
あのスイスフランショックから2ヶ月あまりが過ぎました。
スイスフラン・ユーロの通貨ペアも落ち着きを取り戻しましたが大きな打撃を受けたFX業者の傷跡はまだ残っているようです。
例えば、スイスフランショックによって破綻してしまったあるアルパリはまだどこからも買い手がつかず、顧客は資金の返済を待っている状態。
(アルパリジャパンはスイスのデュースコピーバンクによって買収されました。)
また、何とか救済されたFXCM社も、ショック以降は取引高も低迷し、それに加えて複数の格付け会社がFXCM社の格下げを発表したために株価も下落しています。
まだまだショックの余波は続いているようです。
今回は、スイスフランショック後の世界各国のレバレッジ規制についてご紹介したいと思います。
アメリカのレバレッジ規制が一層厳しく!
今回のスイスフランショックによって、アメリカにおけるFX取引のレバレッジ規制がより厳しくなりました。
それまでは、メジャー通貨(日本円、ユーロ、ポンド、カナダドル、豪ドル、NZドル、スイスフラン、デンマーククローネ、スウェーデンクローネ、ノルウェークローネ)の取引では最大で100倍、それ以外は最大で20倍のレバレッジが認められていました。
しかし、スイスフランショックの影響によって、日本円、豪ドル、スェーデンクローネ、ノルウェークローネが最大で33倍。
ロシア・ルーブルが最大5倍、ブラジル・レアルが最大11倍、メキシコ・ペソが最大16.6倍、そして、スイスフランが最大20倍になりました。
日本のレバレッジ規制のように一律25%というわけではなく、通貨によって最大レバレッジが違うのが少しややこしいですね。
国によるレバレッジ規制の違い
レバレッジ規制は国によって異なります。
国別のレバレッジ規制についてまとめてみました。
アメリカ:上を参照
イギリス:無制限
オーストラリア:無制限
ロシア:無制限
香港:20倍
韓国:20倍
日本:25倍
西欧諸国では結構レバレッジ規制が全体的に緩めです。
そのため、FX業者も多くの損害を被ったと言えるでしょう。
2018年にESMAの規制により、ヨーロッパ圏ではレバレッジ規制が設けられ、メジャー通貨ペアが30倍、マイナー通貨ペアが20倍となりました。
海外FXで本社所在地の多いところ
日本でサービスを展開する海外FX業者といえども、レバレッジ規制の厳しい国に所在地を置くと、その国の規制対象となります。
ハイレバレッジのトレードを売りにするためには、レバレッジ規制の無い国に所在を置く必要があります。こういったFX業者の所在地が多いのが以下の国々です。
- モーリシャス
- オーストラリア
- キプロス
- ロシア
- マルタ
- シンガポール
- セーシェル
どれも規制のない、もしくは緩いところですね。
規制の無い国は、FX業者にもトレーダーにも魅力的なようです。
また、これらの国の多くがタックスヘイブンと呼ばれています。
タックスヘイブン国は、自国の税率を極めて小さくすることで外国からの企業を呼び込むことで成り立っています。
そのため、タックスヘイブン国はお金が集まりやすいです。
これらは国の政策に業者が乗っかってきているので合法ですが、急に金融規制が敷かれる可能性もありますので、海外FX業者を利用されている方は注意しておいた方が良いでしょう。