
9月に入り2016年も残すところ4か月を切りました。
しかし、「今年も早かったなぁ」と思うのはまだまだ早い。
ブレグジットショックなんてまだまだ前哨戦。
むしろ2016年はこれから始まるのではないか?と思えるほどに世界的には重大なイベントが控えている(かもしれない)のです。
今回は2016年に確実に起きるイベント、起きる確率のあるイベントについてまとめてみました。
アメリカ大統領選挙
今年は4年に1回のアメリカ大統領選挙の年です。
2008年のリーマンショック後に民主党のバラク・オバマ氏が大統領に当選、それから2期大統領を務めて今年で任期満了となります。
次期大統領候補は民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏。
日本では「トランプでも地獄、ヒラリーでも地獄」と言われる程に両者とも日本に対して厳しい態度を取っており、日本経済に寄与する可能性は低そうです。
過去の流れから行くと、民主党⇒共和党⇒民主党⇒共和党・・・・と大統領の出る政党は交代していますので、トランプ氏が大統領になる可能性が高いのでは?と私は考えています。
為替相場の反応としては、ヒラリー氏よりもトランプ氏の政策の方が不確実性が高いためにボラティリティが大きくなる、との見方があるようです。
アメリカの利上げ
2015年12月16日のFOMCで、2008年のリーマンショック後から続けていたゼロ金利政策を解除して利上げを始めることを決めました。
それ以降今年のFOMCでは「いつ利上げするか?」という事が焦点になっていました。
このことはFOMCのメンバー内でも意見が食い違っていることもあって慎重な流れになっていましたが、イエレン議長のジャクソンホールでの講演等を踏まえると、現在は9月の会合で利上げが決定する可能性が高いという憶測が流れています。
尚、アメリカが利上げをすれば短期的には円安ドル高の流れになることでしょう。
ドイツ銀行の破綻?
先月8月に、ドイツ政府が国民に対して
「10日分の食料と5日分の水を備蓄するように」
と呼びかけました。
この理由についての真意が明らかになっていないために様々な憶測が流れています。
その憶測としてテロ対策、そしてドイツ銀行の破綻説があります。
(ドイツ銀行は世界4位の資産を持つ民間企業で、ドイツの中央銀行はドイツ連邦銀行です)
ドイツのGDPは4兆ドルですが、ドイツ銀行の保有するデリバティブは75兆ドル。
ドイツGDPの約20倍、ユーロ圏の約5倍ものデリバティブを抱えるドイツ銀行が破綻してしまえば、ドイツ一国では救済することができません。
更に現状としてドイツ銀行は不正が発覚し世界中から訴訟を受けて経営難の状況で2015年は68億ユーロの赤字となっています。
もし、このままドイツ銀行が破綻してしまうとリーマンショック以上の嵐が金融市場に降りかかるでしょう。
世界経済は一気に減速してリスクオフの流れから円高の流れになる可能性もあります。
日本株価の暴落?
本日、約3か月ぶりに日経平均株価が1万7千円台を突破しました。
これは日本の経済がよくなったから…ではなく、日本年金機構(GPIF)による株式市場への介入と言っても過言ではない日本株買いの結果によるものです。
本当ならばもっと下落してもおかしくなかった日経平均を、安倍政権がアベノミクスを成功したかのように見せかけるために行ったドーピングに過ぎません。
GPIFが株式市場に投資できる金額は限られています。
何とか買い支えていたとしても、外国人投資家から一気に空売りを受ければ日経平均は暴落し、本来のあるべき価格に訂正される可能性があります。
また、日銀の金融緩和政策で円安株高の流れを作るのも厳しい状況となっており、私としては実体の伴わない株価上昇が現実である以上、今後の株高は望めないと考えています。
今後はより一層ニュースにチェックを!
申年の相場は騒ぐと言われます。
そして1年で最も相場がよく動く時期が9月から11月の間です。
個人的には今年は特にニュースのチェックを怠ってはいけないかなと思っています。
私はテクニカルトレーダーですし、テクニカル分析が最高の分析方法だと思っていますが、現実として相場はファンダメンタルズで動きます。
そのことを受け入れて、今何が起きているのかを最低限知っておくことで、リスク回避もできますし、それがチャンスになることもあります。
これから12月の頭までの約3ヵ月間。
慎重に相場を見ていければと思います。