みんなのクレジットが関東財務局からの行政処分により業務停止!一体何があったのか?

FXの話ではありませんが、ソーシャルレンディング事業者の1つである「株式会社みんなのクレジット」が監査を受けた結果、関東財務局より1ヶ月間の業務停止命令が下されたことが話題になっています。

みんなのクレジットは以前より最も平均利回りの高いとして有名なソーシャルレンディング会社でした。そのため、様々な投資関連のブログで話題にされており、ご存知の方も多いかと思います。

今回の記事では、ソーシャルレンディングに興味を持ちながらも、「どうも怪しいなぁ・・・」と思って投資はせずに監視していた私が、ソーシャルレンディングとは何か?と言う話から今回の「みんなのレンディング」の事件の流れについて解説したいと思います。

ソーシャルレンディングとは何か?

ソーシャルレンディングについては、Wikipediaでこのように書かれています。

ソーシャルレンディング(Peer-to-peer lending、Social Lending)とは『ネット上でお金を借りたい人、企業』(ボロワー)と『ネット上でお金を貸したい人、企業』(レンダー)を様々な方法で結びつける融資仲介サービスである。

通常、企業がお金を借りる場合は、取引先の銀行で「融資」してもらうことが一般的です。
しかし、どんな企業でも銀行から融資を受けられるわけではないのはご存知の通りで、「お金さえ調達できれば・・・」と思いながら倒産していく企業は数多く存在します。

そんな中で、ネットを通じてお金を借りたい企業とお金を貸したい人を結びつけるビジネスとして誕生したのがソーシャルレンディングで、この事業を行っているのがソーシャルレンディング企業です。

借り手となるのは必然的に銀行からの融資は受けられそうにない中小企業がメイン。
当然支払わなくてはいけない利子は銀行の利子よりも多くなります。

そして貸し手となるのは我々投資家です。
投資家に支払われる利率は5~10%程度
国債や銀行等とは比較にならない利率ですが、貸し倒れリスクやソーシャルレンディング会社の倒産リスクもあります。それでも一応ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言う扱いのようです。

また、ソーシャルレンディング会社によっては定期的にキャッシュバックキャンペーン等を行っており、投資家を集めていました。

一応どのソーシャルレンディング会社も倒産リスクや元本割れのリスクは非常に低いことをアピールしていたものの、私はどうも「話が上手すぎるなぁ」と思っていました。

で、みんなのクレジットは何をやらかしたの?

今回の主役となる「みんなのクレジット」は、借り手と貸し手を結びつける仲介役を行うソーシャルレンディング会社の一つです。

FXをやっている方なら、「みんなの」というタイトルが付くとFX業者の「みんなのFX」を運営するトレーダーズ証券と関わりがあるように思えるのですが、調べてみると一切関わりはないようです。

前述したように、みんなのクレジットは業界の中でも高い利率で、更には定期的に派手なキャンペーンを行う事で人気と知名度の高い会社でした。

そして事件は2016年12月に起こります。
金融庁の検査が入ったのです。

検査終了後はネットで色々と話題になるも、特に何事もなく時間が過ぎていきました。しかし、2017年の3月24日にみんなのクレジットの不正融資が発覚し、証券取引等監視委員会より検査結果に基づく勧告が出されニュースになりました。

以下、日本経済新聞の記事です。

証券取引等監視委員会は24日、金融商品取引法に基づき、みんなのクレジット(東京・渋谷)を行政処分するよう金融庁に勧告した。同社はインターネットを通じて個人投資家によるベンチャー企業などへの小口融資を仲介する「ソーシャルレンディング」を手掛けている。みんなのクレジットは実際の貸付先が親会社とグループ会社へ集中しているなど、出資者への説明に誤解を招く表記があった。

監視委によると、同社は組成したファンドの償還資金や貸付先の親会社の債務超過状態を解消するための増資資金などにも出資金を充てており、投資家保護の観点でも問題が認められたという。また、親会社の貸借対照表上では短期借入金が流動資産を大きく上回っている状況だといい、今後ファンドからの貸付金の返済が滞る可能性が高いと指摘している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

事件の全体像については分かりやすい画像が証券取引等委員会にありました。

簡単にご説明しますと、みんなのクレジットでは投資家から集めた資金を、決まっていた融資先ではなく自社の関係会社に融資したり、他の投資家への現金還元に使用していた等の自転車操業を思わせるような業務状態だったようです。

更には、関係会社に融資した資金を白石代表の借金返済等に充てられていたことも指摘されています。
みんなのクレジット側はこれらの件について色々と弁明をしていますが、これはもうポンジースキームと捉えられても仕方がないのではないでしょうか?

(白石伸生氏についてググってみると、彼はシーマの白石一族として有名なようです。彼の父親は「さくら画廊」の社長で、シーマ株式の売却益の脱税で逮捕された経歴があります。)

そして3月30日に関東財務局よりみんなのクレジットに対する行政処分が下されました。
処分内容は1ヶ月間の業務停止命令と業務改善命令。
これだけのことをしでかしたのに1ヶ月の業務停止命令は軽い気もします。

出資した投資家は今後どうなるのか?

今回の件で多くの投資家が資金を引き揚げようと躍起になっているはずです。
しかし、出資金が戻ってくるのかどうかは定かではありません。

一部では被害者の会を設立していたりするようです。
出資している方は参加してみられると良いでしょう。

高額配当の投資話には気を付けろ!

今回の事件はソーシャルレンディング事業者の「みんなのクレジット」で起きた不祥事ですので、ソーシャルレンディング自体が悪い、危険と言うわけではありません。

しかし、有名なみんなのクレジットが行政処分を受けてしまったために、業界全体のイメージ低下につながるのは否めないでしょう。

今回の件で、私はバーナード・マドフ事件を思い出しました。
日本国債の利回りが限りなく0に近い中で利回り10%以上を謳うのはやはりそれなりのリスクがあったという事でしょう。

投資は自己責任です。
考えられるリスクを想定し、適切な資金管理をした上で投資すべきですね。

 

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