この記事は8月10日の午後20時頃に公開しました。
記事公開後は更に下落しています。
詳しくは追記をご覧ください。
本日8月10日の日本時間15時過ぎにトルコリラが大暴落しました。
(トルコリラ円5分足)
昨日の深夜に20円を割り、そのまま東京時間でも下げ続け、その流れのまま急落となりました。
一部報道では17円49銭まで下落したとありましたが、あまりにも急な値動きだったため、FX業者によって最安値に違いが出ています。
上のチャートはヒロセ通商の1分足です。
15時12分から一気に下落が加速し、最安値である16.926円をつけた15時15分までのたった3本の足で1.82円も下落しました。
3分で180pips以上動くなんて普通の通貨ペアでもなかなか見られないレベルの値動きですが、価格レートが20円にも満たないトルコリラ円でこの動きは正に「衝撃」です。たった3分間で約10%も値を下げたわけですから・・・。
ドル円で例えれば、たった3分で110円から99円まで下げたようなものです。
正に「トルコリラショック」といっていいでしょう。
トルコリラが下落した理由
トルコリラは長期間にわたって下落が続いています。
下落している理由としては以下の3つが挙げられます。
・経常収支が赤字で資本が国外に流出している
・高インフレが続いている
・政治情勢が不安定
ちょうど10年前の2008年8月のトルコリラのレートは94円だったのですが、リーマンショックで大きく下落。2014年のエルドアン氏が大統領になってからは独裁化が進み、途中で軍事クーデターがあったりと政治情勢が不安定になりました。そして2017年にトランプ氏が大統領になってから米国との関係が悪くなり、下落の一途をたどっています。
今年の6月25日にエルドアン大統領の続投が決まったことで、なぜか一時な反発を見せるも、エルドアン大統領の独裁化が強化されるだけで政治情勢は良くはならず、8月に入ってからはアメリカとトルコ・イランの関係が一気に悪化して更に下落していました。
本日8月10日の暴落については、
- アメリカとトルコの関係悪化でトルコリラが売られやすい地合い
- 8月相場で流動性が低下している状態
- 少し下のレートに日本人トレーダーの(ミセスワタナベ)のストップロスが溜まっている
ということを見越して、ファンドや銀行等がストップ狩りを狙ってきた可能性もあるかな思います。
その証拠に、一気に下げてからは、すぐに全戻ししています。
日本人トレーダーは大丈夫か?
トルコリラの政策金利は先進国とは比べものにならないくらい高い状態が長く続いており、FXでも高いスワップポイントが受け取れます。
また、為替レートも徐々に値下がりをしていることもあってか、トルコリラ円は逆張りが好きな日本人トレーダーから人気の高い通貨ペアとなっていました。
そして今年の5月には政策金利が16.5%、7月には17.75%と大幅に上昇。
為替レートも当時の底値付近をウロウロして底固い雰囲気と割安感もあったために、最近では特にスワップ狙いの日本人トレーダーのロングポジションが増えていたはずです。
そんな中での今回の下落。
FX業者によって付けた安値は違いますが、早すぎる下落によってロスカット注文が間に合わず、証拠金がマイナスになってしまった人もいるのではないかと思います。
人気ブログ俺的ゲーム速報@刃の管理人であるJIN氏も含み損が1千万円を超えて寝込んでおられます。
政策金利が高い通貨、レートが下げ続ける通貨には、理由がある
為替レートが安く、スワップポイントの高いトルコリラ円は魅力的に見える気持ちは分かります。
しかし、国内の政局が不安定、周りアラブ諸国も不安定、米国との関係が悪化している、取引量の少ないマイナー通貨等の理由を考えると、やはりトルコリラはハイリスクであると言えます。
「これから上げるはずだ!」
と思っている方も多いと思いますが、期待や希望だけで取引するほど簡単な通貨ペアではないのは、これまでの値動きを見ればよく分かるはずです。
政策金利が高い通貨、レートが下げ続ける通貨には、それなり理由があるものです。
追記 トルコリラ更に暴落
この記事を公開後、アメリカがトルコから輸入される鋼鉄とアルミニウムについて関税を2倍に引き上げると発表したため、トルコリラの売りが更に加速し、15円台まで下落しています。
(トルコリラ円1時間足)
10日15時頃の瞬間的な下落は序章に過ぎなかったようです。
やはり不安定な国の通貨を長期間保有するのはハイリスクであることが今回証明されましたね。
ちなみにJin氏は更なるダメージを受けて、トルコリラ円のポジションは今後損切りしていくと動画内で報告されています。