今回はマルチタイムでFVGを利用するチャート分析方法とトレード手法をご紹介します。
FVGはとてもシンプルなパターンですが、客観的で見つけやすく、それでいて非常に効果が高いのが特徴です。そのため、私もFVGを利用したトレードを多用しています。
今回は上位足がFVGに入り込んでいる時にスポットを当てた考え方になります。ぜひご覧ください。
動画もあります。
Contents
FVG(FairValue Gap)のおさらい
まずFVGのおさらいから始めます。
知っている方は飛ばしてください。
FVG(別名:Hidden Gap)は以下のような3本のローソク足から導き出される価格帯になります。
真ん中の足が大きく、左右の足のヒゲが重合しない(オーバーラップしない)価格帯がFariValue Gapとなります。
FVGは以下のような特徴を持ちます。
FairValue Gapの特徴
- FVG出現後、価格はFVGに引き寄せられるような動きをする
- 引き寄せられた後は、トレンド方向に動きやすい
- FVGは完全に埋められたら、その効力を無くす
Fairvalue gapは別名「hidden gap」で、隠れた窓という名前の通り、FX市場では週に1回発生する可能性のある「窓」と近い特徴を持っています。
FVGは、「買い」もしくは「売り」が圧倒的に強く、価格が一気に進んだ価格帯ですので、再度FVGにレートが入り込んできた時も、比較的分かりやすい値動きをします。
上位足がFVGに入り込んだとき
今回ご紹介する戦略は、上位足が明確なFVGに入り込んできている時を狙います。(それほど大きくなく、目立たないFVGは確度が落ちるの注意してください。)
価格が中途半端にFVGに入っていると、その後はFVGを完全に埋める値動きになりやすい特徴があります。
上位足がこの状態になっている時に、下位足で細かく取っていく戦略です。
前述通り、価格がFVG内に入っている時は分かりやすい値動きをしますので、この特徴を利用します。
上位足がFVG内にある時の考え方とエントリー
では具体的に解説しています。
時間足(上位足として)
下のチャートはユーロドル4時間足です。これを上位足とします。
チャート右端では価格がFVGの中に入ってきているのが分かります。
このFVGは、以前のダウントレンドを終了させるきっかけとなる大陽線によって生まれたもので、非常に大きくて明快です。
ここで、今後の動きとしては、「ピンクの価格帯であるFVGを埋める=下げる」と考えます。
「価格はFVGに引き寄せられやすく、入ってきたら完全に埋める可能性が高い」という前提のやり方です。
このような動きがあった後に再度FVGに入ってきた際は、更にFVGを埋める確率が高まります。
15分足でコツコツ取っていく
この時の15分足はこのようになっていました。
当然ながら、15分足でもしっかりと4時間足のFVGに入り込んでいます。
トレンドとしてはダウントレンド。
15分足単体を見てもショートしたい相場ですし、4時間足ではFVGを埋めに行っている途中ですから、積極的に売りで行きたいところです。
この15分足にオーダーブロックを表示すると以下のようなところになります。
オーダーブロックの下は勢いよく下げており、4時間足FVGの中ですから、再度オーダーブロックまで戻して来たら、高確率で反転して下げると考えられます。
その後の動きです。
前述通り、オーダーブロックまで戻してから下落して安値を更新しています。
シンプルにオーダーブロックでショートすれば勝てる値動きです。
そして、更に安値を更新していますので、また直近の高値付近がオーダーブロックとなります。
下のチャートが新たにオーダーブロックを描画したものです。
オーダーブロックまで戻したら、再度売りを検討します。
その後の値動きです。
またオーダーブロックまで戻してから下落して安値を更新しました。
セオリー通りのエントリーで面白いくらいに勝てています。
そしてまた直近の高値がオーダーブロックになります。
またここまで戻したらショートを狙います。
これまでが上手く行き過ぎていますので、損切りになる可能性もありますが、ダメなら即損切りすれば良いのです。
その後の値動きです。
またオーダーブロックへ戻して安値を更新。
FVGを完全に埋めていきました。
改めて4時間足を見ても、以下のようにしっかりとFVGを埋めています。
このピンクのFVGの下の価格帯は買いのオーダーブロックになっていますので、今後は反発することが考えられます。そのため、とりあえずここでショート戦略を終了とします。
しかし、一気にブレイクすることも・・・
今回ご紹介したFVG戦略は、上位足がFVG中にある時に、下位足でFVGを埋める値動きの方へ仕掛けるやり方です。
このやり方には注意点があります。
それは、「上位足のFVGがそれほど大きくない時、一気にブレイクする可能性が高い」という点です。
例として下の4時間足チャートをご覧ください。
現状としては、FVGの中にレートがあります。
過去に何度かFVGに入り込んでいますので、本格的に下にブレイクする可能性は高いと考えられます。
この時の15分足は下のチャートのようになっています。
当然ですが4時間足FVGの中に入り込んでいます。
しかし、先ほどの例と比べると、FVG自体が小さい印象を受けます。
このようなケースだと、一気にブレイクしてFVGを埋めていくことが良くあります。
下のチャートがその後の値動きです。
ちょっとした戻りはありましたが、短時間で埋めています。
このように、上位足のFVGが比較的小さい場合は、下位足でもオーダーブロックまで戻すことなく一気に動くことが多いです。
そのため、下位足レベルで勢いよくFVGに突入してきたら、それに乗ってみるのも一つの戦略だと思います。
まとめ
今回の記事のまとめです。
- 上位足がFVGを埋める時の値動きは、下位足では狙いやすい動きをしやすい
- 上位足のFVGが大きい時は、下位足でオーダーブロックまで戻したところで積極的に入っていく
- 上位足のFVGが比較的小さい時は、下位足で勢いよくFVGに入ってきたところで入っていく
- 上位足のFVGを埋めたら、とりあえず利食いして、静観に戻る
上位足がFVGの中にあると、下位足では非常に分かりやすくトレードしやすい値動きになりやすいです。この点を理解してトレードすることで、より確度の高いトレードが継続できます。
ぜひ参考にしてみてください。