
メンタルにもエッジがあります。
自分の優位性を信じて、調子が悪い時でも自暴自棄にならずにルールを守れる人というのは強いです。
普通の人は、こんなことは最初からできませんから、トレード経験を積むことで徐々にメンタルと考え方を強化して行かなくてはいけません。
以前紹介した「私が出会った天才トレーダー」は、最初からこれが高いレベルで身についていました。
どのエッジも身に着けられる
今回ご紹介したFXトレードの優位性は、お金を出せば簡単に得られるものから、知識が必要なもの、経験が必要なものなどがありました。
これらの優位性全てに共通していることは、だれでも得ることが可能であるということです。
「トレードには才能があった方が良い」ということを私は否定しません。
しかし、才能が必要とされるのはファンドマネージャークラスのものであって、個人で稼いでいく分には、才能がなくても努力でカバーすれば問題ありません。
優位性を有効に組み合わせれば、必然的に勝つことができるのですから。