今回はDraw on Liquidityの考えと、それを利用して1日の向きを考える方法についてご紹介します。
Draw on Liquidityの概念が分かると、これから価格がどちらの方向へ向かっていくかが分かるようになります。
これを利用すれば、エントリーする方向や目標到達地点がよりクリアになり、トレードの精度を上げられる手段となります。
本記事では一例として日足を利用して、当日にどのレートを取りに行く可能性が高いかを解説していきます。
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Draw on Liquidity(DOL)とは?
価格はLiquidity(注文)の多く存在する価格を目指して上下します。
ある時は上にあるLiquidityを取って、その後は下にあるLiquidityを取って・・・という動きをすることで、相場は上下しながら推移します。
こういた値動きの中で、Draw on Liquidityとは市場が次に目指す流動性の高い価格帯のことを言います。
DOLとなりやすいのが特定の高値や安値で、これを見つけることで、今後価格が進む方向を予測して、エントリーする考慮することができます。特にDOLが明確だと、価格は吸い寄せられるようにその方向へ動きます。
例えば下の図では上昇トレンド中で、LiquidityのあるFVGに入った後に反発しています。
この流れで行けば、次に目指す価格(DOL)は高値になります。
このようにDOLが上にあると判断できれば、売りよりも買いのエントリーを優先できますし、逆に、DOLが下にある場合は売りのエントリーが有効になります。
Draw on Liquidityを考える上で重要なこと
DOLを考える際に重要なのは、どこからどこに向かっているのか?を考えることです。市場がどちらに向かっているかを確認するために、以下の2つについて考える必要があります。
- 以前のDOLはどこだったか?
- 次のDOLはどこになるか?
これらのポイントを確認することで、価格の動きや展望がよりクリアになります。
また、DOLはどの時間足でも存在しますが、大きな流れや方向を理解するためにも日足などの大きな時間足で考えることも重要です。
こうすることで、当日に動く方向が予測できますので、その方向へ動く兆候が見られたら、下位足に切り替えてエントリーする・・・と言ったことが可能になります。
日足を使ってシンプルに考える
DOLについては様々な考え方がありますが、今回はシンプルに日足のローソク足のパターンだけで当日のDOLを見つけるやり方をご紹介します。
基本的には「前日の高値や安値がDOLになる」と考えます。
これを踏まえて前日の高値と安値のどちらがDOLになるかを判断する方法をご紹介します。
1.前々日の高値<前日の終値、前々日の安値>前日の終値
前々日の高値を翌日の実体で上抜けるということは、それだけ勢いがあると考えられますので、当日も前日の高値を取りに行く可能性が高いと考えます。
同じく下げの場合も、当日も前日の安値を取りに行く可能性が高いと考えます。
ただし、ヒゲが長すぎる場合はSweepしてしまっている可能性もあるので要注意です。
2.前々日の高値>前日の終値かつ、前々日の安値<前日の終値
このパターンでは前々日の高値を前日の高値でスイープした、前々日の安値を前日の安値でスイープしたと考えます。
そのため、当日としては前日の安値、もしくは高値になります。
3.インサイドバー
比較的大きな足の後に「はらまれる足」が出る場合は、当日の動きとしては前々日の高値(陽線の場合)もしくは前々日の安値(陰線の場合)を取りに行く可能性が高くなります。
日足で確認
ではこれまでにご紹介したパターンを踏まえて、ユーロドルの日足チャートでDOLを確認していきましょう。
陰線が連続していて、終値で前の足を下抜けていますので、次の足は安値(赤いライン)を取ると考えます。「安値を取る」とは、安値にタッチするという意味です。
前日の安値を取ってしっかりと下げました。
同じく陰線続きなので、また翌日も安値を取ると考えます。
しかし、ここでは安値を取らずに上げていきました。
この陽線は前の陰線に対してはらまれていますので、再度前々日の安値を取りに行くと考えます。
ピタリと前の安値を取りました。
同じく次も安値を取ると考えます。(下ヒゲ短い)
安値を割って陰線が確定しました。
また前日の安値を取りに行くと考えます。
安値を取りました。
次もまた安値を取ると考えます。
しかし今度は安値を取らずに陽線となりました。
次は陽線の高値を取ると考えます。(上ヒゲが短い)
高値を取って陰線となりました。
下ヒゲはほとんどありませんが、安値を取ると考えます。
安値を取って陽線が出ました。
安値を取っての陽線なので、次は高値を取ると考えます。
ギリギリで届きませんでした。
下ヒゲの長い足が出ていますので、また高値を取ると考えます。
大きな足が確定しました。
また高値を取ると考えます。
また上昇しました。
次も高値を取ると考えます。
高値を取ったものの、大きく下げました。
週明けで上窓スタートですが、安値を取ると考えます。
しかし、逆に高値を取って陰線となりました。
前日の高値を取って、更に陰線が確定していますので、次も安値を取ると考えます。
大きく上昇しました。
次は高値を取ると考えます。
高値を取って大きく下げました(大統領選挙の結果を受けて)
このように、2本の足を見るだけでも、それなりにどちらのliquidityを取りに行くかが分かるようになります。
DOLが分かったら
日足から当日のDOLが分かったら、具体的にどうエントリーしていけばいいのか?についてご紹介します。
まず、日足は以下のようになっていて、当日は前日の高値を取りに行くと考えたとします。
狙うとすれば当然ロングです。
15分足もしくは5分足に切り替えて、ロンドン時間~ニューヨーク時間で強い上向きの動きが出るまで待ちます。
以下は15分足チャートです。
一番右の動きでは大きく上昇してFVGが出来ています。
この価格帯に入ってきたらロングエントリーします。
その後の動きです。
次の足でFVGに入ってきたのでロングです。
損切りは直近の安値において、利食いターゲットは前日の高値(赤いライン)にします。
その後はしっかりと伸びてターゲットまで届きました。
このように、日足のパターン、それから高値と安値を考慮することで、当日にどのレートまで価格を引き寄せやすいかを予測しやすくなります。
DOLの考え方は、デイトレやスキャルで狙う方向を決める際に役立ちますし、一つの利食いターゲットとして利用できます。
ぜひ参考にしてみてください。