日本国内の話ではありませんが、2018年8月1日より、ユーロ圏内にてCFD取引(FXも含む)について、レバレッジ規制をはじめとした大きな規制がスタートしました。

レバレッジ規制と言えば、つい最近の日本でも金融庁による10倍案がありました。
しかしこれは、FX業者やトレーダーから大きな反対にあって見送りとなった事が記憶に新しいですね。

ユーロ圏の方では、欧州証券市場監査局(ESMA)の主導の下で規制が進められ、日本と同じく業者やトレーダーから多くの反発がありながらも「投資家保護」の名目で、かなり厳しい規制が施行されることになりました。

ESMAとはヨーロッパの金融市場の機能を改善し、投資家を保護するために活動する機関です。日本で言うところの金融庁に近い役割を持っています。

この規制のおかげで、EU内に拠点を置くFX業者は大きな事業転換を迫られています。
また、日本で「海外FX業者」と呼ばれている業者の中にも、EU圏内に拠点を置く業者があり、規制で影響を受けるのはEU内のトレーダーだけではありません。

個人的には、今回のESMAによる規制が、世界のFX業界の流れを変える可能性もあるかな?考えています。

今回はその理由についてまとめていきたいと思います。

ESMAによる規制の内容について

ESMAによる新規制の内容は以下の通りとなります。

  • バイナリーオプションの禁止
  • レバレッジ規制
  • マイナス残高保護の義務化
  • ロスカットレベルを50%に統一
  • ボーナス等のインセンティブの禁止
  • 顧客の損失レベルをリスク報告書に追加
規制はEU圏内の金融ライセンスを持つ業者に適用されます。

では詳しく見ていきましょう。

バイナリーオプションの全面禁止

これを見るだけで、今回の規制がかなり厳しい事が分かります。

バイナリー禁止の理由としては、バイナリーはギャンブル性が高く、これまでにフランスなどの国々でキプロスに籍を置くBO業者が色々と問題を起こしてきたことが要因となっているようです。

規制のおかげでEU内のバイナリー業者は、撤退する、もしくはEU外のオフショア等で法人を設立して事業を継続する、という選択肢に迫られています。また、EU内のバイナリートレーダーもEU内に籍を持たない「海外バイナリー業者」でしかトレード出来ない状況になりました。

レバレッジ規制

それまでは、FX業者が自由にレバレッジを決められていましたが、規制によって最大レバレッジが定められました。

対象商品 レバレッジ
メジャー通貨ペア 最大30倍
マイナー通貨ペア
ゴールド
メジャー株式指数CFD
最大20倍
マイナー株式指数CFD
コモディティCFD
最大10倍
個別株式CFD
その他CFD
最大5倍
仮想通貨 最大2倍

通貨ペアや投資商品によってレバレッジは異なりますが、メジャー通貨ペアで最大30倍は日本と近くなっていますね。

レバレッジ規制のおかげで、EU内のハイレバトレードをしたいトレーダー達は、日本と同じく「海外FX業者」で口座を開設する必要が出てきました。

マイナス残高保護の義務化

いわゆるゼロカットの義務化です。
これまでも多くの海外業者で採用されていたゼロカットがEU内で義務化されました。
本当の意味での「投資家保護」ですね。
厳しい規制の中で唯一トレーダーが納得できる項目ではないでしょうか。

できれば日本国内業者でもゼロカットを推し進めて欲しいところですが、金商法の改定等が必要なため、なかなか難しいようです。

ロスカットレベルを50%に統一

証拠金維持率が50%になると強制ロスカットするルールになりました。

ボーナス等のインセンティブの禁止

一部業者では入金ボーナスや取引ボーナス、キャッシュバック等がありますが、EU圏内ではこれも禁止になりました。

顧客の損失レベルをリスク報告書に追加

FX業者には、顧客がどれくらいの損失を出したのかを報告することが義務づけられました。

EU圏内の人々も「海外FX」に流れる?

2011年に日本の国内業者の最大レバレッジが25倍になると、日本国外に拠点を持ち、金融庁による規制の影響を受けないFX業者(海外FX業者)の人気が一気に高まりました。

今回のESMAによる規制を受けて、EU圏内のトレーダーにも同じ動きが高まる事でしょう。

つまりは、EU外に拠点を持ち、高いレバレッジやバイナリーオプションのサービスを提供してくれる業者にトレーダーが流れていくのです。

実際、ヨーロッパ圏内に拠点を持つFX業者の多くが、既にEU外のオフショア国に運営会社を設立しています。例えばIron FXはイギリス、キプロス、バミューダに運営会社を持っており、今回の規制に不満のあるトレーダーには規制の影響を受けないバミューダ口座に切り替えてもらうことで、規制によるダメージを緩和しています。

FX業者で運営会社を複数持つのは外国の業者だけではありません。
例えばヒロセ通商はイギリスにHirose Financial UK Ltd.という運営会社を持っています。

今後のFX業界は、EU外のオフショアでの運営がメインになるかも・・・

今回のEU圏のレバレッジ規制を受けて、EU圏外のオフショア国に運営会社を持つFX業者の人気が高まるはずです。

オフショアとは別名タックスヘイブンと呼ばれます。
タックスヘイブンは金融に関する規制が緩く、法人税率が低いため、世界中のヘッジファンドや金融業者、節税したいグローバル企業の関連会社が集まります。

FX業者の集まるオフショア国には、バハマ、バヌアツ、セーシェル、ベリーズ、ケイマンなどがあります。
これらの国々も法人税が少ないため、FX業者は利益を残しやすくなります。
そうなれば、今後も質の高いサービスが期待できるようになるでしょう。

この流れが続くと、日本だけではなく世界的なレベルで、オフショアに運営会社を持つ「海外FX業者」の人気が高まるかも知れません。金融やカネは規制の少ない方に動きますので。

もし、日本で更にレバレッジ規制が進めば、国内業者もオフショア法人を設立して、「海外業者」として営業する日が来る可能性も否定できないかなと思っています。

言うまでもなく、海外FX業者は全て安全・安心というわけではありません。
オフショアは金融に関する規制が緩く、比較的簡単に金融ライセンスを取得できますので、詐欺業者も紛れ込む可能性もあります。
海外業者で口座を開設する場合は、複数の国で運営会社&金融ライセンスを持っている業者を選びましょう。

私がお勧めする海外業者はXMです。