メジャー通貨ペアで大きく動いた日とその値幅を調べてみた!

外国為替市場にはストップ高、ストップ安と言った値幅制限はありません。

これは外国為替市場には「取引所」と言うものが存在せず、銀行間で形成される「インターバンク」によって為替レートが決定されるからです。

また、外国為替市場は株式などの他の投資商品と比較して流動性が圧倒的に違います。
外国為替市場全体の1日の取引量は約5兆ドル。
この流動性のおかげで、「値段がつかない」という事が無いのです。

そんな外国為替市場ですので、1日の値幅は決して大きいものではありません。
しかし、過去には何らかの原因によって大きく動くこともありました。

今回はクロス円を中心に、過去の相場で1日で大きく動いた日とその値幅について調べてみました。

検証方法

目的

過去の相場において、1日でどれだけの値幅があったかを調べる

検証期間

2005年~2017年8月まで

検証通貨ペア

ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、NZドル円、
スイスフラン円、ユーロドル

検証方法

各通貨ペアにおいて検証期間中における1日の値幅(高値-安値)を算出し、その値が大きいものから順番に並べる。
また、変動率も一緒に求める。

検証結果

ドル円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2016年6月24日 850 7.99
2位 2008年10月24日 731 7.51
3位 2010年5月6日 616 6.57
4位 2008年10月28日 595 4.88
5位 2008年10月6日 587 6.32
検証期間の1日の平均値幅:97.9pips
検証期間の標準偏差:59.1pips
検証期間の1日の平均変動率:0.96%

検証期間中で一番大きく動いたのは2016年6月24日で、イギリスの国民投票でイギリスのEU離脱が決まった日でした。

他は2008年のリーマンショック後、そして2010年5月6日にNYダウが突然大暴落したフラッシュ・クラッシュの日がランクインしました。

 

ユーロ円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2008年10月24日 1331 10.9%
2位 2016年6月24日 125810.8%
3位 2010年5月6日 10879.34%
4位 2008年10月28日 1017 8.28%
5位 2008年11月13日 883 6.38%
検証期間の1日の平均値幅:143.4pips
検証期間の標準偏差:93.4pips
検証期間の1日の平均変動率:1.12%

ユーロ円でもブレグジットショックの日、フラッシュクラッシュの日、そしてリーマンショック後がランクインしました。

ドル円と比較するとやはり変動率も高めで、1日に1000pips以上動く日もありました。

 

ポンド円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2016年6月24日 2,698 17.75
2位 2008年10月24日 2,053 13.35
3位 2008年10月28日 1,342 8.76
4位 2010年5月6日 1,262 9.24
5位 2008年10月6日 1,182 6.60
検証期間の1日の平均値幅:194.7pips
検証期間の標準偏差:136.9pips
検証期間の1日の平均変動率:1.03%

ポンド円も大きく動いた日付はドル円やユーロ円と大きくは違いませんが、注目すべきはその値幅と変動率ですね。

特にブレグジットショックの日は予想外の結果となって、非常に大きく動いたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
標準偏差の18倍以上の動きがあったわけですから、その凄さが改めてよくわかりますね。

 

豪ドル円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2008年10月24日 1,108 17.42
2位 2008年10月9日 1,085 13.85
3位 2016年6月24日 959 12.34
4位 2008年10月8日 896 12.63
5位 2010年5月6日 869 10.60
検証期間の1日の平均値幅:120.5pips
検証期間の標準偏差:84.8pips
検証期間の1日の平均変動率:1.20%

豪ドル円もランクインした日付はそう大きくは変わりません。
比較的値幅は小さい印象があったのですが(特に最近は)、1日の平均値幅が120pipsもあったのが意外でした。そのため、1日平均の変動率も高くなっています。

 

NZドル円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2015年8月24日 888 11.23
2位 2008年10月24日 880 15.60
3位 2016年6月24日 842 11.36
4位 2007年8月16日 716 8.85
5位 2008年10月6日 707 10.58
検証期間の1日の平均値幅:107.5pips
検証期間の標準偏差:67.6pips
検証期間の1日の平均変動率:1.33%

NZドルの一位は2015年の8月24日。
この日はチャイナショックでドル円、クロス円が大きく下落した日でしたが、その中でも大きく下落したのがNZドル円でした。

 

スイスフラン円

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2015年1月15日 2,421 21.24
2位 2016年6月24日 882 8.27
3位 2011年9月6日 820 8.31
4位 2011年8月9日 687 6.72
5位 2015年1月16日 665 4.85
検証期間の1日平均の値幅:101.7pips
検証期間の標準偏差:75.1pips
検証期間の1日の平均変動率:1.00%

スイスフランで1位はやはりスイスフランショックの日でした。
この日の変動率は約21%、そして標準偏差の30倍以上動いたわけですから正に「ありえない」動きだったと言えるでしょう。

第3位の9月6日はスイス国立銀行が1ユーロを1.20フランに設定するとして大幅な介入をした日です。この日もとんでもない動きをしたので、大きな話題になったのを今でも覚えています。

 

ユーロドル

順位日付値幅(pips)変動率(%)
1位 2008年12月18日 539 3.73
2位 2016年6月24日 518 4.54
3位 2008年11月4日 517 4.09
4位 2008年12月16日 512 3.74
5位 2009年3月18日 511 3.92
検証期間の1日の平均の値幅:120.0pips
検証期間の標準偏差:66.6pips
検証期間の1日の平均変動率:0.91%

ユーロドルは主にリーマンショック後の高ボラ期がランクインしました。
他の通貨ペアと比較すると、よく動いた日でも値幅は小さめですし、変動率も低めです。
やはり一番取引量の多い通貨ペアは動きにくいのかもしれませんね。

まとめ

以上、クロス円を中心に過去に良く動いた日の値幅を調査してみました。

トレード歴が長い方は「あ、こんな日あったよなぁ」と思われるのではないでしょうか?

外国為替市場の動きは基本的には穏やかで、通常はレバレッジを使わなければ効率よく利益を増やすことは難しいです。

しかし、数年に1度「ショック」的な動きが発生すると、それまでは比較にならないほど一気に動くことも現実にあるわけですから、適切な資金管理やリスク管理をしっかりと行っていく必要があると思います。

相場は理論とはかけ離れた動きもすることを忘れずに、取引していきたいですね。

 

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