FXにおいてナンピン、マーチンは有効か?有効な投資先は?

トレーディングでは、「資金管理で勝つ」という考え方があります。

極端な例を出しましょう。
1万通貨で100pips取って、1000通貨で100pipsの損失ならpips的にはプラスマイナスゼロですが、金額的な利益は大きくプラスです。

このように上手に資金管理をしてやれば、例え獲得pipsが少なかったり、マイナスであったとしても、しっかりと利益を出すことができるのです。

そんな色々とある資金管理戦略の中でも、最も有名で悪名高いのがマーチンゲール法です。

今回はマーチンゲール法について個人的な考えをまとめていきたいと思います。

マーチンゲール法とは?

マーチンゲール法はWikipediaにて以下のように説明されています。

最も古典的かつ有名な手法で、カジノ必勝法として永らく愛されてきた。倍賭け法とも言われる。
まず1単位賭け、負ければその倍の2単位、さらに負ければそのさらに倍の4単位、と賭けていき、一度でも勝てばただちに1単位に戻す、という手法である。試行回数に関係なく、勝った時には1単位を得ることになる。
多くの場合には少額の勝ちであるが、負ける時は大敗する。負けが連続するとたちまちパンク、もしくはテーブルリミットと呼ばれる賭けの上限に達してしまう。

負ければ倍プッシュを繰り返すシンプルかつ分かりやすい方法です。

マーチンゲール法の大きな特徴は、負けが続いたとしても、その後に勝ちが来るのであれば、最後の最後でそれまでの負けの分を取り戻せる、ということです。

しかし、いつ勝てるのかについては不明ですから、その時までに資金を残しておく必要があります。倍倍で掛け金を増やすとなれば、負け続けるほど膨大な資金が必要になるのですが、予想外に負けが続いて次に賭けるお金が尽きて破綻してしまう・・・という話もよくあります。

そのため、一般的なギャンブルやトレーディングではマーチンゲール法は破滅をもたらす可能性があるとして、あまり推奨はされていません。

しかしここ数年で、マーチンゲール法とナンピンを組み入れたEAや手法が少なからず商材として販売されています。

ナンピンとは?

ナンピンとは、Wikipediaで以下のように解説されています。

買い建てた後に価格が下落した場合、下値で買い増しすることで、1株あたりの買い値(平均取得価格)を下げる手法である。平均取得価格が低くなることで、その後の上げ幅が少なくても、利益が出る・±0・軽微な損失で処分する等が可能となる。これが「ナンピン買い」である。空売りした後で株価が上昇した場合に、上昇後の値段でさらに売り増しする「ナンピン売り」もある。

通常なら上手くいかず損切りするところで、逆にポジションを取るという戦略です。

ドル円を100円でロング⇒99円まで下げてきたので再度ロング・・・

といった感じで自分のポジション方向に逆行するたびに新規にポジションを入れていきますので、ポジションの平均取得価格は下げられるメリットはあります。

ですので、そのまま価格が上昇すれば早い段階で含み損を帳消しにする事ができるのです。

しかし、ポジション自体は大きくなっていきますので、下落が続けば強制的に決済されるリスクもあります。下手にナンピンを続ければ、転がり続ける雪玉のように気付けばとんでもなく大きなロットを取ってしまっていることになりかねません。

このやり方もトレーダーによって大きく好き嫌いの分かれる方法です。

嫌われ者のナンピンとマーチンを組み合わせるとどうなるか?

ナンピンもマーチンゲールも、「無計画」で行うとかなり危険です。
負けた怒りに任せて、損切りをせずに新規に倍のポジションをとるのは自殺行為です。

でも、しっかりと計画を立てた上でのナンピン・マーチンならどうでしょうか?
しっかりと手法を明確化して、「最後の損切り」までを決めてやれば大丈夫かもしれません。

そうなると、かなり低いロットで最初のトレードを始めないといけないために、資金効率的にどうなんだろうか?という考えが私にはあります。

小銭を稼ぐために潜在的に大きなリスクを取るのはあまり効率的ではないのです。

私個人の考えで書かせてもらえば、
「毎回のトレードで傷が浅いうちに早めに損切って利益が出てきたら伸ばす」
これを繰り返していくのが一番いいと思います。

ナンピンやマーチンを否定はしませんが推奨もしません。
ひとつだけ確かなのは、「私はやりたくない」ということだけですね。

なぜナンピン&マーチン型のEAが人気なのか?

ネットを見ると、ナンピンとマーチンを組み合わせたEAが多く販売されています。
twitterでも、無料で右肩上がりの滑らかな、明らかにナンピンとマーチンを組み合わせたEAをプレゼントしている人がいましょね。

バックテストのデータを見ると、どれも見事な右肩上がり。

「コレなら勝てるかも!」

と思ってしまいそうですが、これらのデータを信じてはいけません。
なぜなら、ナンピンやマーチンのEAの多くが、過去のバックテストで破産しないように調整して作ってあるからです。

将来の相場が過去と同じような動きであれば問題ありません。
しかし、ほとんどのナンピン&マーチン型のEAでは大ドローダウンが生じます。

EAのバックテスト結果を鵜呑みにしてしまった人は、立ち直れないほどの大ダメージを受けるでしょう。私もそのようなトレーダーさんを何十人とみてきました。

ですので、ナンピンやマーチン型のEAが人気であっても、EA初心者の方は手を出さない方が賢明です。

ナンピン&マーチンが使える銘柄

個人的にはレバレッジを使う取引でナンピンやマーチンはおススメしません。

しかし、レバレッジを使わない株式投資で、しかも倒産等のリスクのない「インデックス投資」においてはナンピンやマーチンが長期的に見て有効に機能すると考えています。

インデックス投資は非常に多くの銘柄から構成されていますので、1つの銘柄が倒産してもダメージは少ないですし、長期的に見れば上昇していることを歴史が証明しています。

このような限られたケースであれば、ナンピンやマーチンの戦略を使うのも良いでしょう。

ただし、適当ではなくしっかりと戦略に基づいたナンピン&マーチンを利用されることをお勧めします。

 

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