なぜトレンド判断はブレるのか?Market Structureで相場を見る基準を作る

今回はMarket Structure(マーケットストラクチャー、市場の構造)の考え方について解説します。

相場分析をしていると、

「今は上昇トレンドなのか、それとももう崩れているのか」
「これは押し目なのか、それともトレンド転換なのか」

と判断に迷う場面は誰にでも訪れます。

その原因の多くはテクニカル指標の使い方ではなく、相場の流れそのものを、どの基準で捉えているかが曖昧なことにあります。

本記事では、Market Structure(マーケットストラクチャー)という考え方を通して、
相場を「当てる」ための分析ではなく、相場を整理し、同じ目線で見続けるための考え方について解説していきます。

Market Structureについて

Market Structure(相場の構造)とは、価格がどんな流れで動いているかを判断することです。

テクニカル指標の数値ではなく、高値や安値の流れ、どこで更新されているかなどを見て、今は上目線か、下目線なのかなどを判断します。

チャート分析においてMarket Structureは非常に重要なポイントで、正に屋台骨的なポジションと言えます。

まず大前提として、相場はランダムに動いているように見えても、必ずスイング(波)の連続で構成されていることが分かります。

これらスイングを繋げて考えることで、過去の相場の流れから現在のトレンド方向までが分かります。

上昇トレンドについて

上昇トレンドの基本はスイングが高値を更新し、安値を切り上げる流れです。
つまり高値も安値も時間ととも上にズレていく流れが上昇トレンドになります。

上昇トレンド中に、前のスイングを上抜けると、トレンド方向のブレイク(Bos,Break of Structure)となります。これは上昇トレンドが継続していることを示します。

下降トレンドについて

下降トレンドは上昇トレンドとは逆で安値を更新し、高値を切り下げる流れになります。

下降トレンド中に、前のスイングの安値を下抜けると、トレンド方向のブレイクであるBOSとなります。

トレンド転換

上昇トレンド中にスイングの安値割る、もしくは下降トレンド中にスイングの高値を上抜ける動きが生じるとトレンド転換(CHOCH,change of charactor)となります。

これはそれまでのトレンドが崩れた(切り替わった)ことを意味します。

上昇トレンドの安値が割れてCHOCHとなった時点で下降トレンド入りと判断する人もいれば、そこから再度安値を割ってBOSとなった所で下降トレンド入りと判断する人もいます。

この辺の判断はトレーダーによって異なります。

スイングレンジの考え方

現在のトレンド方向が分かったら、必然的に見えてくるのが「スイングレンジ」です。

スイングレンジとは、現在の波の安値~高値の価格帯のことになります。

トレンド継続のスイングレンジ

以下は上昇トレンド中のスイングレンジです。

価格が高値を付けてから、ある程度の押し目が入ってきた後は、このスイングレンジを上か下かにブレイクするまでは、トレンド方向は変わらないことになります。

たとえ上昇トレンド中のスイングレンジ内で高値と安値を切り下げる動きがあったとしても、それは上昇トレンドの押し目を形成する動きと判断します。

このチャートではスイングレンジ内で下げてきていますが、安値を割っていませんのでまだ上昇トレンド中です。

スイングレンジの高値をブレイクするとスイングレンジが切り替わります。

次のスイングレンジは、新たな高値と、前のスイングレンジの最安値になります。

CHOCH後のスイングレンジ

上昇トレンド中に安値を割るCHOCH後のスイングレンジは、以前のスイングレンジの高値~新安値までとなるため、値幅が広くなる傾向があります。

上の画像の場合、ここから更にスイングレンジの安値を割るとBOS、高値を抜けるとCHOCHとなります。

波の考え方について

ここまでMarket Structureの基本について解説してきました。

相場の波の判断が出来れば、

  • 現在のトレンド方向
  • スイングレンジ
  • トレンドの転換点

などがすぐにできるのが大きなメリットです。

しかしその前に大きな問題があります。
それは、「どの動きを1つの波として捉えるか?」です。

これを突き止めると、「スイングレンジをブレイク後に、どこまで反転してきたら押し目や戻りとして判断するか?」という問題になります。

例えば、以下のような上昇の値動きがあったとします。

あなたはこの値動きについてどのような波を描くでしょうか?
ざっと思いついた例をご紹介します。

このように、だれが見ても明らかな上昇の流れであっても、どこで押し目が入ったと判断するかは、トレーダーや考え方によって違ってきます。

その結果、把握する波にも違いが生じて、トレンド転換のタイミング、そして現在のトレンド方向も変わることになるのです。

では、どこまで反転してきたら押し目や戻りと判断すればいいのでしょうか?

これについては絶対的な正解はありません。
そんなものがあれば、世界中の誰もが採用していることでしょう。

ただし、判断方法として多く用いられているものとしては以下のようなものがあります

  • 逆線が何本出現したか
  • 前のスイングの何%以上反転したか
  • Liquidityを取ったか
  • ローソク足の組み合わせ
  • その時の感覚

多くの人がこれらを複数個組み合わせて判断しているんじゃないかなと思います。

押し目や戻りの判断は移動平均線のパラメーターと同じです。

ちょっと反転しただけで押しや戻りとみなすのは、期間の短い移動平均線を使うのと同じです。
相場に細かく追従しますので、迅速な判断ができます。

その一方で、ある程度の反転があったとしてもトレンド方向の波の一つとみなすのは期間の長い移動平均線を使うのと同じです。

大きな流れを見ながら、ちょっとした動きには翻弄されずに分析をすることができます。

このように、波の判断、つまりはどの時点で押し目や戻りが入ったと判断するかはトレードスタイル等によって違います。

まとめ:Market Structureは「正解探し」ではなく「基準作り」

ここまでMarket Structureについて解説してきましたが、最後に一つ、非常に大切な考え方について触れておきたいと思います。

それは、Market Structureは「正解を当てるための手法」ではないという点です。

相場分析をしていると、

「この波の捉え方が正しいのか」
「ここは押し目なのか、それとも転換なのか」

と悩む場面が必ず出てきます。

しかし、これまで見てきた通り、同じチャートを見ていても、どこを1つの波と捉えるか、どこで押し目や戻りが入ったと判断するかは、トレーダーによって違ってきます。

これは、どちらが正しくて、どちらが間違っている、という話ではありません。

Market Structureとは、毎回同じ基準で相場を整理するための「フレームワーク」と考える方が、本質に近いと思います。

重要なのは、

  • 常に同じ考え方で波を捉えているか
  • その基準に一貫性があるか
  • 後から見て、自分で納得できる判断になっているか

という点です。

押し目や戻りの判断が多少違っていたとしても、毎回その基準をブレずに使っていれば、トレードの検証も改善も可能になります。

逆に、その場その場で都合よく波の捉え方を変えてしまうと、なぜ勝ったのか、なぜ負けたのかが分からなくなり、相場分析自体が不安定になってしまいます。

Market Structureは、「未来を完璧に予測するための道具」ではありません。

相場の動きを整理し、自分の頭の中を一度フラットにするための判断の土台です。

その土台の上に、オーダーブロック、liquidity、エントリーやエグジット、リスク管理といった要素を積み上げていくことで、初めてトレードとして意味を持つようになります。

Market Structureを学ぶ目的は、相場を当てることではなく、相場を同じ目線で見続けられるようになること

その点を意識してチャートを見るだけでも、相場の見え方は大きく変わってくるはずです。

補足:最小の波を定義する

先ほどは絶対的な波の定義はないと書きました。

ただ、最小の波については、ある程度意義できるかなと思います。

最小の波とは「少なくともこれは一つの波(途中で押し目や戻りは無い!)と自信を持って言えるローソク足の流れ」です。
これについて解説していきます。

まず、この画像のようなローソク足のが高値と安値を更新する流れは間違いなく一つの波と判断できます。

なぜなら、この値動きの中には、構造として意味のある反転点が存在しないからです。

この点については文句はないかなと思います。

では次はどうでしょうか?

途中で陰線が入ってはいますが、それでもすべての足で高値と安値を更新しながら推移していますので、一つの波と判断できます。

これらは価格の揺らぎであって、構造的な反転ではありません。

だからこの一連の動きは、「途中に押し目が入った波」ではなく「そもそも押し目が存在しない1つの波」と言えます。

正直なところ、この値動きまでが疑問の余地なく押し目を作らない動きと言えるかなと思います。

では次。

今度は一番右の足が包み足になっていて、2つ前の足の安値まで割ってから高値を更新しています。

「最小の波」としての判断が難しくなってくるところですが、個人的には高値を更新し続けているため一つの波と判断していいかなと思います。

最小の波が崩れたと判断する最小のポイント

では次に、最小の波について押しが入ったと言える最小の値動きについて解説していきます。(これについては色々な意見がありますが、私の考えについてまとめます)

それが最後の足の安値を割って陰線が確定した時です。

この時点で最小の波についての押しが入ってきたと判断できる最初の状態になるかと思います。

つまり、これで押し目が入ると判断したのであれば、ここから高値を更新したらBOSと判断することになります。

以上が最小の波についての解説でした。

どこまで反転してきたら押しや戻りと判断するかの自分なりの定義づけが難しい場合は、逆に「自分にとっての最小の波」を定義してやるといいかなと思います。

どのような反転までは一つの波として許容するのか?
これが決まると必然的に押しや戻りも決まります。

ぜひお試しください。

 

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