
MT4は非常に優れたチャートソフトです。
使いやすさ、表示性はトップクラスと言ってもいいでしょう。
その上、世界中のトレーダーやプログラマーが開発したインジケーターやEAまで表示できるのですから、一度使い始めたら離れられません。
しかし、MT4で表示できるのは基本的には通貨ペアのみ。
CFDのブローカーによっては日経平均やダウ平均などの指数まで取り扱うところもありますが、個別株等までは表示できないのが現状です。
私は株取引もやるので、MT4で個別株が表示できれば・・・と常々思っていました。
今回の記事ではMT4で個別株のチャートを表示させる方法を解説します。
Contents
突然ですが、下のMT4で示したチャートは何の銘柄を示しているでしょうか?
このチャートはなんでしょうか?
価格が通貨とは思えないですよね?
これは、最近燃費表示不正をした三菱自動車(7211)の株価をMT4に表示させたものです。通常ではこんなことは出来ないのですが、とあるやり方を実行することで、個別株のチャートもMT4で表示できるのです。
しかしこれが出来るのはあくまでもオフライン状態でのみ。
リアルタイムで個別株のチャートをMT4で表示させることはできません。
そのためデイトレードには使えないかもしれませんが、日足を使ったトレードならば、前日までの個別株の日足をMT4で表示させて様々なインジを表示させて分析する、といったことが可能になります。
今回はそのやり方について解説していきたいと思います。
必要なものと手順の流れ
■必要なもの
・MT4(できればインストールしたての新しいMT4)
・株式データ:こちらより任意の銘柄・時間軸のデータをダウンロード
・秀丸エディタ:有料ソフトですが、無料で使えるお試し期間があります。
■簡単な手順
1.MT4をオフライン化し、既存のヒストリーデータを削除する。
2.株式のデータをMT4用に変換する。
3.株式データをMT4にインポートする。
では詳しく解説していきます。
1.MT4をオフライン化し、既存のヒストリーデータを削除する。
■MT4のオフライン化
まずは新しくMT4をインストールします。(今回はFXTFのデモでやります。)
MT4が立ち上がったら、メニューバーのツール⇒オプションをクリック。
「サーバー(S)」、「ログインID」、「パスワード」の欄に適当な文字を入力し、「プロキシサーバーを有効にする」にチェックを入れます。
こうすることでMT4が通信ができなくなり、オフライン状態となります。
■既存のヒストリーデータの削除
次に、MT4のメニューバー⇒「ファイル」⇒「データフォルダを開く」をクリックします。
データフォルダが出てきたら、「history」⇒「サーバーの名前の付いたフォルダ」をクリック。(FXTFの場合はGAINCapitalJapan-Demoとなっています。)
フォルダをクリックすると「○○.hst」というファイルがあるので、それらをすべて削除します。(画像の赤い四角で囲ったのファイル)
以上が終わったら、一度MT4を閉じてください。
2.株式のデータをMT4用に変換する。
まずはこちらより任意の銘柄・時間軸のデータをCSV形式でダウンロードしてください。
今回は三菱自動車の日足でやっています。
次に秀丸エディタをダウンロードし、先ほどのCSVファイルを秀丸エディタで開きます。
上部に出てくる株式データ以外の列(「銘柄、日付、始値・・・」などの文字が表示される列)は必要ないので削除します。下の画像の青い部分です。
次に秀丸エディタ上で「ctrl」+「R」キーを押すと「置換」のウィンドウが出てきます。
ここで、以下の操作を行います。
1.「正規表現」のチェックボックスにチェックを入れます。
2.「検索」に以下をコピー&ペーストします。
([0-9]{4})-([0-9]{2})-([0-9]{2})3.「置換」に以下をコピー&ペーストします。
\1\.\2\.\3\,00:00最後に「全置換」をクリックすると、MT4で読みこめるデータとなります。
最後にデータを保存します。
ファイル名はMT4で表示される通貨名にしてください。
3.株式データをMT4にインポートする。
先ほど作成した株式データ(CSV)をMT4に入れていきます。
まずはMT4のメニューバーの「ツール」⇒「ヒストリーセンター」をクリック。
手順1ですべてのデータを削除したのでデータは表示されません。
今回はUSDJPNのところに、三菱自動車のデータをインポートします。
日足データなので「日足」のところをクリック⇒インポートをクリック。
手順2で作成したCSVファイルを読み込ませます。
以上が完了したら、新規チャートからUSDJPNを表示させると三菱自動車のチャートが
表示されます。
最初は少し大変ですが、慣れると簡単です。
日足の場合、毎日更新されますので継続する場合は直接ヒストリーセンターから手入力するのが一番簡単です。
このやり方の利点・欠点
最後に、MT4で個別株を表示させるやり方のメリット・デメリットをまとめておきます。
- MT4で使えるインジを株式チャートにも使える。
- MT4で日足分析ができる。
- MT4で個別株のデイトレの練習ができる
- リアルタイムで表示することは出来ない。
MT4だけで表示できる、とあるインジがあれば株でも勝てるのに・・・と思っている方、MT4で個別株のチャート分析をしたい方には是非お勧めします。
MT4に個別株チャートを表示させて何するの?
今回ご紹介したMT4に個別株チャートを表示させる方法では、リアルタイム表示できませんが、上手く使用すれば強い武器になります。
その利用方法について考えていきたいと思います。
1.日足分析、トレードの判断に利用する
これは前回の記事でも書きましたが、前日までの日足ならMT4で表示できますので、現在の相場の分析や明日以降の相場予測に使えます。
また、特有のシグナルなどのMT4だけでしか表示できないインジも当然使えますので、エッジの高いシグナルをお持ちの方は、それを個別株でも利用できることになりますね。
2.デイトレ及びスイングのトレード練習をする
前回では日足データを取り込む方法を解説しましたが、5分足や15分足などの短い時間軸のデータもMT4で表示させることができます。
そのため、日足以外の時間軸でもMT4でのチャート分析が可能となります。
更に、MT4裁量トレード練習君を使用すれば、過去の個別株データを使ってリアルタイムのように取引の練習が出来ます。
既にFXで勝てる手法や技術のある人が、株のデイトレを始めたい。
その前に手法が通じるかどうか練習しておきたい・・・。
そう考えている人には最高だと思います。
3.システムの検証ができる
MT4を使って、個別株のリアルのシストレは出来ませんが、システムが有効かどうかを過去のデータを利用して検証することはできます。
もしかすると、FX市場では役に立たなかったシステムが、とある株の動きとはぴったりマッチする・・・可能性もあるかもしれませんね。
MT4は凄い!
今回、MT4が非常に優れたツールであることを改めて感じました。
ツールは仕事道具。使い方次第ですので、上手に利用したいものです。