アメリカの有名な相場格言にこのようなものがあります。

Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.
5月に決済して去れ。セントレジャーデー(9月第二土曜日)まで戻ってくるな。

よく「セルインメイ」と言われるものです。
これは、アメリカの株式市場の長い歴史の中から見出された、帰納的なアノマリーの一つで、5月から9月の間は株価が上昇しにくく、逆に10月から春にかけて株価は上昇しやすいことを意味しています。

かなり昔から言われている相場格言ではありますが、これが現在の市場でどれほど通用するのか?、そしてアメリカの株式市場だけでなく日本の株式市場、そしてダウ平均に連動しやすいドル円はどうなのか?という事について調べてみました。

何か優位性が見つかれば、色々な戦略と組み合わせられそうです。

調査方法

■調査対象
ダウ工業平均、S&P500、日経平均、ドル円

■調査方法
Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.
に従って、調査対象について毎年10月の始値でロングポジションを持ち、4月の終値で決済する。5月~9月の間は一切ポジションを取らない。

このシンプルな取引で、どれだけの値幅が取れるかを調査する。

■調査期間
2001年~2017年(2月まで)

ダウ工業平均の調査結果


(四角で囲った部分が10月~4月の足です。10月にロング、4月に決済した際に利益となったものを青色、損切りになったものを赤色で示します。クリックで拡大します。)

■結果
・2001年から2017年2月までのダウ平均の上昇幅:10,021ドル
・4月にロング、10月に決済するルールで取れた値幅:14,715ドル

2001年から2017年までのダウ平均は、2007年のサブプライムショック、2008年のリーマンショックで暴落しながらも結果的には大きく上げてきています。

そのためか、10月の始値でロングを仕込んで、4月の終値で決済するルールでは、2001年から2017年の間で損失となった年は2回のみ。勝率は87.5%!凄いですね。

しかもダウ平均の上昇幅よりも多く取れていますので、「セルインメイ」のアノマリーは確かに優位性があります。

S&P500

■結果
・2001年から2017年2月までのS&P500の上昇幅:1,043ドル
・4月にロング、10月に決済するルールで取れた値幅:1,522ドル

S&P500もダウ平均とほぼ同じ結果です。
やはり実際の上昇幅よりも効率よく取れていることがわかります。

ダウ平均とS&P500から、やはり「セルインメイ」の格言は正しいことが分かります。チャートを見てもらっても、やはり10月から4月の間は上げやすいと思えます。

日経平均

■結果
・2001年から2017年2月までの日経平均の上昇幅:5,220円
・4月にロング、10月に決済するルールで取れた値幅:13,245円

今度はダウ平均の影響を受けやすい日経平均です。
ダウやS&P500と比較すると日経平均は大きなレンジ状態が続いていますが、今回の検証で損切りとなったのは4回のみ。勝率は75%と良好です。

しかも驚くべきことに、今回の検証ルールでは実際の上昇幅の2.5倍以上の値幅を取ることが出来ました。

ドル円

■結果
・2001年から2017年2月までのドル円の上昇幅:-2.57円(-257pips)
・4月にロング、10月に決済するルールで取れた値幅:17.742円(1774.2pips)

ドル円については、2001年から2017年2月の期間で約2.5円下げたのにも関わらず、4月にロング、10月に決済するルールでは17円の値幅を取ることが出来ていました。

勝率は約56%と他のと比べると下がりますが、全体で下げた中で大きくプラスに持って行けた事を考えると、10月にロング、4月に決済するだけのルールはドル円でも通用するように思えます。

まとめ

今回の調査では、ダウ平均、S&P500、日経平均、ドル円において、10月にロング、4月に決済というシンプルなルールが有効であることが分かりました。

これは正に
Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.
と言う格言が現代の相場でも有効であることを示すものです。

このアノマリーは長期投資戦略においてかなり使えるのではないかと思います。
特に インデックス投資、ETF、確定拠出年金等に有効でしょう。

また、他の投資商品について調べてみても、面白い結果が得られるかもしれませんね。