マーケット(市場、相場)の本質やトレードの本質とは一体何?

よくマーケット(市場)の本質とかトレードの本質といったことがまことしやかに語られます。

例を挙げますと「負け組はマーケットの本質を知らないから勝てない」と言って、自身の販売する商材やコンサルを売りつけるケースですね。

「本質」というと、一つの真理を突いたような印象を受けますが、「マーケットの本質、トレードの本質」といった言い方をする場合、多くでその答えは曖昧でぼんやりとしており、まるで「本質」を濁したような言い回しになることが多いです。正に皮肉です。

では実際のところマーケットの本質やトレードの本質とは一体何なのでしょうか?

今回はそのことについて真面目に考えたいと思います。

マーケットの本質とトレードの本質は違う

まず先言っておくと、マーケット(市場、相場)の本質とトレードの本質は意味が異なるため、別々に考えてやる必要があります。

マーケットの本質とは、マーケットの動き方そのものについて考えるものであり、
トレードの本質とは、マーケットから利益を出すためのものになります。

つまり、トレードで勝つためにはマーケットの本質を理解し、そこからトレードの本質を得る事が重要になると言えます。

また、いずれにしてもこれらの本質は人によって違います。
なぜなら、相場の動きは完全に解明されておらず、相場が分かったとしてもそれは相場全体の動きの中のせいぜい数%程度しか分かっていないからです。

 「本質」という割りには人によって定義が異なるわけですから、いかに相場というものが複雑で、人によって見えるものが異なっている存在であるかが分かります。

マーケットの本質とは?

前述の通り、マーケットの本質とは相場の動き方の本質になります。

これは、相場を観察する人によって本質の定義が真逆と言って差し支えないほどに大きく変わってきます。今回はランダムウォーカーとトレーダーを比較します。

ランダムウォーカー

例えば効率的市場仮説を信奉する学者などは、マーケットの本質を「全くもって予測する事ができないランダムな存在」と定義するでしょう。ランダムウォーク理論です。

ランダムウォーク理論によれば、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析は何の根拠も無いことになりますので、チャート分析自体が全くの無意味ということになります。

彼らにとって、市場を予測してアルファ(超越利潤)を得ようとすること自体が馬鹿げた行為なのです。(後述しますが、ランダムウォーカーはインデックス投資でベータ(市場平均)を狙うことを推奨しています)

相場は効率的ではないと考える人たち

その一方で、「市場は決して効率的でランダムではない=市場は何らかの形で予測が可能である、アルファが狙える」と考える人たちがいます。我々トレーダーです。

マーケットを動かすのは市場参加者。
だから、市場参加者の心理を理解することで市場の予測はある程度は可能である、ということがトレーダーにとってのマーケットの本質の一つになるでしょう。

また、もう少し細かい事に目を付けると、数学者であるベノワ・マンデルブロが発見した

  • 市場の動き方はどの時間軸で見ても似たような動きをするフラクタル構造となっている。
  • 市場の動きは正規分布ではなく、裾野の広いベキ分布である。

といった点は科学的にも認められている事実ですので、間違いなくマーケットの本質に含まれます。
(価格レートがボリバンの±2σ内に95%、±3σ内に99%収まるというのは、あくまでも相場の動きが正規分布だったら・・・という仮定に基づくものです)

さらに細かく見ていけば、トレーダーによってはダウ理論、エリオット波動、グランビルの法則、チャートパターン、プライスアクションなども人によっては「本質」になるのでしょう。

もっと砕いていけば、「相場にはトレンドとレンジがある」といったレベルの話ですらマーケットの本質になり得るのです。

トレードの本質とは?

トレードの本質とは、自分の考える「マーケットの本質」から優位性を見いだし、「勝ち続けられる方法」を見つけ出すことになります。

前述のランダムウォーカーにとっては、マーケットの本質は「予測できないモノ」ですので、ダウ平均やS&P500といった経済成長を続ける国のインデックスをバイ&ホールドする事こそが「トレードの本質」になるのです。

また、我々トレーダーにとってのトレードの本質は、市場の中の非ランダムな局面や歪みを見つけ出し、それをルール化して取引を続ける事になります。

トレーダーにとっては、優位性のある収益機会さえあれば手法は問わないのです。

収益機会を見つけるために、王道的なダウ理論を使うのもいいですし、複数のテクニカル指標を使っても良い。業者の提示するポジションの偏りを参考にするのも良いでしょう。

他にもスワップレートの差を利用するスワップアーブ、業者間のレートの違いを利用する業者間アーブ、ドルストレートとクロス通貨のレートに瞬間的に産まれる価格差を利用する三角アーブなど、裁定取引を使うのもありなのです。

つまり、トレードの本質は市場参加者の心理を読むとか、そういったことではなく、自分に取って収益のある機会を見つけることに他なりません。

まとめ

今回は私の考えるマーケットの本質とトレードの本質について考察しました。

まとめると以下のようになります。

マーケットの本質

市場の動き方に関する個人の考えに過ぎない。

市場の動きが完全に解明されていない以上、人によって本質は違ってくる。

 ここで言う「本質」は科学的に認められた事実もあれば、何の根拠もないファンタジーであるものも含まれる。

トレードの本質

マーケットの本質から優位性を見いだし、勝ち続けられる方法を見つけ出すこと。

トレーダーに限って言えば、市場の中の非ランダムな局面や歪みを見つけて、それをルール化してトレードすること。

 要は勝てれば良いので、別に王道的な手法にこだわる必要はない。
奇抜なやり方であっても勝てればそれはトレードの本質である。

本質という魅力的な言葉に騙されるな!

冒頭でも書きましたが、「相場の本質を知らないから勝てない!」と言ってトレードのコンサルを勧誘してくるケースがよくあるようです。

少し前にメルマガの読者さんから以下のようなメールを頂きました。

先日ツイッターで勝ちトレードを日々発信している方に質問したところ、LINEで話しませんか?と誘われました。

すぐにLINE登録し、何度も何度も質問をしました。

結局、参考になるような回答は得られなかったけど、その方はこんなことを言っていたのをはっきりと覚えています。

日本人の9割は相場の本質を知らないから一生負け組。
普通にトレードをしていては一生気付かない。
考え方がまるっきり違う。

海外のトレーダーは日本人とは違う感覚でチャートを見ているんだ。
俺は師匠に弟子入りして教えてもらったからわかったけど、Youtubeやブログなどにあるようなやり方でトレードをしていたら間違いなく破産するよ。

彼らは販売の宣伝のためにやっているんだから真似して簡単に儲けられるわけない」と言われて大変驚きました。

残念ながら、その方から「相場の本質」を教えてもらえませんでしたが、私の弟子になればアドバイスをすると言ってきました。
巷にある高額塾よりも高い金額を提示してきたので入塾はお断りしました。

本質を知れば簡単に勝てるようになる!といった言い回しをする人は信用しない方がいいでしょう。

 

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