8月10日のトルコリラショックによってトルコリラが大暴落し、外国為替市場(特に新興国通貨)だけではなく、世界各国の為替市場、債券市場にも影響が出ています。

チャイナショックやギリシャショックを思い出させる状態となっており、トルコリラをスワップポイント目的で保有している方の中には、大きな損失を出しているケースも多いようです。

そんなトルコリラですが、日本では昨年辺りから人気が高まり、トルコリラを取扱うFX業者も増えてきたように思えます。

そこで、トルコリラ円の取引高がこれまでどのように推移してきたのかを調査してみました。
調査に使用したデータは、金融先物取引業協会の店頭FX月次速報内の通貨ペア別取引金額です。

この記事で出す取引高のデータは、金融先物取引業協会に参加する国内業者(53社)の月間取引高を総合したものになります。

トルコリラ円の月間取引高の推移

2014年の中旬過ぎまでは、トルコリラ円の取引高は月間で500億円に満たない状態でした。
しかし、2014年終盤から徐々に取引高上昇。
2017年中盤までは月間3,000億円程度の取引高まで伸びました。

そして2017年後半から一気に取引高が上昇し、2018年5月には2兆2千億円を突破
2018年6月と7月は多少取引高が下がったものの、それでも高い水準を維持しています。

この急激なトルコリラ円の取引高の伸びは、通貨ペア別の取引高ランキングを見ても分かります。

左の表は2014年1月の通貨ペア別取引高ランキングです。
この時のトルコリラ円の取引高は21位でした。
しかし、取引高が最大だった2018年5月(右の表)では8位にランクインしています。取引高は何と46倍にもなっています。

トルコリラ円の取引高は、2017年頃までは通貨ペア別取引高ランキングの10位内に入ることはまずなかったのですが、2018年に入ってからは他の通貨ペアを押さえて、10位内の常連になっています。

トルコリラ円の取引高と価格レートの推移

次はトルコリラ円の取引高のグラフと一緒に価格レートの推移も一緒に表示しました。

2014年の取引高はまだ少なかったのですが、この要因はまだ為替レートが50円付近にあって「割安感」がなかったからだと思われます。

それから徐々にトルコリラ円のレートが下げるに従って取引高が伸びてきているのが面白いですね。特に2017年後半に30円台を割ってからは更に取引高が伸びています。

たしか2017年後半くらいからトルコリラ円に関する記事をよく見かけ、FX業者もトルコリラ円を推してきていたような記憶があります。この時期からトルコリラ円の取引を始めた人も多いのではないかと思います。

トルコリラ円の取引高とトルコの政策金利の推移

最後にトルコリラ円の取引高と政策金利の推移を一緒に表示してみました。

政策金利の推移は2014年1月が10%、それから徐々に下げて7.5~8.0%で長く落ち着きましたが、今年の5月にトルコリラが大きく下落したことで政策金利を16.5%で上げ、更に7月には17.75%に引き上げています。

このグラフを見る限りでは、取引高と政策金利にはあまり大きな相関は無さそうです。
それよりはトルコリラ円のレートの下落による「割安感」の影響が大きいようです。

まとめ

今回の調査結果についてまとめます。

  • トルコリラ円の取引高は、2015年から徐々に伸び始め、2017年後半から更に加速している。
  • トルコリラ円の取引高は、マイナー通貨ながらも国内業者の取引高トップ10内に入ってきている。
  • トルコリラ円の為替レートが下がるにつれて取引高も上昇している。
  • トルコリラ円の取引高は、政策金利よりも為替レートの下落による「割安感」によって上昇したと考えられる。

2018年8月の取引高はまだ出ていませんが、今回のトルコリラショックによって過去最大の取引高になっている可能性はあります。

今後はトルコリラの人気は弱まると考えられます。
しかし、当分の間はトルコリラ円の取引高は高い水準を維持するのではないかと思います。
(「今が買い時!」と考えている人は大勢いますので・・・)